Silver Fairy 第4章 第1節「新たなる始まりの序曲」

作:Rui


神兵襲来から一ヶ月経ったとある日の水月邸ロビー

そこには唯・ルイ・カヤキスに、咲乃宮市警の紅野とシスターエレイシア
「それで、一体何しに来たのかしら?」
ふと口を開く唯
「これを見てくれば解る。」
そう言うと紙を差し出す紅野
「…事件の報告書?」
「今現在咲乃宮市で起きている事件の報告書だ。」
「成る程。だからエレイシアも居るのね。」
そう言うと報告書に目を通す唯
「女性の連続誘拐事件、ね〜。及びそれに伴う異質人の出現。」
そう言うと報告書を机に置く唯
「ルイ、どう見る?」
「異質人は恐らく誘拐された女性達でしょう。そう考えると確実に黒幕が居ます。」
「正解。ルイ、エルミナドに連絡を。フィーナとイリアを連れて行くわ。
他にはカヤキスにルイ、貴女も。…それだけで充分かな?」
そう言うと立ち上がる唯
「紅野さん、協力します。」

咲乃宮市警代第1会議室

そこには唯・ルイ・カヤキス・イリア・フィーナに、紅野・エレイシアに
咲乃宮市警の所長の姿もある
「水月唯さん、今回咲乃宮市で起きている事件に協力してくれるそうだね。」
「えぇ、しかし条件があります。」
「条件?何だね?」
「紅野の貸し出しと、他の警官のこの事件の真相究明への手出し禁止。
それだけ守ってくれれば、協力します。この事件は、私達の管轄になりますから。」
唯の言葉に頷く所長
「解った。紅野以外にはそう伝えておく。」
そう言うと会議室から出て行く所長
それを確認して口を開く唯
「さて紅野ちゃん、ちょっち駅前まで良い?」

咲乃宮駅西口

駅前に2人っきりで立つ唯と紅野
「紅野ちゃん、この事件が最初に起きたのはいつ頃?」
「誘拐は1ヶ月、異質人の出現は半月前だ。」
「…二ヶ月前から1ヶ月前迄に建築もしくわ移転されてきた建物を確認して。
それで大体解るわ。」
「解った。調べてみる。」
そう言うとその場から離れて行く紅野
「ルイ。」
「お側に。」
「気付いている?」
「はい。異質な気を放つ者が…4人。」
「正解。…来るよ、構えて。」
そう言った直後人込みの中から飛び出してくる女性達
それぞれの攻撃を受け止める、もしくわ受け流す唯とルイ
「ルイ!」
「解っています。」
そう言うとその場から離れる唯とルイ
それを追う4人の女性

移動しながら会話を交わす唯とルイ
「あの女性達、貴女と同じね。」
「…機械化されていると言う事ですか?」
「えぇ。けど、正確に言えば機械人形ね。全く面倒ね、今回は。」
「同感です。」
そう言っていると咲乃宮市内の中央公園に着く
「ルイ、ここで迎え討つわよ!」
「了解!」
そう言うと地面に降り立つ2人
その瞬間剣を抜く唯と、
メタリックシルバーの装甲を展開するルイ
その直後四方から襲いかかってくる女性達
「ルイ!」
「アスレスト(地の怒り)」
そう唱えると地面が吹き上がる
それに便乗し、飛び上がる唯
そのまま1人の女性の後ろに立ち銃を放つ
続けざまに横に居る女性も同様に放つ
そしてそのままルイより少し左に構える唯
「ルイ、飛んで!」
その言葉にそこから飛び退くルイ
その直後吹き上がった地面が元に戻る
それを見計らい銃を放つ唯
その光弾は2人の女性を包み込んだ
光弾がやむと銃を仕舞う唯
「唯様。」
「彼女達は大丈夫よ。それより、咲乃宮市で何が起きると言うの。」
そう呟くと空を見上げる唯
「…まさか、ね。」
そう言うと顔を戻し歩き出す唯
「ルイ、シェルス教会に行くわよ。」
「シェルス教会。シスターエレイシアの所属する教会ですか?」
「えぇ、しばらくそこにお世話になるわ。」
「解りました。」
そう言うと唯に着いていくルイ

続く

次回予告
シェルス教会にて紅野からの報告を聞く唯
咲乃宮市内西部の海に面した洋館
そこが怪しいと聞く唯
ふとそこでとある人物の名前が浮かび上がる唯
果たしてその名前は?
次回第2節「人形師」

つづく


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