Silver Fairy Another Story〜Two Blood&Saint Knight〜 第3節「真祖の姫君〜真実を語る者〜」

作:Rui


シーレアの言っていた洞穴に入ってから5分
かなり奥迄来ている唯達
「結構奥まで来たわね。いちご、何か感じる?」
ふと口を開く唯
「何か?…なんだか解らないけど、声が聞こえるの。私を呼ぶ声が。」
そう言うと奥へと足を進めるいちご
さらに奥へ進むと明りが漏れる場所を見つける
「あそこだ。」
そう言うとその場所へと向かういちご
そしてその場所には……

その小さい部屋みたいな場所には女性の黄金像が飾られていた
何も纏わず、全てを受け入れる形で、その黄金像は飾られていた
「彼女よ、彼女が私を呼んでいたの。」
ふと口を開くいちご
「えっ?」
その言葉に疑問に思うフィーナ
「…私は、彼女を知っている。」
そんな中で口を開くルシナ
「知ってて当たり前よ。彼女は、全ての吸血鬼の主。
…今現存する吸血鬼及びBloodは全て彼女から生まれたと言っても過言では無いわ。」
「…それじゃあ、私や例の彼も?」
「…彼は、特殊なケースよ。無論いちごも。」
「えっ?」
ワタルの事を言われ疑問に思ういちご
「…気にしなくて良いわよ、いちご。…さてと。」
そう言うと黄金像の方を向く唯
「久し振りね、何百年振りかしらね?真祖の姫君レイン=ブリュンスタッド。」
黄金像に話し掛ける唯
その瞬間ふと声が聞こえる
「…聖神、正確には134年よ。」
「…そう。それより、貴女も気付いているでしょう?何かが動いている事を。」
「えぇ。真祖が1人、動いているわ。」
レインの言葉に何かを考え口を開く唯
「ねぇレイン。話があるんだけど…。」
「…協力しろって言うんでしょ?この封印を解く変わりに。」
「解ってるじゃない。どう?」
唯の言葉に考え込むレイン
話に付いていけないフィーナ・いちご・ルシナ
「言っておくけど、解放した瞬間私達を襲うってのは、無しだからね。」
「…解っているわ。」
「商談成立♪」
そう言うとレインの黄金化を解除する唯
金属から人間の肌に戻り、地に立つレイン
その身体には服が纏われていた
「そんじゃ行こうか?レイン。」
そう言うと出口の方へ向かい歩く唯

洞穴の入口

「う〜ん、やっぱり外は良いわね〜。」
そう言いながら背伸びをするレイン
「…自分自身もそうだけど、彼女は本当に吸血鬼なの?」
疑問に思うルシナ
「ある程度行くと昼間でも大丈夫なのよ。吸血鬼ってのは。」
それに答える唯
「さてと、少し準備運動でもする?レイン。」
「…そうね。」
その言葉と共に地面から突如現れる影
「な、何これ?」
いちごが口を開く
「アンデット。生きる屍。くっ!」
そう言いながら銃を取り出すフィーナ
「フィーナ・ルシナ、いちごを守ってて。行くよレイン。」
「解っている。」
そう言うと次々とアンデットを倒して行く唯とレイン
1分も経たないうちにアンデットを全滅させた2人
「…まっ、こんなモンかな?」
唖然となる3人
そんな中いちごが口を開く
「何これ?」
その言葉に何かに気付く唯達
「…洋館を囲む形で展開。中々やるみたいね、真祖は。」
「唯姉、これは一体?」
「石化結界。触れ様物なら一発で石化よ。」
そう言いながら銃を取り出す唯
「キュレスト(聖浄化)」
そう言うと光る銃
そしてそのまま引鉄を引く唯
すると煙が消える
「行くよ。」
そう言うと洋館の中へ入る唯

洋館の中

シーレアの部屋

「フェザーウイング!」
「テルセルカ!(10本の射手)」
部屋の扉を破り侵入してくる異形の集団を倒して行く羽純とルイ
「羽純さん、このままではこちらが不利になります。」
「解ってる!…フェザーストライク!」
ルイの言葉に答えながらも異形の集団にフェザーストライクを打ち込む羽純
「何か策は無いの?ルイ。」
「この状況では考えられません。」
「…仕方無いな〜。」
そう言うと詠唱を始める羽純
「ラス・フェルノ・レティシア(我が息吹にて汝よ固まれ)ラティシア(石化の息吹)」
そう言うよ煙が異形の集団を襲う
その煙が晴れると石化した異形の集団がそこには居た
「少しは時間稼ぎが出来るから、この間に考えて。」
「解りました。」
そう言うと考えるルイ
「イルス(翼よ)」
そう言うと羽純の周りに光る羽根が多数展開する
「なるべく良い案考えてね。そんなに持たないけど。」
そう言いながら部屋の入口を見る羽純
「…唯様が帰って来る。もう少し持って下さい。」
「…解った。」
その直後石化像を壊して部屋に侵入してくる異形の集団
「食らえ!セラフィックフェザー!!!」
それと同時に異形の集団を多数の羽根が襲う
そしてその後方で雷の剣が集団を払っていた
「ルイ!大丈夫?」
「フィーナさん。えぇ、ワタルさんもこちらに移しましたから。」
ルイのその言葉に安心するいちご
「あれ?唯は?」
「ロビーの方に行ってる。そこに大本が居るって言ってたから。」
「…フィーナさん、ここを頼みます。」
そう言うと部屋から出て行くルイ
「私も!」
それを追いかけるいちご
「ちょっと!……しょうがないな〜。」
若干呆れるフィーナ

ロビー

中央に1人立つ女性
「…詰らない所。」
そう言いながら辺りを見回す女性
「なら、私が遊び相手になろうかしら?」
そう言いながら姿を表すもう1人の女性
「真祖メディア。ダークネスフェアリーフェイトが、お相手するわ。」
そう言うと剣を抜くフェイト
「…面白い。」
そう言うと構えるメディア
「行くわよ。」
そう言うとメディア目掛け突撃するフェイト
その攻撃を受け止めるメディア
「正直ね、真正面から来るなんて。」
「基本よ。」
そう言うとメディアを弾き間を置くフェイト
メディアが構え直したその瞬間
間を詰めるフェイト
「なっ!」
突然の事に驚き間を空けようと後ろに下がる
それを追いかけるフェイト
ふとメディアに魔法の矢が命中する
矢が射出された方向を見るとそこに居たのは…
「唯様!今です!」
「ダークネスストライク!」
そう言うとメディアに気の篭った突きが襲う
それを避けるとふと目に入った女性を人質に取るメディア
「いちご!」
「また会いましょう。」
そう言うとそこから消えるメディア
勿論いちごも一緒に…
剣を収め黒装を解く唯
「……。」
そのまま黙り込む唯

シーレアの部屋

部屋に戻りロビーで起きた事を話す唯
「いちごさん、無事だと良いですね。」
ふと口を開くルイ
「…確かにね。」
それに答えるフィーナ
「シーレア様、相手の居場所は解りますか?」
「山頂に向かう途中にある洞穴。そこに真祖メディアが居るわ。」
ルシナの言葉に口を開くレイン
「案内、出来るか?」
ふと男性の声が聞こえる
その声のした方を振り向く一同
そこに居たのは…
「ワタル!もう起きて大丈夫なの?」
唯が心配そうに口を開く
「このぐらい、Sブラッドである俺なら、大丈夫だ。」
「…そう。」
「それで、その場所迄案内出来るのか?」
再び質問するワタル
「…一応案内は出来るわ。」
「なら、今すぐ俺を連れて行ってくれ!」
「待ちなさい、保志ワタル。」
突然口を挟む唯
「今は体力を温存しときなさい。…安心して、ちゃんと貴方を連れて行くから。」
「…解った。」
唯の言葉に納得するとベッドに戻るワタル
「唯姉、本当に連れて行くの?」
「…えぇ。」
そう呟くと部屋から出て行く唯

洋館の外

入口の扉近くで煙草を吸う唯
「唯様、よろしいでしょうか?」
「…良いわよ。」
「失礼します。」
そう言うと唯の横に付くルイ
「何か用?彼、保志ワタルの事?」
「…はい。本当に、お連れになるのですか?」
「…心配なの?彼の事。」
唯の言葉に黙り込むルイ
「…純粋ね、ルイ。…彼は連れて行くわ。それにフィーナとレイン。
計4人で、メディアを討ちに行くわ。」
そう言うと煙草の火を消しルイの方を向く唯
「ルイ、ここの事、お願いね。」
「…はい。」

そして夜が明けた

「私も行く!」
朝になって突然ルシナが同行を希望してきた
「…シーレアの事、どうするの?ルイと羽純だけになるのよ。」
「あっ……。」
「ここで待っててね、ルシナ。…行くよ!」
そう言うと洋館を出発していく唯・フィーナ・レイン・ワタルの4人

続く

次回予告
真祖メディアを討つ為にメディアの居場所となる洞穴についた唯達
その中を進んで行くと大きな空洞に出た
そこに居たのは…
次回第4節「真祖メディアの罠〜避けられぬ2人の戦い〜」

つづく


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