作:シャドウ
「あー!! ヨウィス!! ウチのたこ焼き食べたなー!!」
『いやー、弥子のオカンの作るたこ焼きはうまいわー。自分の空間には無機物も持ち込めるんがこないにうれしいとは。』
「…戸臼家家訓…その7!!」
弥子は腕輪を持つと家訓を叫ぶ!
「”食べ物の恨みは海よりも深い”!!!」
『って、わぁああ! 腕輪振り回すな! 酔う! 酔う!!!』
…これが魔法少女ヤコこと、戸臼 弥子の日常の一部である。
魔法少女ルカ 第十二話「ブロンズ像の魔法少女」
厳格な家で育った弥子だが、テンションは常に高い。
母親譲りらしいその元気印は、見てるこちらもテンションが上がると評判だ。
「お嬢、お疲れ様です。」
「あはははは、無理せんでええよ。」
「ですが、お嬢はお嬢です。」
「ま、肩張らんでな。ちょっと出かけてくるで。」
…まるでヤクザの家の会話である。
…誤解するといけないので言っておくが、弥子の家・戸臼家はこの町の中でも古くからある名家だ。
「お譲」と呼んだ人は専属のガードマンなのだ。…黒服なので誤解されるかもしれないが。
しかし、それなら弥子自身にもボディーガードが付いていてもおかしくは無いのだが…。
「だって、ウチの方が強いんやもん。」
護身術として柔道、空手、薙刀、ボクシング…あらゆる格闘技を身につけた彼女は、
「ギザギザハートの子守唄」で言う所の、「触るもの皆傷つけた」状態である。
そんな弥子は、元ボクシングジムの前に立った。
『ここやな。魔族の臭いがプンプンしおるで。』
「早く帰って、たこ焼き食べたる!」
裏口から忍び込むと、弥子はすぐに変身。
魔法少女ヤコになると、リングの上に人影を見つける…。
「…魔族やな。」
「…イカニモ…タコニモ…。」
『つまんない冗談おいといて、とっとと顔見せや!』
その人影は身長2mを越すかのような大男。
魔族界十幹部:ノルベズである。
「魔法少女…我ガ名ハノルベズ。オ前モアノヨウニ飾リ立テテクレル…。」
ノルベズの指さした方向には、ヤコも知っているこの町の強い女の子達だった。
ここで言う強いとは、格闘技において女性部門で優勝したとかそのくらいのレベルである。
「許さへんで。覚悟しいや!」
「覚悟スルノハ、ドチラカナ?」
先手必勝! とばかりに、ヤコは爪で攻撃する。
ノルベズはそれをまったくガードしなかったが、傷はまったくついていない。
「オ前ガ我ニ勝テル確率ハ…0%。無駄ナ事ハシナイ方ガイイ。」
「…うるさいで! 戸臼家家訓、その6!」
ヤコは身構えて、家訓を言いながら攻撃する!
「”数字なんてただの目安”や!!」
爪に火がつき、炎を纏った爪はノルベズの肌に大きな火傷を残した!!
ヤコは魔力を爪に溜めて、あらゆる攻撃を可能にしているのだ。
「…ナント…面白イ。我モ”本気”ト書イテ”マジ”ト読ム…トイウ事デモシテミヨウ…。ハァァァッ!!」
ノルベズは腕を振り下ろし、衝撃波を巻き起こす!
「そんな衝撃波、受け止めてやるで!」
『!! アカン! ヤコ、避けるんや!!』
「え!?」
ヤコの体に衝撃波がぶつかる。
当たった下半身は…なんとブロンズと化していた!
「な…動けへん!!」
『調子に乗るからや、ドアホ!』
「アホ言うな!! 言うならバカでええ!」
『って、こんな漫才やってる場合やない!!』
「…ドウダ。体ガブロンズ像ニナッタ感想ハ。」
二人の漫才を無視して、ノルベズは聞く。
「あんま、うれしくない…。」
「…喜ンダ奴ハコレマデニ一人トシテイナイ…。ナッタ瞬間ハ…。」
「あ…!?」
ヤコに異変が起きる。
「何や…熱い…。この…熱さは…?」
まだブロンズと化していないチャイナドレス(上半身部分)を引きちぎると、
ヤコはブラも外し、型の良い胸を露にする。
『や、ヤコ!? 何してるんや!!』
ブロンズ化が少し進む中、ヤコはノルベズに…。
「ウチの胸…揉んで…揉み解して…揉みくちゃにしてぇ!!」
「実行スル…。」
ノルベズの手はヤコの乳房を揉み解していく…。
『な、何をした!?』
「苦シミノ表情デハ糧トシテハ不足。最後ニ快楽ヲ感ジサセナケレバイケナイ…。」
そう言っている間にもヤコは快楽の表情のまま、ブロンズ化が進み…ついにブロンズ像と化した…。
「176体目…。」
ヤコを飾り付けすると、ノルベズは通信をし始めた…。
「…東ニ向カッタウォールハ…勝テル確率ガ低イ。…第二作戦ノ許可ヲ。」