作:Rui
白陵柊
「孝之、聞いたか?今日転校生が来るってよ。」
「な〜にを言ってるのだね慎二君。」
「おっ、珍しいな。お前が食いついてこないのって…。」
「今の俺には遙が居るの。転校生なんて…。」
「言うね〜。遠野はどう思うんだ?」
そう言うと振り返る慎二
「ん?おかしいんじゃ無いのか?3年の、しかも夏休み明けに転校してくるなんて。」
「…確かにな。」
慎二の言葉の後に先生が入って来る
「おら〜、席に付け。今日は突然の転校生を紹介するぞ。入れ。」
先生の言葉に教室に入って来る2人の女性
その美しさに視線が釘付けになる慎二と孝之、それに遠野
「それでは自己紹介してくれ。」
先生がそう言うと頷く2人
先に入って来た方の女性が先に口を開く
「メルシ〜。シエルと言います。よろしくお願いしますね。」
「鷲月紫亜です。短い期間だとは思いますが、お願い致します。」
「それじゃあ席は…、シエルは遠野の、鷲月は速瀬の隣りだ。」
その言葉に頷くと席に移動するシエルと鷲月
昼休み
屋上で仲良くお昼を食べる孝之と遙
「へ〜、じゃあ遙のクラスにも転校生が来たんだ。」
「うん。柊楓さんって言う人。」
「ふ〜ん。うちのクラスはシエルって人と、紫亜って奴だな。」
「2人共女性なの?」
「あぁ。」
そう言った直後屋上のドアが開く
「居た居た。」
「慎二。それに遠野も。」
「私も居るんだけどな〜。」
「水月。」
水月の声に口を開く遙
「遙〜、孝之と何話てたの?」
「えっ?」
「転校生についてだよ。」
困る遙を横目にフォローを入れる孝之
「あ〜、今日来たって言う。」
「そうそう。」
その言葉の後笑う孝之達
その中で1人、何かを感じている志貴
「どうした?遠野。」
慎二が声を掛ける
「…気のせいだ。」
「そうか。」
放課後
柊町駅前
駅前まで来た水月・慎二・志貴の3人
孝之と遙は2人で涼宮邸へ
「俺は本屋寄って参考書買っていくけど、速瀬と遠野は?」
「う〜ん、慎二君に付いてく。」
「遠野は?」
「帰る。妹が心配するだろうし。」
「そっか。そんじゃまた明日な。」
「あぁ。」
そう言うと本屋の方へ去って行く慎二と水月
「…さて、帰るか。」
そう言って振り返った瞬間
視界に金髪の長い髪をした女性が写る
ドクン
突如志貴の心臓が高鳴る
そのままその女性を追いかける志貴
そして小さな公園迄来ると
眼鏡を外しポケットにしまっていた小刀=七つ夜を取り出す
そしてそのまま女性に襲いかかる志貴
ふと我に返る志貴
そこには血に染まった七つ夜と…
十七分割された女性だった物が散らばっていた
「なっ。」
たまらずそこから走り去る志貴
それを木の陰から見ていた楓
ふと分割された女性だった物に近づくと口を開く
「真祖の姫君が無様な物ね。…リアクダクション(再生の道標)」
そう唱えると女性だった物が人の形を取る
「異常は無いかしら?アルクエイド=ブリュンスタッド。」
「…えぇ。それより、突然何なのかしら?一体。」
「彼は遠野志貴。白陵柊の3年よ。」
「やけに詳しいわね。」
「同じ学校だもの。…それより、これからどうするの?」
「彼になんとかして貰わないとね。」
「…そっ。それじゃ、私は行くわ。」
「そう。…ありがとうね。」
「…珍しいわね、真祖の貴女が言うなんて。」
そう言うとそこから去って行く楓
欅総合病院
ふと病室で目が覚める志貴
その視界には線が見えていた
起き上がると眼鏡を見つけ掛ける
「ありゃりゃ、目が覚めたようですね。文緒っち〜。」
そう言いながら去って行く小柄な看護婦
「…。病院、か。」
そう呟くと外を見る志貴
しばらくすると担当医がやって来た
した事と言えば軽い検査
それが終わると退院許可が出たので、帰宅する志貴
病院の入口には、翡翠が待っていた
「翡翠。」
「お迎えに上がりました。志貴様。」
「…ありがとう。帰ろうか、翡翠。」
「はい。」
そう言うと翡翠と共に帰宅する志貴
「(…夢で、あってほしい。)」
続く
次回予告
志貴の前に現れる金髪の女性
それと同時に街では女性が行方不明になる事件が起きる
何が起きようとしているのか?
次回第2節「直死と七つ夜〜消える女性〜」
「嘘だろ。なんで目の前に?」