Silver Fairy 第4章 第3節「ドールマスター」

作:Rui


咲乃宮貨物入口

そこにイリアと七夜の姿があった
「さて、行くわよ。七夜。」
「あぁ。だが、どうやって入るんだ?門は閉まってるし。」
「貴方の眼の力で斬る訳には行かないし…。」
考え込むイリアに口を開く七夜
「なら、飛び越えるか。」
「えっ?」
七夜の言葉に疑問を感じるイリア
その直後門を飛び越える七夜
「な、七夜!待ってよ。」
そう言うとイリアも門を飛び越える

咲乃宮貨物内

構内を歩きながら会話を交わすイリアと七夜
「もう七夜ったら、飛び越えるなんて…。」
「本来なら斬っても良かったんだが、そうすると敵にバレルんでな。」
「敵?ドールマスターの事?」
「あぁ。」
そう言うと七つ夜を手に持つ七夜
「何かが居る。」
「確かに、何かが居るわね。」
そう言うと黒鍵を出し構えるイリア
「さて、何が出て来る事やら。」
七夜がそう言うと周りから姿を表す女性達
その女性は皆漆黒の鎧に身を包んでいた
「どうやら、ドールマスターに気付かれたようね。」
「そうみたいだな。」
「七夜、殺しちゃダメよ。彼女達は操られているだけなんだから。」
「それぐらい解っている。だが、ちょっと難しいな、俺には。」
そう言うとその場から離れる七夜
「七夜!」
短刀を持ち鎧を纏った女性達を相手にする七夜
「自分の心配をしろ!」
七夜の言葉に気付き振り返り様に剣を受け止めるイリア
「ちょっと多過ぎよ!」
そう言うと受け止めていた剣を弾く
剣を弾きイリアと背中合わせになる七夜
「さぁ、どうする?」
「どうするって言ったって、彼女達をどうにかしなきゃ逃げる事も出来ないし…。」
「…確かにな。」
そう言うと構えを取るイリアと七夜
その瞬間
「イルミスト(幻惑の霧)」
その言葉と共に霧が発生する
それに驚く2人
その直後2人を抱きかかえその場から離れる1人の人

咲乃宮貨物北地区

「…助けてくれたんですか?私達を。」
イリアの言葉に黙り込む黒衣の鎧を身に纏った女性
「何とか言ったらどうですか?フェイト。」
「…貴方達を助けたのは偶然にも見つけたからよ。
それに、少しの間なら協力するわよ。どうせ探してる物は一緒だし。」
そう言うと歩き出すフェイト
それに付いて行く七夜とイリア

咲乃宮貨物内某所

そこには女性が2人
「…イヴ、貴女を連れ戻そうとする人がここに来る。」
「……。」
女性の言葉に口を開かないイヴ
「イヴ、貴女はずうっと私と一緒よ。」
その言葉に頷くイヴ
「マスター、その者達の処理、私に任せて貰えないでしょうか?」
「…良いわ、行きなさい。」
「ありがとうございます。」
そう言うとそこから去って行く女性
マスターと言われた女性はそこに居つづける

咲乃宮貨物内中央地区

そこを歩くフェイト・イリア・七夜
ふと足を止めるフェイト
それに疑問を持つ2人
「フェイト、どうしたの?」
「…誰?出てきなさい。」
フェイトの言葉に姿を表す女性
「…イリア・七夜、退きなさい。」
「はぁ?何言ってんだよお前は?」
「七夜!…退くよ。」
そう言うと入口の方へ向かって歩くイリア
「お、おいイリア!」
それを追いかける七夜
七夜が去ったのを確認して口を開くフェイト
「…転生、して居たのね。」
「…えぇ。」
「けど、全力で行きますよ、ラムダ姉さん。」
「来なさい、オール。」
そう言うと衝突する2人

咲乃宮貨物入口付近

「イリア、一体何故退かなきゃならないんだ?」
「…。」
「何とか言えよ!」
七夜がそう言った瞬間
とてつもなく巨大な気を感じる2人
「な、なんだよ今のは?」
「七夜、あの中に居て、貴方はマトモで居られるかしら?」
イリアの言葉に黙り込む七夜
「だからフェイトは、いえ、姉さんは退くように言ったのよ。」
「ならあそこには唯姉が居るんですよね?母様。」
「フィーナ。えぇ、そうなるわね。」
イリアの言葉に納得した表情をするフィーナ
「シェルス教会が襲われています。母様は七夜と一緒に戻って力になって下さい。」
そう言うと咲乃宮貨物内へ入って行くフィーナ
「フィーナ!……戻るわよ、七夜。」

シェルス教会

ふと背中合わせになり口を開くカヤキスとエレイシア
「エレイシア、まだまだ行けるか?」
「なんとか行けます。けど、倒さないって言うのは少し難しいですね。」
「…確かに。唯か羽純が居れば楽なんだが。」
「…何故ですか?」
「浄化の力、つまりは聖の力を使えるからだ。」
「…私ではダメなんですか?」
エレイシアの言葉に微笑むカヤキス
「シスターナイトはあくまで対非人種用だ。浄化の力は洗脳等魔の力をかき消す力だ。
だからこそ、唯と羽純は扱える、そう言う力だ。」
カヤキスの言葉に納得するエレイシア
「だとすると、私達に勝ち目は無いと言う事ですか?」
「…エレイシア、教会の上に行ってくれ。」
「えっ?」
「良いから早く!」
「あっ、うん。」
カヤキスの言葉に従い教会の屋根の上に昇るエレイシア
「…さてと、久方振りにやるか。」
そう言うと一旦深呼吸をするカヤキス
その直後白い光がカヤキスから発せられる
「なっ!」
屋根の上で見ていたエレイシアが驚く
光が止むとそこには白い鎧に身を包んだカヤキスが居た
「…行くぜ。」
そう言うと一撃で3分の1を浄化するカヤキス
それを感じ取り逃げ出そうとする残りの女性達
「逃がすか!」
そう言うと少し駆け出す
「食らえ。聖龍光断斬!」
そう言うと白い光の刃が水平にカヤキスの前方半円型に伸びる
刃を受けた女性達はそのまま倒れ込む
「…終了。」
そう言うと元の黒い鎧に戻る
終わった事を察知し降りて来るエレイシア
「カヤキス、今のは一体?」
「…悪い、あと、頼む。」
そう言うと倒れ込むカヤキス
「ちょ、ちょっと!」
慌てて駆け寄るエレイシア

咲乃宮貨物

構内をうろつくフィーナ
「唯姉は何処に?それにドールマスターも。」
そう言いながら歩き回るフィーナ

続く

次回予告
実姉ラムダと対峙したフェイト
フェイトはラムダを討てるのか?
それと同じ頃、ネイの元にとある人物が訪れていた
次回第4節「避けられない戦い〜姉妹〜」

つづく


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