作:Rui
唯が姿を消してから一夜が明けた
ふと水月邸に来ているフィーナ
ロビー
「それじゃあ昨日から唯姉は帰って来てないって事なの?フェルミナ。」
「えぇ。昨日の夜出て行ったっきり。連絡も無いし…。」
心配そうな顔をするフェルミナ
「誰ですか?名前を言って下さい。」
ふとルイの声が聞こえる
「…貴女がルイ?」
「え、えぇ。」
「…私はフィーリア。水月唯は私達が捕らえたわ。
それだけを伝えに来たの。それじゃ。」
「唯様が?嘘よ!」
「ここに唯が帰って来ていない。それが立派な証拠よ。」
そう言うとそこから去って行くフィーリア
その光景を一部始終聞いていたフィーナとフェルミナ
「唯姉が…。」
「フィーナ、とりあえず落ち着いて。焦ったら、向こうの思う壷よ。」
「フェルミナ…、解った。それと今夜、出るわ。」
「…付き合うわ。」
「ありがとう。」
フェルミナの言葉に感謝の言葉を返すフィーナ
その日の夕方
羽咲中央公園近くの美術館
「…フフッ、綺麗な金の像。わざわざ捕らえた甲斐があったわ。」
「マスターリスフィード。そこまでして彼女にこだわるのですか?」
「…フェイト。黙りなさい。」
「すみません、マスターリスフィード。」
「解れば良いの。それより、1つ頼み事をして良いかしら?」
「何なりと。」
フェイトのその言葉に口を開くリスフィード
「レイピアを捕らえなさい。勿論生きたままでね。」
「…解りました、マスターリスフィード。」
「楽しみにしているわよ。」
「はい。」
そう言うとその場から消えるフェイト
夜の羽咲中央駅前
煙草を吸い、辺りを見回すフィーナとフェルミナ
「…来ないね、フィーナ。」
「まだ、活動するには早い時間よ、フェルミナ。」
そう言って駅の時計を見ると…
9時27分
「…確かに。」
そう言うともう1本取り出すフェルミナ
それから13分
時刻は9時40分
ふと何かに気付くフィーナ
「フェルミナ、来てるよ。」
「…何処に?」
「まだ特定は出来な…、正面。」
フィーナの言葉にゆっくりと顔を動かし正面を見るフェルミナ
「フィーナ、あれって…。」
「えぇ。あれは唯姉、いえ、ダークネスフェアリーフェイトよ。」
「えぇぇ!!!」
驚くフェルミナ
「勝てるの?」
「やらなきゃ解らないわ。移動するよ、フェルミナ。」
そう言うとその場を離れるフィーナとフェルミナ
羽咲中央公園
中央広場
「…銀装。」
そう言うと銀の鎧を纏うフィーナ
「さぁ、出てきなさい、フェイト。」
そう言うと木の陰から出て来るフェイト
「…何の用かしら?」
「…貴女を殺す。」
その言葉に剣を抜くフィーナ
「フェルミナ、どいてて。」
「えっ?」
フェルミナが疑問に思った瞬間
フィーナとフェイトは戦闘へと入っていた
2人剣をあわせたと思うと直ぐに上昇した
そしてそのまま木の上に立つ
「流石レイピア。私について来れるとは。だからこそ、全力で行く!」
「…私もよ、フェイト!」
そう言った直後2人同士突撃する
突撃の後、それぞれ木の上に着地する
「…私の勝ちね、レイピア。」
そう言うと体勢を崩し木から落ちるフィーナ
地面に落ちた時には銀装が解除され、銀十字も何処かに消えていた
倒れているフィーナに駆け寄るフェルミナ
それを阻止するフェイト
「それ以上来るのなら、斬るわよ、フェルミナ。」
「くっ。」
そう言われ後ずさりするフェルミナ
それを確認んするとフィーナを抱えるフェイト
「誰でも良いから伝えなさい。儀式は、まもなく開始されるとね。」
そう言うとその場から消えるフェイト
「…儀式はまもなく開始。…まさか?」
そう思うとその場を後にするフェルミナ
その近くの木の下で銀十字を拾う謎の女性の姿
静かに眺め、フェルミナを見送った
声も掛けずに
続く
次回予告
フィーナが捕らえられた
この報告に衝撃が走る水月邸
唯が居ない。フィーナも居ない。
果たして彼女達に勝機はあるのか?
次回第4話「銀装妖精〜儀式の始まり〜」