魔法少女ルカ 第六話「修行中の魔法少女…もとい、魔族達の円卓会議」

作:シャドウ


さて、友情で結ばれた魔法少女ルカと魔法少女シュリは、
第二話で登場した夢空間で修行中である。

コランダムの最後の言葉…魔族界十幹部…。
もっと強くならなければ…と二人の考えは合致し、修行することにしたのだ。


魔族界十幹部…今回のお話は幹部たちにスポットライトを当ててみようと思う。


魔法少女ルカ 第六話「修行中の魔法少女…もとい、魔族達の円卓会議」



「…どっちだ?」


ビルの屋上でカウボーイ風の青年がそう言った。

彼の前には3人の少女がいた…いや、訂正しよう。

その内の二人は人の形をしていたが、すでに人ではなかった…。

月光を反射して輝くそれは、エメラルドでできた一糸纏わぬ少女像だった。


「表裏を当てられたら…二人は元に戻るんですね!?」

「最初からそういう約束だ。さぁ、どっちだい?」


どうやら、コイントスの賭けをしているようだ。

そして、賭けに負ければエメラルドの像と化す…。


「表!」


少女は叫ぶ。自分の運が良い事を信じて。

だが、カウボーイ風の青年は無常なる現実を口にした。


「…残念だが、裏だ。」


ピシッ。


最後の叫びもあげる事ができないまま、少女はエメラルドと化した。


パキッ!


少女の服だった物にヒビが入り、次の瞬間にはじける。

3体目の裸の少女のエメラルド像が出来上がっていた…。


「いやぁ、ギャンブルってのは恐ろしいねぇ。」


プルル…プルル…

携帯電話が鳴る。


「もしもし? ああ、ジェリーか。…何? 会議? 緊急? 分かった…すぐ行く。」


カウボーイ風の青年が指パッチンをすると、エメラルド像3体はその場から消え、

青年自身もその場から消えうせた。



―謎の場所



「来たか…。」


カウボーイ風の青年がそこに姿を現すと、その場にいた8人がそちらのほうに顔を向ける。


「エムロード。遅かったな。」

「悪い悪い。今さっき連絡もらってよ。で、何の話なんだよ? メイズ。」


カウボーイ風の青年=エメロードは、この場を取り仕切る男=メイズに話しかけた。


「俺達…魔族界十幹部が集まるなんてことは稀な筈だぜ?」


そう、この場にいる9人…全員が魔法少女と敵対する魔族界十幹部なのである。


「…コランダムが…倒された。」


メイズのその台詞にその場にいた全員を凍りつかせた。


「コランダム姉様が…死んだと…?」

「だから、そう言ってるんだろうが。理解しろよ、ジェリー。」


ジェリーと呼ばれた少女はゴスロリドレスが妙に強調された服装だった。


「信じられません! 一体どこの馬の骨です? コランダム姉様を手にかけたのは!」

「…魔法少女だ。」


メイズの台詞に再び言葉を失う全員…。


「女王ソーリスの言っていたあの予言が…当たってしまうとはね…。」


話し出したのはメイズの横にいた物静かな女性だ。

男性陣の一番の年上がメイズだとすれば、こちらは女性陣の一番上といったところか…。


「『魔法少女が必ず魔族を滅ぼす。』…ゲイト。お前はあの言葉を信じているのか?」

「いいえ。片鱗が見えただけ…といっておきましょう。パペター、あなたの見解は?」


物静かな女性…ゲイトは、ピエロの格好をした男…パペターに話しかける。


「…要は負けなければ良い。レシン、お前はどう考えている?」


パペターは隣にいた、まるでマネキンと間違うような女性…レシンに話しかける。


「固めて、”王”の元に送ればそれで終わり。」

「それじゃあ、僕らの取り分が少なくなっちゃうでしょうが…。」


レシンの考えを否定したのは、このメンバーの中では最も幼い男の子。


「そいつら固めるよりも、他を固めていったほうが良いんじゃないの?」

「それは早計ね、ウォール。」


幼い男の子…ウォールの意見を潰したのは、どう見ても修道女にしか見えない女性。


「彼女たち魔法少女は、私達の気配を察知している可能性があるわ。遭遇確率は高いはずよ。そうよね? ノルベズ。」

「…ワクスノ考察……98.5%ノ確率デ…魔法少女ト戦ウ事ニナル…。」


修道女の…ワクスの考えを肯定したのは、コンピュータの様なしゃべり方をする大男…ノルベズ。


「まぁいい。それは各個人個人で対応するしかない。戦力増加のために幹部候補を連れてきた。入りたまえ。」


メイズの言葉で入ってきたのは…14歳くらいに見える普通の少女だった。


「…おいメイズ。お前は馬鹿か? こんなやつ連れてきて何させようと…。」

「…レイト。」

「はい、お父様…。」


レイトと呼ばれたその少女が腕を上げると、文句を言ったエメロードの腕が突然…チョコレートと化した。


「何っ!?」

「…レイト、元に戻してあげなさい。」

「はい、お父様…。」


レイトが腕を下げると、エメロードの腕も元に戻る。


「驚いたな…。メイズ、あんたの娘か…。」

「私とゲイトの娘…レイトだ。」


メイズの紹介でレイトは頭を垂れる。


「さて、我々は”王”からの新たな指令を受け取った。魔法少女と遭遇したら即座に固めてしまえ…だ。」


メイズの言葉に三度黙る全員。しかし、今度は違う。その顔にはどう固めてくれようかという思案が浮かんでいた。


「魔法少女などに…我々が負けてはいけないのだ!」


…魔族達の夜は更けていった…。

続く。


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