作:Rui
―――――何も無い世界
ただ、全てが白い
“私”は、ここに居る
目の前には、いろんな私が居る
―――それじゃあ“私”は、誰?
水月唯?クリス=ラス=レイピア?ルシファー?
「貴女は水月唯よ。」
ふと、“私”の前に居る私が口を開く
「…水月唯。それが、私の名前。…なら、貴女は?」
「…私はクリス。隣りに居るのはルシファー。」
クリスの言葉に黙り込む唯
「…唯、解っていた筈よ。来るべき時が。」
クリスが口を開く
「その時が、今来ただけよ。」
「…そう、ね。」
クリスの言葉に口を開く唯
「クリス・ルシファー。貴女達はどうするの?」
「ルシファーは天界へ帰るみたいよ。私は神界に。」
「…なら、私が、“眠る”のね。」
「そう、なるわね。」
唯の言葉に答えるクリス
「水月唯。魂は別れるけど、私達は、常に1つよ。」
「…ルシファー。」
「さてと、私はもう行くわ。また会いましょう。クリス・水月唯。」
そう言うとそこから消えるルシファー
「…クリス、1本吸う?」
そう言って煙草を差し出す唯
「…貰うわ。」
それを貰うクリス
2人揃って煙草を吸う
「…唯。本当に良いの?」
「…えぇ。クリスには他にすべき事があるわ。
それに、私の意思は、彼女が受け継いでくれているから。」
「…唯、彼女って?」
「…フィーナ=ラス=レイピア。雷神イシュタルの娘にして、銀装を継ぐ者。
彼女なら、きっとSKを纏められる。それに、カヤキスも居るし。」
「…そうね。それじゃあ私も行くわね。」
「えぇ。またね、クリス=ラス=レイピア。」
唯の言葉に頷くクリス
羽咲海浜公園
ふと口を開くリスティア
「…終わったみたいね。」
リスティアがそう言うと倒れている唯からクリスが出て来る
「…クリス?」
疑問に思うカヤキス
「ティアーズ=カヤキス。SKと、フィーナをお願いね。それが、彼女の願いだから。」
そう言うとそこから消えるクリス
それを確認すると唯を抱えるリスティア
「リスティア、唯を、どうするつもりだ?」
「…剣と共に眠って貰うわ。人の目につかない所で。」
「…そうか。唯は、戻って来るんだろうな?」
「…時が来れば。」
「…解った。唯を、頼む。」
「えぇ。」
そう言うとそこから去って行くリスティア
「…(唯、お前が戻って来る迄、俺は待ちつづける。)」
続く
次回予告
剣の封印に伴う唯の眠り
カヤキスからの説明を受けて困惑する水月邸とSK
そんな中カヤキスから唯の伝言が語られる
次回最終節「語られる想い〜それぞれの道〜」