Silver Fairy クロスオーバーエディション For月姫&君が望む永遠 
第4節「Knight Of Black Rose」

作:Rui


「今度は、こちらから攻めるわよ。」
楓がそう言った翌日の白陵柊
昼下がりの屋上

そこには楓・紫亜・志貴の3人の姿があった
「柊さん、昨日こちらから攻めるとは言ったけど、相手が居る場所は解ってるのか?」
「えぇ。ついこの前までは欅町の方に構えていたけど、今は白塚の方よ。」
「それで、いつ攻め込むんだ?」
「今夜よ。」
「解った。」
そう言うと屋上から去って行く志貴

放課後

夕暮れの校舎の廊下

廊下を1人歩く志貴
ふと階段から誰かが出て来る
「…秋葉か。脅かすなよ。」
「逃げて、兄さん。でないと、兄さんを殺してしまう。」
そう言った瞬秋葉の髪の毛の色が真紅に変わる
「秋、葉?」
志貴がそう呟くと
爪が伸び、悪魔の羽根が生え、目の色が真紅に変わる
「…嘘、だろう?」
その直後志貴の後ろから黒鍵が飛んでくる
それを弾く秋葉
振り返る志貴
「どいて下さい。彼女を、消します。」
「えっ?」
消す
その言葉に心臓が高鳴る志貴
「嘘だろう?秋葉を消すだなんて。嘘だと言ってくれよ!先輩!」
「…残念ですけど、あぁなっては戻す術が…。」
「あるって言ったらどうする?シスターシエル。」
ふと聞こえた声に口を開くシエル
「楓さんですか。あると言うのですか?彼女を人に戻す方法が?」
「まぁ見てなさい。」
そう言うと秋葉の方に向かい歩き出す楓
それと同時に髪の色が金に変わり腰迄延び剣を抜く
「大丈夫よ遠野君。貴女の妹さんは、私が救う。」
そう言うと剣が白く光る
「魔を消し去れ。聖なる光よ。」
そう言うと突きの体制で構える楓
それを見て突っ込んで来る秋葉
「貫け!ライトニングシューター!!!」
そう言って剣を突き出すと白い光が秋葉を貫く
そのまま廊下へと落ちる秋葉
剣を仕舞う楓
それと同時に銃を構え階段の方へ向ける
「居るんでしょ?出てきなさい。」
その言葉に姿を表す人物
「黒薔薇の騎士。また会ったわね。」
「えぇ。我が主の居場所を見つけたようだけど、簡単には行かせないわ。」
そう言うと剣を抜く黒薔薇の騎士
それを見て銃を仕舞い剣を抜く楓
「楓さん、ここは私に任せて貴女は遠野君と一緒に行って下さい。」
「シエル、1人で大丈夫なの?」
「…なんとかしてみます。」
「…解った。生き残ったら美味しいカレー作ってあげる。志貴、行くよ!」
そう言うと志貴を掴み窓を割り外へ出る楓
去ったのを確認すると黒鍵を取り出し構えるシエル
「さて、ここじゃなんですから、移動しませんか?」
「構わないわ。」
そう言うと窓から外へ出て行くシエル
それについて行く黒薔薇の騎士
1人倒れたまま残された秋葉

柊町駅前

そこには紫亜と孝之、それとアルクの姿があった
「鳴海君、本当に行くの?」
「あぁ。遙だけでも、この手で取り戻したいんだ。」
「…解った。足手まといだけには、ならないでね。」
「解ってる。」
「マスターの所へは行かせません。」
ふと聞こえる聞き覚えのある声
「茜ちゃん。」
孝之の言葉を無視して構える紫亜とアルク
「孝之。」
ふと聞きなれた声が孝之の耳に入る
「こっちは素晴らしいぞ。孝之もこっちに来いよ。」
「…嘘だろ?慎二。」
呆然とする孝之
「なぁ、孝之も来いよ。」
そう言いながら孝之に近寄る慎二
「シルバードストライク!!!」
シルバードストライクを慎二に叩き込む紫亜
「魔よ、浄化せよ。」
そう言うとシルヴェイトを仕舞い剣を抜くとそのまま茜へと向ける
「次は貴女よ。」
「…私の相手は貴女じゃない。彼女達よ。」
その言葉と同時に転移魔方陣が現れ鎧を纏った女性達が多数出現する
「行きなさい。」
そう言うと一斉に剣を抜き突撃して来る女性達
「数が多い。2人共、伏せて!!!」
そう言いながら剣を仕舞い拳銃を両手に持つ紫亜
その直後乱射する紫亜
銃弾が当った女性は光を発し倒れ込む
ものの十秒ぐらいで鎧を纏った女性は全て倒れていた
「さぁ、今度こそ貴女の番よ。」
そう言うと拳銃を茜に対し向ける紫亜
「…私の相手にしたいのなら、この2人を倒してからよ。」
茜がそう言うとふとどこからか姿を現す水月とさつき
「速瀬?」
「弓塚さん?」
孝之の疑問の声にふと聞こえるもう1つの疑問の声
「志貴。」
アルクが口を開く
「何で弓塚さんが?」
「操術の一種か。紫亜!」
「解ってます。」
「なら良い。」
そう言うと剣を抜き構える楓
それに答えるかのように銃を仕舞い槍を構える紫亜
「行け!」
茜がそう言うと水月は紫亜、さつきは楓へと突撃する
それを見て小剣を取り出し左手に逆手で持ち体を捻らせ構える楓
「魔よ、散るが良い。聖龍双連撃!!!」
2つの閃光の剣筋がさつきを斬る
その直後白い光を纏いながら倒れ込むさつき
槍を回転させ構える紫亜
「食らえ!シルバードストライク!!!」
そう言うと白い閃光が水月を突き抜ける
その直後倒れ込むと白い光が水月の身体から発せられる
その光も直ぐに消えた
「さぁ、今度こそ貴女の番よ。」
そう言うと剣を向ける楓
「くっ!」
「どうしたのかしら?茜。」
ふと聞こえた声の方を向く一同
「…黒薔薇の騎士。…シエルは?シエルはどうしたの?」
黒薔薇の騎士を見て口を開く楓
「シエル?あぁあのシスターね。あのシスターなら殺したわ。」
その言葉に驚く楓・志貴・孝之・紫亜
「…茜、戻るわよ。」
「はい。」
茜の返事を聞くと転移魔方陣を敷く黒薔薇の騎士
その隙を狙い黒薔薇の騎士の兜に紫亜の銃弾が命中していた
ヒビが入り割れて地面に落ちる兜
兜の下に隠れていた顔は…
「フィーリア。」
素顔を見てふとその名前を口に出す楓
「くっ!戻るわよ!」
そう言うと茜と共にそこから消えるフィーリア
「逃げた、のか?」
「助かったと言った方が正しいかもな。鳴海。」
そう言うと哀しい表情をする志貴
「紫亜、2人をお願い。」
「はい。」
その返事を聞くと校舎の中へ去って行く楓
「…これでも、一緒に来る?鳴海君。」
ふと口を開く紫亜
「力無き者には、確実な死が待ってるわ。それでも、来る?」
そう言いながら孝之に銃を向ける紫亜
「鷲月!」
「今すぐ答えを出して。それが、貴方の為よ。」
「…図星だな、俺も。…1つ、頼んで良いか?」
「…良いわよ。」
「遙は勿論、茜ちゃんも、助けてくれ。」
「…解った。行くわよ、遠野君。」
そう言うと白陵柊の方に去って行く紫亜とそれを追う志貴
2人が去ったのを確認すると壁に寄りかかる孝之
「…無力だな、俺。何も、出来やしない。」

校舎内

「シエル。大丈夫?」
「楓、えぇ一応は。」
「結構ヒドくやられたわね。」
「えぇ。死にはしないけど、一緒には行けないです。」
「そぅ。…それじゃあ後は私達に任せて、シエルはゆっくり休んでね。」
「えぇ、そうさせて頂きます。」
その言葉を聞くと立ち上がる楓
その後ろには紫亜・志貴・アルクの姿があった
「行くわよ。」
楓の言葉に頷く一同

白塚

「ここなの?」
ふとアルクが口を開く
「えぇ。まだ居ればね。」
そう言うと倉庫のドアを開ける楓
その中には1人佇む女性の姿があった
「…フィーリア。」
「来たわね、楓。残念だけど、マスター達は今頃柊町よ。」
フィーリアの言葉に驚く一同
「紫亜、皆を連れて柊町に戻りなさい。」
「楓姉さんは?」
「私は、彼女と…。」
「…死なないで下さいね。」
「えぇ。」
楓の言葉を聞くとそこから去って行く紫亜達
「さて、やろうか。」
そう言うと2人して同じ行動に出る
「レナス!!!」
「アーリィ!!!」
「「神装!!!」」
そう言うと神装に身を包んだ楓とフィーリアがそこには居た
「面白い。行くわよ、フィーリア。」
「えぇ。」
そう言うと同時に駆け出す2人
そして、戦いは始まった

続く

次回予告
遂に本格的な戦闘が始まった
柊町に乗り込んで来た黒薔薇と呼ばれる者
紫亜は?志貴は?アルクは?果たして間に合うのか?
そして楓とフィーリアはどちらが勝つのか?
次回第5節「想いを胸に〜柊町攻防戦〜」

つづく


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