作:Rui
「(力を望むのかしら?貴方は?)」
「(俺は?俺は?)」
謎の声の呼びかけに悩む孝之
そんな孝之の前に秋華が倒れ込む
「大丈夫か?」
「なんとか、ね。」
そう言うと立ち上がる秋華
「早く、避難して。ここに居ると、巻き込まれるわよ。」
そう言うとヴォルケスを構える秋華
「(…どうするの?)」
「…(力を、くれ。)」
「…(貴女なら、)そう言うと思ったわ。」
突如聞こえた声に驚く秋華と黒薔薇の君
それと同時に自分にしか聞こえた無かった声が
他の人にも聞こえるようになった事に驚く孝之
「何に驚いてるのかしら?」
声の聞こえた方を向く孝之・秋華・黒薔薇の君
そこに居たのは…
「…柊、楓。」
ふとその名前を口にする孝之
「バカな。先程茜に心臓を刺された筈なのに、何故生きているの?」
「不老不死って、知ってるかしら?黒薔薇の君。」
「老いもしない。死にもしない。人が求める理想よ。」
「正解。けど、不老不死になっても、つまらないわよ。暇潰しを見つけなければ。」
そう言うと剣を納める楓
「…言うわね、柊楓。いえ、聖神クリスと言った方がよろしいかしら?」
「…知り過ぎよ、黒薔薇の君。」
そう言うと銃を向ける楓
「銀銃シルバーホーク。噂は本当だったのね、貴女が銀装の力を使っていた事。」
「…良く、知ってるわね。」
「えぇ。」
その言葉の後黙ったまま睨みあう2人
「…黒薔薇の君、1つ、聞きたい事がある。良いかしら?」
「…えぇ。良いわよ。」
「…何故、堕ちてまで、彼を欲するの?」
「叶わない願いと、解っているからよ。だから、堕ちてでも鳴海先輩を。」
銃を構えたまま黒薔薇の君の話を聞く楓
「…弱い者ね、人って。」
そう言うと銃を仕舞い剣を抜き構える楓
「取り合えず、鳴海君に、正体晒したら?」
剣を構えながら黒薔薇の君に言う楓
その言葉に対し黙り込む黒薔薇の君
「…見せたくないのね。堕ちた姿を。だから、全身を鎧で纏い、顔を隠している訳ね。」
「…えぇ。」
「…後ろの方も終わったみたいだし、いい加減正体晒してみたら?」
楓の言葉に黙る黒薔薇の君
「…なら、力付くよ!!!」
そう言うと一瞬で間を詰め
兜の中心線を縦に斬る楓
「…まっ、やっぱりここで止まるわね。」
そう言うと剣を引き間を取る楓
その直後兜が2つに割れ地面に落ちる
そこから出て来た顔に驚く孝之・水月
「…財布を拾ってくれた、後輩。」
「えっ?」
孝之の言葉に疑問に思う遙
「白陵柊1年生穂村愛美。それが黒薔薇の君の正体よ。」
楓の言葉に黙り込む一同
「…え。」
「えっ?」
何か言ったらしく、それを聞き取ろうとする楓
「彼女さえ居なければ!!!」
そう言うと遙に向かい突撃する愛美
「遙!!!」
たまらず声を上げる孝之
それを防ごうとする水月
「駄目水月!!!」
そう言うと水月に体当たりをし、愛美の剣の直線状に入る遙
「遙!」
水月が叫ぶ
その直後
カキーン
独特の金属音が響く
そこには愛美を剣を受け止めるレイピアの姿があった
「彼女を殺らせはしない。」
そう言うと剣を弾く
「な、何故ここに居るの?生きて戻れる訳が無いのに。」
その言葉に銀装を解除すると同時にロプトウスの力を発現させる紫亜
「…解るかしら?私は雷帝の名を持つと同時に暗黒神ロプトの力も持っているのよ。
あれぐらい、簡単よ。」
そう言うと再び銀装を纏う紫亜
「秋華!」
「大丈夫よ、紫亜・楓。」
「なら、最初お願い。」
「OK、楓。」
そう言うとヴォルケスを構える秋華
「行くよ!!!」
続く
次回予告
遂に終わりを迎える黒薔薇の君が引き起こした事件
それは即ち彼女達が帰る事も意味していた
次回最終節「終焉を迎える時〜そして新たな出会いへと〜」