作:Rui
柊町駅前
「セブン!コード・スクウェア!!!」
「邪魔!!!」
「退きなさい!!!」
それぞれ技を決めると一点に集まる3人
「少し、数が多いですね。」
「あら、これぐらいで息切れ、ですの?」
笑顔で目線を合わせるシエルと秋葉
「気を抜いたら、こっちがやられるわよ。」
「確かに。たまには良い事を言いますね、貴女も。」
「いつもの事よ。」
アルクと視線を合わせるシエル
「2人共、人形共が来るわよ。」
秋葉の言葉に構えるシエルとアルク
その瞬間雷と炎がその場を走る
「!!!」
その光景に驚く3人
「驚いた、こんなに人形が居るなんて。」
「ある意味尊敬しますね。」
その言葉の後3人の前に降りて来る2人の女性
「結構苦戦しているわね、シスターエレイシア。」
「シスターイリア。そう呼ばないで下さい。」
「あっ、そっか。ゴメン、シスターシエル。」
ふとそんな会話の中でもう1人の女性を見るアルク
それに気付き口を開くイリア
「どうしたのですか?真祖の姫君。」
「彼女、人間じゃ無いわね。」
アルクの言葉にもう1人の女性が口を開く
「正解。私は朱悠秋華。魔獣王夜叉と言えば解るかしら?」
秋華の一言に納得するアルク
「さてと、イリア。人形共を一層するよ。」
「OK、秋華。」
そう言うと構えるイリアと秋華
「秋華、ヴォルケスは良いの?」
「使う迄も無い。」
「そう。」
イリアの言葉の後詠唱に入る2人
「雷光よ。我が名の元に我が敵を討つ無数の剣と成れ!!!」
「灼熱の炎よ。我が敵を燃やし尽くす為我が前に出でよ!!!」
「サンダーストーム!!!」
「メキドフレア!!!」
そう言うと雷光の剣と灼熱の炎が人形達を襲う
雷光と炎が治まるとそこには人形の姿は無かった
「はい終了。…さて、紫亜は何処に?」
「黒薔薇の君を追いかけましたよ。白陵柊の方です。」
「そう。イリア、貴女はどうする?」
「私は、残るわ。彼女達、結構疲労しているから、治療しなきゃね。」
「OK。んじゃ私一人で行くね。」
「娘を、お願いね。」
「OK。」
そう言うと白陵柊の方へ去って行く秋華
「…不思議ね、貴女達って。」
ふと秋葉が口を開く
「遠野の血に比べれば…。それより防護結界を展開するから、休んで。」
そう言うと結界を展開するイリア
「ありがとう、休ませて貰うわ。」
そう言うと直ぐに横たわるアルク
「後は楓姉さんだけね。」
そう言うと夜空を見上げるイリア
夜空を掛ける楓
「ルイ。敵の位置と皆の位置を教えて。」
そう言うと無線機越しにルイの声が聞こえて来る
「黒薔薇の君は白陵柊。配下3名も移動中。紫亜が追跡中。その後ろから秋華さん。
イリアはシエルさん達と一緒に柊町の駅前です。」
「了解。ルイもそのまま白陵柊へ向かって。」
「了解しました。」
「…学校、か。」
そう言うと無言で白陵柊へ急ぐ楓
白陵柊校門
そこには黒薔薇の君の姿があった
「…もうすぐここで、あの人と。」
そう言うと門を離れ敷地内に入って行く黒薔薇の君
校舎裏の丘
そこには孝之の姿があった
「…(何で、何でここに居るんだろう?俺は?)」
そう言いながら木に寄りかかる孝之
「鳴海先輩?」
ふと女性の声が聞こえる
それに気付き声のした方を見る孝之
「誰だ?」
「私の願いが、叶う。」
「えっ?」
疑問に想う孝之
それを無視し孝之に近づく黒薔薇の君
そしてそのまま孝之の顔に自らの顔を寄せる黒薔薇の君
その瞬間
「そこまでよ。黒薔薇の君。」
楓の剣が黒薔薇の君の首筋に当てられる
それに気付くと顔を離し立ち上がる黒薔薇の君
「私の願いの成就を邪魔するのですか?」
「当たり前よ。」
そう言うと剣を向ける楓
「黒薔薇の君。汝がしようとしている事は、私が阻止する!」
「面白い事を言うわね。なら、相手をしましょう。」
「自信が、あるのね?」
「えぇ。」
「面白い。行くわよ。」
「来い。」
続く
次回予告
遂に始まった楓と黒薔薇の君の直接対決
果たして勝つのはどっちなのか?
そして黒薔薇の君の願いとは?
次回第7節「一途な願い〜伝わる筈の無い想い〜」