Silver Fairy 〜Another Story〜 第5話「メデュー復活〜全ては闇の中に〜」

作:Rui


満月の夜
羽咲中央公園
その中央広場
そこにはリスフィードにフィーリア、それとフェイトに
磔にされているフィーナの姿があった
「フフッ、いよいよよ。フィーリア・フェイト、敵が来たら頼みます。」
「「はい。」」

一方水月邸

ロビーにはイリア、
もといイシュタル・セフィリア・フェルミナの姿があった
「シスターイリア・銀装の製作者セフィリア・フェルミナ。
 生きて、帰って来てね。」
ルイの言葉に答えるフェルミナ
「大丈夫。唯とフィーナも一緒に、連れて帰って来る。全員生きてね。」
そう言うと外へ向かうイシュタル達
「…ご武運を。」

羽咲中央公園

「…月が一番高く昇った。始めるわ。」
そう言うと周囲に風が吹く
ふとその時公園の入口の方から声がした
「フィーリア、お客さんよ。数は…3。銀装は私に任せて。」
「私は2人相手か。…良いわ。」
「そう。なら、行きましょう。」
そう言うと剣を抜き公園に入って来た3人、
イシュタル達へ突撃するフェイトとフィーリア
「イシュ!フェルミナ!来るよ!」
声を出すと同時に銀装を纏うセフィリア
「フェイトは私が何とかするから、2人はフィーリアを!」
セフィリアの言葉に頷くイシュタルとフェルミナ
「フフッ、どちらか強いか決めましょう。セフィリア=ラムス!」
「フェイト!」
そう言うと戦闘に入るフェイトとセフィリア

「イカヅチよ!我が敵を討つ剣と成れ。…トロン!」
雷魔法で攻撃するイシュタル
それを簡単に止めるフィーリア
「嘘!仮にも上級魔法なのよ。」
「甘い!」
そう言うとイシュタルに突撃してくるフィーリア
カキーン
独特の金属音が響く
「フェルミナ。」
「イシュ!フィーリアは私一人で相手をする。
 だからイシュタルはリスフィードの所へ!」
「…ありがとう、フェルミナ。いえ、朱悠秋華。」
そう言うとリスフィードの方へ駆け出すイシュタル
「逃すか!」
それを追いかけるフィーリア
「エクスプロージョン!」
そう唱えるとフィーリアの目の前で爆発が起きる
「ただでは行かせないよ。」
そう言葉を発するフェルミナの身体は紅色の毛が身体を多い、
魔獣独特の翼が背中から生えていた
「…魔獣王夜叉か。面白い!」
そう言うと戦闘に入るフィーリアと秋華

中央広場

「今こそ目覚めん、邪王メデュー!」
今まさに儀式が終わろうとしていた
「リスフィード!」
そう言いながら突っ込んで来るイシュタル
「雷帝イシュタル!だがもう遅い!」
そう言うと磔にされていたフィーナの身体が変化していく
その光景に驚き動きを止めるイシュタル
「フィーナ!」
そう叫ぶイシュタル
「さぁ来たれ、邪王メデュー!」
そう言うと光が発生する
その光に飲み込まれそうになった瞬間イシュタルを抱え
その場から離脱する1人の影
次の瞬間、羽咲中央公園を中心とする半径20kmは、
全ての物が、石と化した
木や街灯、電柱や電線。車等の乗り物
そして、人間も

中央広場には邪王メデュ―が降臨していた
「…私を復活させたのは、貴女かしら?」
「は、はい。魔族でリスフィードと申します。
 以後お見知りおきを、邪王メデュー様。」
「…解ったわ、リスフィード。それと、他に誰か居るのかしら?」
メデューの言葉に答えるリスフィード
「はい。同じ魔族で、フィーリアと言う者がおります。」
「そぅ。」
メデューがそう言うとふと声がする
「フィー!」
その声の主はフィーリアだった
「フィー、もしかして彼女は?」
「正解よフィーリア。この方こそ、邪王メデュー様よ。」
リスフィードの言葉に膝を付くフィーリア
「魔族でフィーリアと申します。以後お見知りおきを。」
「解ったわ。リスフィード・フィーリア、行くわよ。」
「「はい。」」

羽咲海浜公園

公園内の海岸
そこには1人立っている女性と座り込んでいるイシュタル
そして気を失っているセフィリアとフェルミナの姿があった
「…貴女は、誰?何故私達を助けたの?」
疑問に思い口を開くイシュタル
「…貴女達は鍵となる存在。全ての答えは、水月唯にあるわ。」
「姉さんに?それってどう言う事?」
「…答えは、いずれ解るわ。それじゃ。」
そう言うとその場から消える謎の女性
「…姉さんの所はやばいから、エルミナドに戻ろう。」
そう言うとセフィリアとフェルミナを担ぎ移動するイシュタル

エルミナド教会

教会内

1人十字架の前に立つイリア
「…主よ、もしもいらっしゃるのでしたら、私達に希望を。」
そう言うと祈るイリア
「随分と熱心に祈るのね、シスターイリア。」
「誰です!」
ふと声のした方を振り向くイリア
椅子の影から姿を表す女性
「セリス=リュ―ディア。
 これでもソルティナ(神官騎士長)の位を持つ魔導師の家系よ。」
「…セリス、今この羽咲市に起きている状況、解っている?」
イリアの質問に答えるセリス
「知っているわ。波動を感じたから。」
「なら話は早い。私達SKに、力を貸して。」
「力?水月唯やフィーナ=ラス=レイピアはどうしたの?」
セリスの言葉に黙り込むイリア
「…解った。けど、敵はあの邪王メデューでしょ?」
「えぇ。」
「正面から行ったんじゃ、やられるのがオチよ。」
「フィーリアとリスフィードをどうにかしてくれれば良い。
 後は、私が何とかするから。」
「シスターイリア、貴女死ぬ気なの?」
「娘が元に戻ってくれれば、本望よ。」
その言葉に黙り込むセリス
「セリス、想いがあれば、不可能は可能に変るわ。」
「想い、ね。何となくだけど、その強さは解るわ。けど、邪王に効くの?」
「元が私の娘、フィーナだから、ありったけの想いをぶつければ…。」
そう言うと黙り込むイリア
ふと入口の方から声がする
「無理ね。ありったけの想いを混めても、邪王には効かないわ。」
「誰?」
疑問に思い口を開くイリア
「全く、いつから羽咲市は不思議空間となったんですか?
 シスターイリア。」
「…羽純?」
声を聞きふととある名前を口にするイリア
「正解。羽咲市警特殊機動隊諜報部白井羽純。
全く、私が行かなかったら、皆石になってましたよ。」
「それじゃああの時、私達を助けたのは…。」
「そっ、私。それにしてもとんでもないのが復活しちゃたわね〜。」
そう言うと悩む羽純
「先程のイリアの作戦も良いんだけど〜、
他にもっと確実性がある作戦を考えた方が良いと思うんだけどな〜。」
そう言いながらイリアの側へ寄って来る羽純
「自分の娘の為に命を投げ出す行為は良い作戦だと思う。
けど、簡単に命を捨ててはいけないわ、イリア。」
「…それは、解っているわ。」
「命を投げ出すなんて…。」
「私だけで良い。でしょ?羽純。」
突然の声に声のした方を向く羽純・イリア・セリス
そこに立っていたのは…
「姉さん?」
「やっほ。とりあえず、現状の戦力を説明して。」
「あっ、うん。」
唯の言葉に答えるイリア

イリアから現状の戦力を聞いて納得する唯
「成る程。イリアに羽純。
 それにセリス・フェルミナ・セフィリアの5人か。」
「姉さんを入れれば6人です。」
「いえ、9人よ。」
「えっ?」
唯の言葉に疑問に思うイリア
「私の所が無事なのよ。言ってる意味解るわよね?」
「…ルイ・アインス・フィーアの3人ですか?姉さん。」
「正解。けど、結界内だから、難しいのよね。」
「邪王メデューの石化結界ですか?」
羽純が口を開く
「えぇ。丁度良い感じに入ってるのよ。
 まぁ私の結界で何とか持ってるけど…。」
「戦力には出来ない。そう言う事ですか?」
「正解よ、イリア。なんとかしないといけないのよ。」
そう言って考える唯
「石化結界を斬っても良いんだけどそうすると外へ噴出してしまうし、
 かといってそのまま突入しても石になるのが目に見えてるし…。」
「天翼守護結界を使うのはどうでしょう?」
ふと口を開く羽純
「羽純、けどそれを使うには1人足りないわ。
あれは天使、それも主天使以上の位の天使が3人居ないと使えないわ。」
「水月唯。1人足りないって、今ここに天使など…。」
セリスがそう言った矢先
天使の羽根を背中から出す唯と羽純
「水月唯。その正体は天使長ルシファー。」
「白井羽純。その正体は織天使ミカエル。」
2人の正体に唖然とするセリス
その側で平然とするイリア
「し、しかしそれでもあと1人足りないじゃない。」
「…1人心当たりが居るのよ。」
セリスの言葉に笑みを持って答える唯

5分後

ふと1人の少女が現れる
「中々早かったじゃない、エルティス。」
「何の用で呼んだんですか?唯姉。」
唯にエルティスと呼ばれた少女が答える
「…今の羽咲市の状態を見れば、解るでしょ?」
「い・い・え!」
唯の言葉に答えるエルティス
「天使長。ゆ…ルシファー様は天翼守護結界を発動させるのよ。」
「天翼守護結界。唯姉、本気なんですか?」
「やるしか無いでしょう?今のこの状況じゃ。」
唯の言葉に黙り込むエルティス
しばらくして口を開く
「…唯姉。いえルシファー様。いくら貴女の言う事であっても、
守護結界の発動は、出来ません。どうしてもすると言うのなら、
 私を倒してからにして下さい。」
そう言うと構えるエルティス
「本気なの?私に勝てると思っているの?エルティス。」
「…正直言うと勝てません。
 けど、天翼守護結界なんて言うのに頼るよりかはマシです。!」
「…そう、ならば、貴女を討つわ、エルティス。」
そう言うと羽根を仕舞い剣を抜く唯

続く

次回予告
それは、避けられないのか?
人間界はおろか天界や魔界迄もその名が知れ渡る水月唯
それに対するわ現天使長エルティス
この2人の戦いは避けられないのか?
次回第6話「虚構と現実〜全ては幻の中に〜」

つづく


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