Silver Fairy 第4章 第5節「理」

作:Rui


シェルス教会に突然姿を表した人形師ネイとリリス
その目的は…
休戦協定だった

「異質人の事件を起した本人が突然の休戦協定、1人の女性の為とは言え…。
何か企んでいるのか?言え。さもなくば、斬る。」
そう言うと逆手が七つ夜を構える七夜
「せっかくの休戦協定だ。受け入れようじゃないか。」
「カヤキス。」
ふと聞こえた言葉に声の主の名前を言うイリア
イリアの言葉に起き上がるカヤキス
「人形師ネイと言ったな。」
「えぇ、本来なら貴方に付き添ってこっちに来ようと思っていましたけどね。」
「…あっちのモンか。」
「えぇ。」
「んじゃ、現状説明してもらおうか。」
そう言うとルイが前に出て来る

「成る程な。唯に関しては恐らく敵になってるだろうな。フィーナも恐らくは…。」
カヤキスの言葉に口を開くイリア
「大丈夫ですよ、フィーナなら。彼女は、闇を克服していますから。」
「…そっか。」
「話合いはそこまでです。こちらに向かって来る人影が…6人。」
羽純の言葉に立ち上がるカヤキス
「ネイ、お前の実力見せて貰うぞ。」

そう言うと外へ出るカヤキス・ネイ・ルイの3人
「6人って事は、1人頭2人相手か。」
「はい、そうなります。」
「死ぬなよ。」
「カヤキスもね。」
ネイの言葉に剣を抜くカヤキス
その傍らではメタリックシルバーの装甲を展開するルイ
そして詠唱に入るネイ
「見えた!」
カヤキスがそう言った瞬間
「アイレンスノヴァ!」
ネイの言葉と共に接近する人影を飲み込む気砲
それが収まると口を開くネイ
「どうかしら?私の実力は?」
「完全な奇襲型ですね。カヤキスさん、左から1人来ます。」
「了解!」
そう言うと左を向くカヤキス
そしてカヤキスとは反対方向を向くルイ
それぞれの正面に黒い鎧を纏った女性の姿があった
「「来る!!!」」
そう言った直後
独特の金属音が響く
そしてその女性の顔を見て驚愕する2人
「唯!」
「唯様?」
不思議とその名前を呟く2人
「…違う、これは唯様じゃない!」
そう言うと剣を弾くルイ
「カヤキスさん!それも唯様ではありません!彼女達は、唯様を象った人形!」
そう言うと胸を貫くルイ
「この感触、やっぱり。…散れ。」
そう言うと木端微塵に砕け散る唯を象った人形
「カヤキスさん!」
「唯じゃないなら、簡単だ。」
そう言うと剣を弾くカヤキス
「する事は1つ。」
そう言うと剣先を相手に向けた状態で構えるカヤキス
それを見て突っ込んで来る人形
「一刀両断。」
そう言うとすれ違い様に剣を振り下ろすカヤキス
「散れ。」
そう言うと砕け散る人形
剣を振るとそのまま収めるカヤキス
「ルイ、羽純を。…ネイ、付いて来い。咲乃宮貨物に乗り込むぞ。」
カヤキスの言葉に頷くネイ

咲乃宮貨物

唯を探し一人歩き回るフィーナ
「…何処に送られたんだろう?唯姉。」
そう呟くフィーナの視界に1人の女性が入る
「…誰?」
「私よ、フィーナ。」
「この声は、フィーリア。何故ここに?」
「簡単な事よ。ドールマスター様のすべき事に賛同した。だから居るのよ。」
その名前に銃を取り出り構えるフィーナ
「ドールマスター。…フィーリア、貴女を、討つ!」
「それは、無理ね。」
そう言うと一瞬で間を詰めるフィーリア
「なっ!」
それに驚き距離を取ろうと後退するフィーナ
それを追うフィーリア
「くっ!」
苦し紛れに一発放つが避けられる
銃弾を避けるとフィーナの顔を掴むフィーリア
「フィーナ、貴女も私と共にお仕えするのよ、あの方に。」
そう言った瞬間フィーリアの右肩に魔法の矢が命中する
「誰だ!」
「セリナ=ラス=レイピア。」
そう名乗ると一気に間を詰める
「早い!」
そう言った瞬間には身体が宙へ浮かんでいたフィーリア
「フィル・レイド・アス・アインド(我が敵を討て漆黒の刃)」
そう詠唱すると上を見上げるセリナ
「アクシレイス!(13本の漆黒の刃)」
そう言うとフィーリアに漆黒の刃が突き刺さる
そしてそのまま地面に倒れ込む
「安心しなさい、急所は外してあるから。」
そう言うとフィーナに近づくセリナ
「フィーナ姉さん、ここは一旦退きますよ。」
「退かないで!私は、大丈夫だから。」
そう言うとフィーリアに銃口を向けるフィーナ
それに対しニヤリと微笑むフィーリア
それに気付くセリナ
「フィーリア!」
そう言って近づいた瞬間フィーナの姿が消えた
「!! フィーナ姉さん!フィーリア、姉さんを何処にやった?」
「さぁ、それは私も解らないわ。少なくとも、この世界には居るわ。」
そう言うと気を失うフィーリア
「…くっ。」
そう言うとその場から去って行くセリナ

咲乃宮市内某所

「…ここは?…ぐっ!」
そう言うと倒れ込むフィーナ
そこに偶然通りかかる女子が3人
「悠、あそこ見て。誰か倒れてるよ。」
「えっ?雪姫、何処何処?」
「ほらあそこだって。」
そう言いながら倒れているフィーナを指す雪姫と呼ばれた女性
フィーナの顔を見て驚く悠
「雪姫・静香、この人は、私が何とかするから、先に帰ってて。」
「えっ?でも通報しなくて良いの?」
「良いの。私に任せて。」
「う、うん解った。じゃあまた月曜日に学校でね。」
そう言うとそこから去って行く雪姫と静香
「…フィーナ、何でこんな所に。」
そう良いながらもフィーナを背負い帰宅する悠

続く

次回予告
咲乃宮貨物に乗り込むカヤキス・ルイ・羽純
その一方で悠に保護されたフィーナ
そしてカヤキスは、唯の実姉ラムダと再会する
次回第6節「巡り合う運命の歯車」

つづく


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