作：Rui
白陵柊の裏の丘
剣を抜き構える楓と黒薔薇の君
「黒神剣レインヴァレス。面白い物を持っているのね、黒薔薇の君は。」
「聖剣エクスカリバーを持っている貴女に比べれば。」
「そうかしら？」
そう言うと真正面から突っ込む楓
カキーン
独特の金属音が響く
「やっぱ受け止めるよね。」
そう言うと剣を相手の方に斜めに向け後退する楓
「ヒット＆アウェイ。…無駄な事よ。」
黒薔薇の君がそう言うと何かが楓に刺さる
何かと思いふと下を見ると
「なっ。」
胸の中央から剣が突き出ていた
剣を抜かれるとそのまま倒れ込む楓
楓の後ろから出て来た人物は…
「茜。…役に立つ娘ね、貴女は。」
「全ては、マスターの為に。」
傍らでその光景を見ていた孝之
そして孝之を見る黒薔薇の君
「く、来るな。来るな―――!!!」
孝之がそう言った直後
黒薔薇の君の目の前を一発の銃弾が霞める
「動かないで下さい。動けば、撃ちます。」
そう言うと黒薔薇の君に銃を向ける紫亜
「…茜。」
黒薔薇の君がそう言うと紫亜に向かい突撃する茜
「なっ！」
突然の行動に驚く紫亜
「貰った!!!」
そう言うと剣を振り下ろす茜
その直後独特の金属音が響く
「大丈夫？鷲月さん。」
「…速瀬水月。…戻ったのか。」
そう言うと銃を仕舞う紫亜
「せい！」
そう言うと茜を剣ごと弾く水月
「鷲月さん、どうすれば茜を元に戻せるの？」
「強く想うのよ。彼女を魔の束縛から解き放つ為に。強く。」
「強く、想う？」
そう言うと目を閉じて思い描く水月
その直後手に持っていた剣が白く光る
「その状態で、彼女を斬れば、魔の束縛から、彼女は解放されるわ。
銃の場合も同じ。強く想えば、白く光り、それを打ち出せば同じ事。」
「ありがとう、鷲月さん。」
「…遙？」
「どうしたの？水月。私が居るのが、そんなに不思議？」
「…ううん。行くよ、遙。」
「うん。」
そう言うと茜に向かって行く遙と水月
「来るな―――!!!」
孝之の言葉に気付く紫亜
「しまった!!!」
そう言うと駆け出し銃を向ける紫亜
「遅い。ダークプリズン！」
そう言うと黒い球体を紫亜にぶつける黒薔薇の君
球体は大きくなり紫亜を飲み込むとその場から消えた
「…嘘、だろ？」
目の前で起きた出来事に驚く孝之
「嘘じゃないわ。彼女は、消えた。これで、鳴海先輩と…。」
そう言うと孝之に近づく黒薔薇の君
「エクスプロード!!!」
その言葉の直後小規模の爆発が起き吹き飛ばされる黒薔薇の君
「くっ！誰？私と鳴海先輩の邪魔をするのは？」
「秋華。炎獄の秋華。私が相手になるわよ、黒薔薇の君。」
そう言うと槍を構える秋華
「炎槍ヴォルケス。レインヴァレス相手に何処までやれるかしら？」
「死ぬ迄よ。」
「面白い。」
そう言うと構える黒薔薇の君
側で見ていた孝之の視界にふと遙と水月が入る
「…(遙。それに速瀬。…俺は、無力なのか？)」
「(貴方が願えば、力を与えても良いわよ。)」
「(!!! 誰だ？)」
「(力を望むのかしら？貴方は？)」
「…(俺は。俺は。)」
続く
次回予告
謎の声に寄って力を望むかどうか問われる
孝之が出した答えは？
そして黒薔薇の君との対決はどちらが勝つのか？
次回第８節「自身が望む結末〜黒薔薇の君の正体〜」