作:Rui
「貴方の力が必要なのよ。白獣の幻。」
幻に向かい言葉を放つ唯
「俺の力が必要、か。どうせ事が終わったら俺を追うのだろう?」
「まさか。貴方を放しておくのは都合が良いのよ。私達にとってね。」
「都合が良い?どう言う事だ?」
疑問を持つ幻に答える唯
「貴方は破邪・破魔の力を持っているのよ。これは白獣独自の能力よ。」
「破邪に、破魔。」
「そぅ。この二つの能力を同時に持っている白獣は私達SKにとって都合が良いのよ。
だから、貴方を捕まえないのよ。」
「そんな理由か。俺に勝ったら協力してやろう。」
そう言うと構える幻
「…知らないわよ。私は。」
「構わん。」
そう言うと唯に向かい突っ込む幻
「風式・無式。」
そう言うと風が吹き荒れる路地裏
「なっ!」
それに驚く幻
「絶空!」
唯がそう言った直後地面に倒れ込む幻
「…まだまだね。貴方も、この技も。」
「これで未完成か。」
そう言うと起き上がる幻
「良いぜ、協力してやる。」
「ありがとう。それじゃついて来て。」
とある場所
「フリーズエクスキューション!!!」
そう言うと対象にしていた人形が凍りつく
「…どうでしょう?ルイさん。」
「驚きの連続ね。素質・才能共に有り、何より吸収が早い。思った以上ね。氷那雪。」
「そうですか。」
そう言うと顔を俯かせる雪
「…間宮風濫の事、まだ引きずっているのか?」
「…うん。」
デュールの言葉に素直に答える雪
「マスター、そんな気を落とさないで下さい。
マスターが強くなればそれだけ助けられる確率が増えるんですから。」
「ディーネ、ありがとう。」
そう言った後姿を見せる唯
「ルイ、彼女はどうなってる?」
「唯様。結構良い感じに成長しています。」
「そぅ。」
「所で、後ろの男性は?」
「彼は幻。鳳幻。通り名は白獣の幻。聞いた事ぐらいある筈よ。」
「…聞いた事ぐらいなら。」
唯の言葉に答えるルイ
「さてと、ルイ。」
「はい。」
「デューと幻を連れて6つ目の封印の場所へ行って。多分フィーナも居ると思うから。」
「はい。解りました。唯様は?」
「私は彼女をギリギリ迄育ててみる。大丈夫、間に合わせてみせるから。」
「解りました。それでは行きましょう。」
そう言うと外へ向かって行くルイ・デュール・幻の3人
「さて、特訓よ。良いわね?」
「はい。」
6つ目の封印のある地点の近くのビルの屋上
「さぁ、あと1つ。フィール、貴女は私のサポートをしなさい。良いわね?」
「はい、お姉様。」
「行くわよ。」
そう言うと屋上から飛び出すフィーリアとフィール
封印点
1人両手に銃を持ち静かに佇むフィーナ
「…来たわね。」
そう言うとフィーナの目の前に降り立つフィーリアとフィール
「封印を解きたくば、私を倒してからにしなさい。」
「そんな解りきっている事よ。行くわよ、フィーナ。」
「えぇ。」
そう言うと銃を仕舞うフィーナ
「来い。」
「言われなくても。」
そう言うと剣を抜きフィーナに向かうフィーリア
「ハァァァァァァ!!!」
剣を振るフィーリア
それを受け止めるフィーナ
「なっ!」
「雷流格闘術。自己流の格闘術ですよ。」
そう言うと受け止めた左手とは反対の右手にイカヅチが集まる
「喰らえ!」
そう言って右手を振りかぶる
その直後フィーナの右の脇腹に衝撃が走る
「ナイスよ、フィール。」
そう言うと左手でフィーナの顔を掴むフィーリア
「少し眠っていた貰うわよ。スリーピア。」
そう唱えると眠りへと陥るフィーナ
「…フィール、6つ目の封印をお願い。私は六芒星の中心へと行くわ。」
「解りました。お姉様。」
そう言うと分かれて去って行くフィ―ナを担いだフィーリアとフィール
フィーナとフィーリアが交戦した場所
「誰も居ないな。」
「…魔力の残りが微かにあるわ。幻、フィールを追ってくれるかしら?」
「解った。」
そう言うとそこから去って行く幻
「デューは私とフィーリアを止めに。」
「解った。」
「行くわよ。」
そう言うとフィーリアを追いかけるルイとデュー
6つ目の封印点
そこにはフィールの姿があった
「…これを壊せば。」
そう言うと構えて詠唱を始めるフィール
「飛べ。風の刃!」
そう言って手を翳すと風の刃が封印を切り刻み崩れ去る封印
「…これで完了。お姉様と合流しなければ。」
「それは勘弁だな。フィール。」
ふと聞こえた男性の言葉に声の聞こえた方向を向くフィール
「…白獣の幻か。」
「ご名答。合流したいなら、俺を倒してからにしな。行くぞ!」
そう言うとフィール目掛けて突撃する幻
六芒星の中心
フィーナを寝かせ準備を整えるフィーリア
「さぁ、絶望の始まりよ。」
そう言うと六芒星が光出す
「我は魔族フィーリア。我が名において汝の封印を解く。来たれ、冥王よ!」
そう言った直後フィーナの身体が変わって行く
「フィーリア!!!」
叫びながら突撃して来るルイ
「喰らえ!トロン!」
突撃しながらトロンを放つルイ
そのトロンを片手で止めるフィーリア
「静かにしなさい。冥王様の復活よ。」
そう言うとトロンを握り潰すフィーリア
それと同時に地面に足を付ける冥王
「冥王アーシェス様。お久しぶりでございます。」
「…フィーリア。貴女が私を封印から解いてくれたのね。ありがとう。」
「ありがたきお言葉。」
その言葉を聞くとルイの方を見るアーシェス
「…光の者。始末しないといけないわね。」
「私がやりますわ。アーシェス様の手を煩わせるのが、勿体無いですから。」
「…解った。存分にやりなさい。」
「はい。」
そう言うとルイの方を向くフィーリア
「…もう1人も来たみたいね。面白い、2人一緒にかかってらっしゃい!」
そう言うと黒神装を纏うフィーリア
封印点
距離を開けて戦うフィールと幻
「(埒があかねぇ。一気に接近してやる!)」
心の中でそう言うとフィール目掛けて突撃する幻
「我が名において汝を氷の柩に止めん!」
「なっ!」
突然の詠唱に驚く幻
「フリージングセメタリ―!」
「マジックアウト!!!」
魔法を唱えた瞬間無効化されるフィール
「誰?邪魔をするのは。」
「魔法少女まじかる☆ゆっき〜よ。フィール、私と戦いなさい。」
「…面白い。なら先ずは貴女から固めてあげるわ!」
そう言って対峙する2人
続く
次回予告
冥王アーシェスが封印から蘇った
それと同じ頃雪は1人変わり果てた友人の元へと来ていた
次回第6話「雪の覚悟〜光と共に〜」