Silver Fairy 〜Another Story〜 第11話「託す想い〜振り返る過去〜」

作:Rui


ルイの言葉にメデューと唯に何があったのかを話しだすリスフィード
「あれは。旧暦3500年の頃だった。」

旧暦3500年

人間界の海上に浮かぶ浮遊大陸
その中心都市シェルフィナ
そのシェルフィナを中心とし東西南北に伸びる道
そしてその道の先にはそれぞれ街が建っている
「(そして、その年の夏、メデュー様の運命が、変ったのよ。)」

真夏のとある夜

シェルフィナ

城のバルコニーで星空を眺めるメデュー
「フィー。」
「側に。」
「綺麗な星空だと思わない?」
「フェルノア様の言う通りです。私が見ても、綺麗と思います。」
フィーの言葉に微笑むフェルノア
「正直ね。けど、何かが起きそうなのよ、今夜は。」
「えっ?」
「…なんでもないわ、おやすみ。」
そう言うとそこから去って行くフェルノア

一方街では…

酒場

「…皆揃ってる?」
1人の女性が口を開く
側に居る男性が頷く
「配置の方は?」
「大丈夫です。」
別の男性が口を開く
「そう、それじゃあ、行くわよ。」
そう言うとその女性が外に出る
それに続くように続々と外に出る住民
そのまま城へ向かい歩く女性
それにつられるように街の至る所から住民が出て来る
そして城門の前迄来ると止まる女性
「我が名はフェイト!!!城主フェルノアに話がある!門を開けよ!
開けなければ、開けるのみ!!!」
フェイトの言葉に反応が帰って来ない
「…そう、なら開けるのみ!皆下がってて。」
フェイトの言葉に従い下がる住民
「食らえ!黒龍八連!!!」
そう言って剣を振ると八頭の龍が門に向かう
門に龍達が当ると爆発する
それに伴い煙が出る
「…突撃!!!」
そう言って煙立つ中へ飛び込んで行くフェイト
それに続く住民

同時刻城主の寝室

「…フィー、何が起きたの?」
「はい、住民達が反乱を起しています。」
「…フィー、始末してきなさい。貴女の得意な術で。」
そう言うとニヤリと笑うフェルノア
「解りました。」

「邪魔だぁぁぁ!!!」
そう言いながら突撃するフェイト
ふと目の前に扉が見えた
「邪魔!」
そう言うと剣を一振りするだけで壊すフェイト
そして壊した扉の向こうには部屋があり、
そこには1人の女性の姿があった
「…私はフェイト。貴女は?」
「フェルノア様に仕える者。名乗る名は無い。」
「…そう、行くわよ。」
そう言うと一瞬で間を詰めるフェイト
それをかろうじて防御するフィー
「へぇ、中々の腕前ね、けど、まだまだ甘い!」
そう言うとフィーを弾き飛ばすフェイト
「アースバインド!」
そう言うと床が突如フィーを掴む
「なっ!」
「しばらくそこに居なさい。」
「くっ、待て!」
両手足を捕まれた状態で叫ぶフィー

城主の間

扉を豪快に開け部屋の中に入るフェイト
「…シェルフィナ城主フェルノアね。」
ふと口を開くフェイト
その視線の先には…
「いかにも。貴女、名前は?」
「…クリス=ラス=レイピア。聖神の一族の者よ。」
「…成る程。私を倒しに来たと言う事かしら?」
「違う。」
クリスの言葉に驚くフェルノア
「私は、人の心の中にある、魔を討ちに来た。フェルノア、貴女のね。」
そう言うと鎧が黒から銀に変る
「フェルノア、今ここで貴女がここの支配を諦めるのなら、見逃すわ。」
「諦めなければ?」
「貴女の魔を討つのみ。」
そう言って剣を向けるクリス
「…討ちたければ、討ちなさい。」
「…なら、遠慮無く。」
そう言うとフェルノアを切り裂くクリス
「…これで、全て終わった。」

同じ時フィーは何かを感じていた
「…フェルノア様?」
そう口を開いた時
ふと目の前にフェルノアの姿が現れる
「…フィー、一緒に行きましょう。魔界へと。」
「…はい。」
そう言うとその場から消えるフィー

再び羽咲港

「その後私は魔界で石化等の術を覚えた。それは全てメデュー様に教えて貰った。」
「…メデューはどうなったの?」
「その後光神に魂を捕らえられ、行方不明に。
だがつい最近ここに封印された事が判明した。」
「だから、今回の事件を起したのね。」
ルイの言葉に口を開くリスフィード
「えぇそうよ!全ては、メデュー様に再び会う為に!」
「しかし、何故身体を必要としたの?それに、何故フィーナなの?」
「答えは簡単。フィーナの中に封じられているロプトが、メデュー様を吸収したからよ。
けど、精神は残って居た。だからこそ、復活させたのよ。」
リスフィードの言葉をただ聞くルイ
そんな中でふと口を開く
「間違っている。ただ会いたいから、フィーナさんや普通の人を犠牲にするなんて。」
「…確かに。けど、私の願いは叶えられた。…貴女に頼みたい事があるわ。」
「…良いわ、話して。」
「…メデュー様を止めて。あの方は、全てを憎んでいる。お願い。」
そう言うと涙を流すリスフィード
「大丈夫です。その想いは、届きます。そして、止められるでしょう、我が主なら。」
我が主
ルイのその言葉に納得するリスフィード
「…確かに、彼女なら止められるかもね。」
そう言うと夜空を見上げるリスフィード
「…あの時と同じ空。変わってないわね。」
そう、呟いた

そして、対峙しあう、唯とメデュー
「始めましょう、メデュー。」
「えぇ。」
そして、戦いは始まった

次回予告
遂に始まった唯とメデューの戦い
過去の恨みを果たすべく戦うメデュー
人の未来の為に戦う唯
果たして勝つのはどっちか?
次回第12話「光と闇の戦い〜銀装vs邪王〜」

つづく


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