Silver Fairy 〜Another Story〜 第6話「虚構と現実〜全ては幻の中に〜」

作:Rui


エルミナド教会内
剣を抜き構える唯
素手のまま構えるエルティス
「…行くよ、エルティス。」
「…はい。」
その返事を聞くとエルティス目掛け突っ込む唯
唯の突きを交わすエルティス
「フェザーウイング!」
羽根を使った斬撃を繰り出すエルティス
「…甘いわよ、エルティス。」
「(止められた!)」
「フェザーアロー!」
唯の左手から繰り出される光の矢がエルティスの右脇腹に直撃する
直撃をくらい倒れるエルティス
「どうしたのエルティス。貴女の力はこの程度なの?」
唯の言葉に立ち上がるエルティス
「…(攻撃に、攻めに転じなきゃ。)」
そう心の中で決心するエルティス
「翼よ、集まりて我が敵を討て!フェザーストライク!」
「…甘い。」
そう言うと一振りで白い光矢を切り払う唯
するとそこにはエルティスの姿があった
「なっ!」
驚く唯
「フェザーアロー!」
「フェザーウイング!」
エルティスの攻撃を防ぐ唯
右手で繰り出したフェザーアローを弾かれた瞬間
左手でフェザーウイングを繰り出すエルティス
それを受け止める唯
「クッ!中々ね、エルティス。」
「まだです。フェザーストライク!」
そう言うと唯の腹に直撃するフェザーストライク
「くっ、…エクスプロード!」
小規模の爆発を起こし距離を取る唯
しかし爆煙の中から追撃するエルティス
「なっ!」
尚も驚く唯
「フェザーストライク!」
「リフティア!」 (魔法反射壁)
フェザーストライクの光矢を跳ね返す唯
その直後一気に間を詰めるエルティス
それを見て剣を仕舞う唯
「「フェザーストライク!!!」」
共に同じ術を使う2人
その直後術に寄る作用で弾かれる2人
結果的に間を空ける事になった
「…エルティス、現時点での貴女の最強の技で来なさい。
 私も、最強の技で行くから。」
そう言うと何処からともなく槍が出て来る
その槍を掴む唯
「…解るでしょ?エルティス。」
「…ニーベルンストライク。確かに、最強の技ですね。」
「…正解よ。」
唯の技に心の中で決心するエルティス
「解放。」
そう言うと身体が白く光るエルティス
「…。(未知数の技ね。面白いわ、エルティス。)」
そう心の中で言うと左手に気の玉を形成する唯
「来なさい、エルティス。」
「…はい。」
そう言うと唯に向かい駆け出すエルティス
「天光剣最終奥義!」
「食らえ!ニーベルンストライク!」
2人の技がぶつかりあった瞬間
光の柱が発生する
そして辺りは光に覆われた

光が止むとそこには互いに背を向けた唯とエルティスが立っていた
「…中々やるわね、エルティス。」
「…唯姉もです。」
そう言うと倒れる2人
「姉さん!」
「天使長!」
それぞれを心配するイリアと羽純
そんな中自力で起き上がる唯
「私は大丈夫、数分もすれば治る。それよりエルティスの方を。」
「解った。」
唯の言葉に応える羽純
「それと、イリア。」
「何ですか?姉さん。」
「外に女の子が1人居る筈なのよ。居たら、中に連れて来て。」
「はい。…あっ、羽純さん、エルは孤児院の方に。」
そう言うと一緒に外へ出て行くイリア
「…呆然としてるわね、セリス。」
「…え、えぇ。」
「法の守護者の上位に居る者同士の戦いよ。今のが。」
「…もし、邪王メデューや、魔王と戦ったら?」
「…半径100Kmのクレーターが出来るわ。」
唯の言葉に驚くセリス
「あら、私は事実を言った迄よ。」
「ルシファー姉様!」
ふと突然入口の方から声する
「ガブリエル。久し振りね。
 ラファエルとウリエルは元気にしているかしら?」
「はい。2人共元気です!」
「そぅ、ありがとう。
 それより、天翼守護結界は解るわよね?ガブリエル。」
「はい。解りますよ。
 実際に天使長やミカエル姉様と使った事もありますから。」
使った事がある
その言葉を聞き安心する唯
「それを、明日、使って貰うわ。」
「…解りました。」
「素直でよろしい。今日はもう寝ましょう。」
「はい。」
その返事を聞くとガブリエルを連れて外へ出て行く唯

時同じくして水月邸

ロビーではルイにアインス、
それにティーエ・フィーア・フィリスが集まっていた
「フィリス姉様。この状況はやはり…。」
「えぇ。邪王メデューが復活したみたいね。」
「邪王、メデュー?」
疑問に思い口を開くフィーア
「魔界はともかく、神界すら脅かした存在よ。
 前に神界に攻め込んで来た時は、聖神クリスが撃退したけど、
  今回は…。」
淡々と語るアインス
「女神アリス。どちらにしろここは閉ざされた空間です。
 しばらくは持つと思います。
  その間に対策を考えるのがよろしいかと…。」
「フィリス。今の私はアインスよ。」
「…失礼しました。」
「けど、対策と言ってもどのような事を…。」
ふとティーエが口を挟む
その言葉に溜息をつく一同
そんな中で口を開くルイ
「…唯様の部屋に行けば、何かあるかもしれない。」
ルイの言葉に希望が見える一同
「けど、何も無いかもしれない。けれど、行ってみる価値はある。
 フィリス姉様、ここをお願いします。」
「ルイ、1人で行くの?」
フィリスの言葉に頷くルイ
「大丈夫なの?」
「はい。ここの見取り図は把握しています。
それに、残り少ない戦力を割く訳には行きませんから。」
そう言うとアインスの方を見るルイ
「アインス。それにフィリス姉様。
 私が戻るまでの間、よろしくお願いします。」
そう言うと屋敷の奥へと去って行くルイ
「…それじゃあ何か考えながら待ちますか。」

水月邸唯の部屋

ドアを開けて中に入るルイ
部屋の明りを点けると、部屋の中を捜し始める
ふと、机の引き出しに目が行くルイ
上から二段目の引き出しに手を掛け、引き出しを引くルイ
引き出しの中には…
小剣と、一通の手紙が入っていた
ふと手紙を手に取り読むルイ
―――ルイへ
貴女がこの手紙を読んでいる時は私がそこに居ない状態で、
危機にあっている時だと思うわ。
だから、この手紙と共に、小剣を残すわ。
この剣が、貴女達を救う鍵となるわ。
その剣の名は、貴女が知っているわ、ルイ。
Dear 水月唯―――
手紙を読み終えると引き出しの中の小剣を手に取るルイ
その瞬間ルイの頭の中に1つの名前が出て来る
「…E―フェインド。…そう、唯様が持っていたのね。」
そう呟くルイ

ロビー

E―フェインドを持ってロビーへ戻って来たルイ
「ルイ、何かあった?」
最初に口を開いたのはフィリスだった
「これが、ありました。」
そう言って小剣を見せるルイ
「小剣。ルイ、これが何か?」
疑問に思い口を開くアインス
「姉様なら解ると思います。名前を聞けば。
 この小剣の名前は、E―フェインド。」
ルイの口から出た小剣の名前に驚くフィリス
「…我が一族に伝わる神具E―フェインド。何故ここにあるの?」
「アリス様の暴走の時に無くしたと思ってましたから、
 私も少し驚きました。」
「ルイ、E―フェインドを私に貸して。」
ふと口を開くアインス
「あっ、はい。」
素直に渡すルイ
「ありがとう。……アシティア。」 (封印解除)
アインスがそう唱えると光出すE―フェインド
そして光が止むと小剣から片手剣に変わっていた
「変った。アインス、どう言う事?」
疑問に思ったルイが口を開く
「小剣E―フェインドは仮の姿。これが本来の姿なのよ。
本当の名は神剣E―フェルディア。ルイ、これは貴女の剣よ。」
そう言うとE―フェルディアをルイに渡すアインス
「…E―フェルディア。これさえあれば。」
そう思いながら、E―フェルディアを握りしめるルイ

続く

次回予告
天翼守護結界を発動させ、中に突入する唯・イリア・フェルミナ
それと同時に中では神剣E―フェルディアを用いて
脱出しようとするルイ達
一方邪王メデューは羽咲市の海岸でとある物を見つけていた
そのとある物とは?
次回第7話「天翼守護結界発動〜託されし銀十字〜」

つづく


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