作:Rui
朝早い羽咲中央公園
そこには唯・ロプト・イリア・ルイにセニアの姿があった
「セニア、決意は、ついた?」
唯の言葉に頷くセニア
「そう。それじゃあ、その答えを、私に教えて。」
唯の言葉に一息溜めてから口を開くセニア
「…はい。私の出した答えは、フィーナを、救います。」
「その答え、後悔しないね?」
「はい。」
「…なら、始めるわよ。」
そう言うとセニアに近づくロプト
その直後五芒星が浮かび上がる
その中で口を開くロプト
「セニア、集中して。」
そう言った瞬間、
視界が真っ白になるセニア
ふと気が付くと
見渡す限り終わりの無い花畑に立っていたセニア
「…ここは?」
「フィーナの心の世界よ。」
セニアの言葉に答えるロプト
「セニア。フィーナを助けられるのは、貴女だけよ。」
そう言うと遠くを指すメデュー
そこには黒髪のフィーナが立っていた
その側には銀装を纏ったフィーナが球体の中に居た
「来なさい。このフィーナを助けたければ。」
そう言うと一瞬で黒き鎧を纏い剣を持つ黒髪のフィーナ
「…。」
構えようともせずただ立ち尽くすセニア
それを物ともせず突進してくるフィーナ
それでもただ立ち尽くす
そのままセニアをつくフィーナ
剣がセニアを貫く
「…何をそんなに怖がっているの?」
セニアの言葉に不思議に思う黒髪のフィーナ
「…フィーナ=ラス=レイピア。我が力を受け継ぎし者。
目覚めなさい。貴女が居るべき世界に。」
そう言うと光と成り四散するセニア
その光はそのまま消えた
「…フフッ、これで全ては私の物。」
そう言うフィーナを見て何故か笑顔のロプトとメデュー
「何故?何故笑っていられるの?」
その直後
銀の閃光が黒髪のフィーナを貫く
「な、何故?」
「…セニアの、お陰よ。」
そう言うとそこから消える黒髪のフィーナ
「フィーナ。」
「ありがとう、セニア。」
羽咲中央公園
セニアがフィーナの精神世界に入ってる間に
中級悪魔に囲まれたルイとイリア
五芒星の外で迎撃する2人
「イリアさん、あとどのくらい持ちそうですか?」
「結構厳しいわね。もってあと5分くらい。」
「…厳しいですね。」
ルイがそう言った瞬間
「フェザーストライク!!!」
「トロン!!!」
それぞれ光と雷の剣が悪魔達を吹き飛ばす
「フィーナ。」
「…心配、掛けましたね、母様。」
「貴女が無事なら、それで良いのよ。」
「…母様。」
そう言うと抱き合うイリアとフィーナ
それを傍目で見守る唯とルイ
「唯様。」
「良いのよ、セニアが望んだ事だから。」
「…はい。」
ルイの返答を聞くと何かに気付く唯
「ルイ。フィーナ達と一緒に先に帰ってて。」
「…はい。」
ルイの返答を聞くとそこから去って行く唯
羽咲海浜公園
砂浜に佇む唯
ふと口を開く
「…久し振りね。何年振りかしら?剣の守護者シェルファニーア=リスティア。」
「リスティアで良いわよ。クリス。」
その言葉に髪の色が金に変わり腰迄延びる
「貴女がここに来たって事は、時が来たのね。」
「…えぇ。聖剣シェルファは貴女が。魔剣リスファは、彼かしら?」
「あぁ。俺が持っている。」
「カヤキス。」
ふとした声に口を開くクリス
「2人共、剣を私に。」
リスティアの言葉にそれぞれ剣を渡すカヤキスとクリス
「…クリス。今回も貴女が?」
リスティアの言葉に頷くクリス
「クリス。フェルミナやイリア達はどうするんだ?」
「…私の部屋の机に、手紙を置いたから、それを皆に見せて。」
「…解った。」
「それじゃ、行くわよ。」
リスティアがそう言うと光に包まれるクリス
光が消えるとその場に倒れ込むクリス
「クリス!!!」
「…自分自身と、戦うのね。貴女は。」
「えっ?」
リスティアの言葉に疑問に思うカヤキス
「…後で、解るわ。」
そう言うと倒れている唯を見守るリスティア
続く
次回予告
…虚無の空間
白い、白い世界
そこに、私は居る
それは、解れの為
次回第7節「別離する魂〜剣と共に彼女は眠る〜」