Silver Fairy クロスオーバーエディション For月姫&君が望む永遠 
第2節「直死と七つ夜〜消える女性〜」

作:Rui


翌日の昼休み

屋上で昼を食べる孝之・遙・水月・慎二・志貴
ふと遙が口を開く
「ねぇ孝之君。」
「ん?どうしたんだ?遙。」
「昨日公園で血の痕が見つかったのって、知ってる?」
「…そう言えば朝のニュースでやってたな。」
「孝之君、私、怖い。」
「…大丈夫だよ遙。遙は俺が守るから。」
「…そうだね。」
会話を交わす2人を見て溜息交じりに口を開く水月
「熱いわね〜。あ〜恋、したいな〜。」
「速瀬なら出来るだろう?」
水月の言葉に口を開く志貴
「俺も、そう思う。」
次いで慎二が口を開く
「そう?ありがとう。」

屋上へ続く階段

「まだ接触しなくて良いの?シスターシエル。」
「…物事にはタイミングと言う物があるんですよ、楓さん。」
「そぅ。真祖の姫君はもう動いているから。
…それと、カレーパン食べながらはやめなさい。」
「ムッ、良いじゃないですか。好きなんですから。」
「そぅ。それじゃ。」
そう言うとそこから去って行く楓
「…接触の時は、そろそろですよ。」
そう呟くとそこから去って行くシエル

放課後

橘町まで出て来た水月と志貴の2人
「珍しいね、志貴と2人で街歩くのって。」
「…確かに。」
そんな会話を交わす2人に、ふと金髪の女性が目に入る
「見つけた。」
金髪の女性がそう言った瞬間
心臓がドクンと高鳴る志貴
「志貴?」
「…嘘だろ?」
「えっ?」
志貴の言葉に疑問に思う水月
その瞬間そこから逃げ出す志貴
「えっ?志貴。」
「逃がさないわよ。」
そう言うと志貴を追う金髪の女性
「ちょ、ちょっと…。も〜私一人置いて。」
「水月先輩♪」
1人で呟いた直後
聞いた事のある声がした
「茜。」
「水月先輩。さっきの男の人、誰ですか?」
「えっ?ただのクラスメイトよ。今日は部活も無くて暇だったから。」
「そうなんですか。それより良い所見つけたんですよ。一緒に行きませんか?」
「良い所?」
「はい♪」

茜について行く水月
段々と人気が無くなっていく
「ねぇ茜。ここって欅埠頭じゃない。こんな所に何があるって言うの?」
水月の言葉に答えようとしない茜
ふと突然足を止める茜
「茜、ここ?」
「…はい。」
そう言うと倉庫の中に入って行く茜
それに続く水月

倉庫内

「暗いわね〜。茜、ここに何があるって言うの?」
そう言った瞬間後頭部に衝撃を受ける水月
「あ…か……ね…。」
そう言いながら倒れ込む水月
「これでよろしいんですか?マスター。」
「えぇ。ありがとう茜。」
そう言いながら微笑む女性

橘町の海浜公園

「何故?何故生きているんだ?無意識とは言え俺は、俺は。」
「私を殺した。驚く事じゃないと思うんだけどな〜。真実だし。」
そう言うと志貴に近づく女性
咄嗟にポケットの中に入っていた七つ夜を取り出し構える志貴
その瞬間
女性の前を1本の剣が通過する
「…黒鍵。来たわね、代行者。」
「そこまでです。アルクエイド=ブリュンスタッド。」
そう言うと志貴とアルクの間に降り立つ代行者と呼ばれた女性
「邪魔しないでよ。折角私を殺した人物に会えたんだから。」
「真祖の姫君。今ここで争っても何の得にもなりませんよ。
むしろ奴等に隙を与えるだけですから。」
そう言うと真正面を見据える代行者
「出てきなさい!隠れているのは解ってるんです。」
その言葉に木の陰から多数出て来る鎧を纏った女性
「なっ!」
その光景に驚く志貴
「遠野志貴。やらなければ、殺られるわよ。」
そう言うと黒い鎧を纏うと剣を抜き構える楓
それに合わすように構えるシエルとアルク
「…少し変わったネクロマンシーね。アルク・シエル。この人形、壊して良いわよ。」
楓の言葉に頷くと、鎧を纏った人形達に突撃するアルクとシエル
「遠野志貴!」
叫ぶ楓
「…俺は。」
「志貴!!!」
再度叫ぶ楓
志貴の目の前には鎧を纏った人形が2体
迫って来ていた
「!!!」
それに驚く志貴
「クッ!」
そう言うと同時に左手で銃を構える
その瞬間
かなり細かく鎧ごと分割される2体の動く人形
その光景に動きを止める楓・アルク・シエルの3人
「…直で見ると、本当に凄いわね。直死の魔眼。」
そう言うと銃を仕舞い両手で剣を構える楓
「一気に行くよ!!!」
楓の言葉に答えるかのように構えるアルク・シエル・志貴
「セブン!」
そう言うと法衣がパイルバンカーに変わる
「コード・スクウェア!!!」
「空想具現化!!!(マーブルファンタズム)」
「極彩と散れ!!!」
「黒王・龍撃破!!!」
その直後
そこに立っていたのは楓達だけだった
「…まぁこんなもんかしら?2人共、これからどうするの?」
ふと楓が口を開く
「そうですね。私はこのまま帰ります。」
「そう。真祖の姫君は?」
「彼…、志貴について行きたいわね。私を殺した力が何なのか知りたいし。」
アルクの言葉に睨むシエル
「その能力については、私が解ってるわよ、アルクェイド=ブリュンスタッド。」
「…そうなの?」
「えぇ。彼、遠野志貴の目は物の「死」が見える。つまり直死の魔眼よ。」
「…成る程。それなら納得が行くわ。」
楓の言葉に納得するアルク
アルクが納得した中でふと口を開く楓
「さてと、このまま解散したかったけど、何か来たようね。」
楓の言葉に疑問に思う志貴
その直後無数の獣が楓達を取り囲む
「…まさか貴方が出て来るとわね、ネロ=カオス。」
アルクの言葉に姿を現すネロ
「…狩らせてもらうぞ。真祖の姫君。」
「残念。その前に、私が狩らせて貰う。」
「…銀装妖精か。果たして、狩れるかな?この私を!!!」
そう言うと無数の獣が銀装妖精に襲いかかる
冷静に右手に持っていた槍を地面に刺し、
銃を二丁取り出すと同時に全方向に連射するレイピア
それを呆然として見るアルク・シエル・志貴の3人
ふと気付くと、回りに居た獣を全て倒していたレイピア
そのまま銃を仕舞い地面に刺していた槍を引き抜く
一回転させると構えるレイピア
「まだまだだ!!!」
そう言うと多数の獣を出すネロ=カオス
「…魔を討て。銀の閃光よ。」
そう言うと銀槍シルヴェイトが光る
「散れ。シルバードストライク!!!」
そう言って槍を突き出す
突き出すと同時に銀の閃光が多数の獣とネロ=カオスを突き抜ける
「なっ!」
自身に起きた事を信じられずたまらず声を出すネロ=カオス
その一瞬を見逃さず
動いていたレイピア・楓・シエル
「雷光斬!!!」
イカヅチを纏った剣で斬りかかるレイピア
よろけるネロ
「我が下に集まりし光よ。我が敵を討て。七星の光弾(セフィティーア)」
七つの光弾を放つ楓と
その全てが当るネロ
「セブン。」
そう言いながら第七聖典を構えるシエル
「コード・スクウェア!!!」
そう言うと第七聖典がモロにヒットする
それでも倒れようとしないネロ=カオス
「なっ!」
その光景に驚くシエル
その直後
ドスッ
何かが刺さる音がネロからした
「線は斬れる。点は、どうなるんだろうな?」
そう言うと七つ夜を抜く志貴
その直後その場から消滅するネロ=カオス
ネロの消滅を確認してそれぞれ武装を解く楓とレイピア
武装解除したレイピアを見て驚く志貴
「…鷲月?」
「今気付いたの?遠野志貴君。」
「紫亜。」
「あっ、すみません。」
楓の言葉に謝罪の言葉を言う紫亜
「遠野志貴。ここで起きた事は他言無用よ。話す時は、人気の無い所で。良いわね?」
「あっ、あぁ。」
「ルイ。」
「お側に。」
「彼を送ってあげなさい。」
「はい。それでは、行きましょうか。」
そう言うと志貴と一緒に去って行くルイ
「さてと、切り上げますか。それじゃ。」
そう言うとそこから去っていく楓
それについて行く紫亜

欅総合病院裏の海岸

海岸に1人佇む女性
「弓塚、さつきさんですか?」
「えっ?あっ、うん。」
ふと聞こえた声に答えるさつき
「えっと、貴女は?」
「私?私は茜。涼宮茜。少し眠っててね、弓塚さん。」
その言葉の後
砂浜へ倒れ込むさつき
「これで2人目。まだ、足りない。」

翌日

昼休み

屋上

「なぁ慎二。」
ふと口を開く孝之
「どうした?孝之。」
「いや、速瀬の事についてなんだが…。」
「そう言えば今日は来てないね、水月。」
「珍しいな、あいつが休むなんて。」
そう言う慎二
「そう言えば…。」
ふと口を開く遙
「茜の様子が少し変だった気が…。」
「涼宮さん。今日、お邪魔してもよろしいかしら?」
遙の言葉に答えるかのように口を開く楓
「えっ?べ、別に良いけど…。孝之君は?」
「俺も別にかまわないけど…。」
「ならOKね。」
楓の言葉に頷く遙と孝之
「慎二、お前は来ないのか?」
「あぁ。勉強しなきゃいけないし。予備校でな。」
「そっか。…取り合えず放課後に校門の所でな。」
孝之の言葉に頷く一同

続く

次回予告
放課後を利用して涼宮邸に来た楓
そこで楓は何かを知る
その何かとは一体?
次回第3節「迫り来る魔手」

つづく


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