Silver Fairy 〜Another Story〜 第7話「天翼守護結界発動〜託されし銀十字〜」

作:Rui


夜になり、羽咲市内のメデューの石化結界を囲む形で
三角形になるように配置した、エル・ガブリエル・羽純の3人
頂点となる部分にはエルティスが配置していた
そしてそこに唯・イリア・フェルミナの3人と、セフィリアの姿があった
「セフィリア、本当に任せて良いの?」
「えぇ、エルミナド教会は全力で守るわ。だから、安心して行ってきて。」
心配そうなイリアの言葉に応えるセフィリア
「それと、唯。」
「何?セフィ。」
セフィリアに呼ばれ答える唯
「これ、唯が持って行って。」
そう言って出したのは、銀十字
「良いの?辛くない?」
「大丈夫よ。私の中にある、新しい力。この力があれば、大丈夫だから。」
「…解かった。」
そう言うと銀十字を受け取り首に掛ける唯
「エルティス、始めて。」
「はい。…偉大なる神々よ。我天使長エルティスの声に応え魔を封じ込めよ。」
そう唱えるとエルティスから光の柱が天へ向かって伸びる
それに答えるように他の2人の場所からも光の柱が天に伸びる
「発動せよ。天翼守護結界!」
そう言うと光が羽咲市内を包む
そして光が止むと口を開くエルティス
「…結界は発動しました。持って12時間、つまり、夜明けです。」
「OK。行くよ!」
そう言うと中心部へと突入していく唯達

その頃の水月邸

ロビーではルイとフィリスが話をしていた
「ルイ、本当にやる気なの?」
「えぇ、いつまでも守勢に回っているつもりはありませんから。」
そう言うとE―フェルディアを握るルイ
ふと何かに気付くルイとフィリス
「…ルイ、今の感じは?」
「…邪王メデューの結界の上に、更に結界が張られたみたいですね。」
そう言うと外への扉に向かうルイ
「ルイ!」
「私は大丈夫ですよフィリス姉様。ここを、お願いします。」
そう言うと屋敷を出て行くルイ
直ぐ様唯の気を探しながら走り出す

その頃羽咲港ではメデューがとある物を見つけていた
「フフッ、こんな物がこんな所にあるなんて、捨てた物じゃないわね。」
「おっしゃる通りです、メデュー様。」
「リスフィード、貴女はこれが解かるかしら?」
ふとリスフィードに質問を投げかけるメデュー
「えっと…。」
「正直に答えて良いわ。」
「はい。これは旧時代の遺産。しかも型は人が搭乗するタイプの機動兵器です。」
「…正解よリスフィード。しかも、動くわよ。乗りましょう、これで全世界を私の手に。」
「「全てはメデュー様の為に。」」

そうとは知らず羽咲中央駅にやってきた唯達
「何もかもが石になってる。」
駅前の悲惨な光景を目の前にし口を開くフェルミナ
「木や人は勿論。車等の人の作った物の石になっているわ。」
冷静に口を開く唯
その時、ふと何かに気付く唯
「イリア・フェルミナ、何かが居るわ。」
「「えっ?」」
突然の唯の言葉に驚く2人
「…(この感じ…ルイ?)…居るのなら出てきなさい、ルイ。」
唯がそう言うと石と化した車の影から出て来るルイ
「唯様。」
「ルイ、私の家は?」
「今の所大丈夫です。私の姉に、アインスとフィーアが居ますから。」
「…それなら安心ね。それよりついて来なさい。ちょっとした秘密兵器があるの。」
そう言うとそこから去る唯
それに付いて行くイリア・フェルミナ・ルイの3人

羽咲港にあった機動兵器のコクピット

「リスフィードどう?動きそう?」
「はい、後30分もすれば全て起動出来ます。」
「そぅ、なるべく早くしてね。」
「解りました。」
その言葉を聞くと外へ出て行くメデュー



1人潮風に当るメデュー
「…(何なのだ?私の中に何かが居る。一体貴様は…)。」
「フィーナ=ラス=レイピア。その身体の本来の持ち主だ。」
ふとメデューの後ろで声がする
「何者?」
そう言いながら声のした方を向く
そこには男性が1人立っていた
「言っておくが、俺に石化は通じないぜ、邪王メデュー。」
「くっ!貴様何者だ!」
「俺?俺かい。俺はカヤキス。ティアーズ=カヤキス。黒い悪魔と呼ばれた、黒騎士だ。」
そう言うと一瞬でメデューとの間を詰め、メデューの首に剣を突きつけるカヤキス
「なっ!(一瞬で?この私が?)」
「このままで言っておく。お前を倒すのは俺ではない。彼女だ。」
そう言うと剣を引き収めるカヤキス
「待ちなさい!彼女とは一体誰の事?」
「…水月唯。またの名をクリス=ラス=レイピア。」
そう言うと闇に消えるカヤキス
「…クリス=ラス=レイピア、だと。」
そう呟くと飛空挺がある倉庫の中へと入って行くメデュー

羽咲貨物ターミナル

「…姉さん、こんな所に何があるんですか?」
疑問を口にするイリア
「ふふ〜ん、秘密。」
そう言いながら1つの大きな倉庫へ向かう唯
そしてその大きな倉庫の前に着く
「ここに何があるのですか?唯様。」
「…開けてからのお楽しみ。」
そう言うと扉を開ける唯
扉は左右に分かれていき、徐々に中に入って居る物が姿を現す
「唯、何これ?」
呆然としながら口を開くフェルミナ
「何って?旧時代の遺産。人が乗れる機動兵器よ。」
「機動兵器?」
疑問に思うイリア
「旧時代のとある時期に開発。搭乗者によってカスタマイズが可能で、
その為多彩な兵装が可能となっております。以上です。」
「正解よ、ルイ。さっ、起動させるわよ。」
そう言うとその中の1つに乗り込む唯
それに続くルイ達

機動兵器のコクピット

キーボードを打ち機動兵器を起動させる唯
「…少し懐かしいわね、この機体も。」
そう言うと通信が入る
「唯様。ルイ機起動完了しました。」
「飲み込みが早いわね、ルイ。」
「同じ機械ですから。」
「…確かにそうね。」
そんな事を話しているとイリア・フェルミナからも通信が入る
「各機起動完了したみたいね。武器を持って、出るわよ!」
そう言うと近くにあった武器を持って倉庫の扉を壊す唯
倉庫の扉を壊すと勢い良く飛び出す唯機とルイ機
それに続いて飛び出すイリア機とフェルミナ機
「目標は羽咲港!各機私について来な!」
「「「了解!!!」」」
唯に言葉に答える3人
そして、戦場は羽咲港へと写る

続く

次回予告
旧遺産の機動兵器
それぞれがぶつかり合う時、
全ては伝説となる
次回第8話「古代機動兵器〜伝説となる戦い〜」

つづく


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