Silver Fairy 第3章 第10節「一筋の希望〜黒き妖精と騎士〜」

作:Rui


白の神兵を相手にするカヤキス達
「チッ、中々やるな。紅!そっちはどうだ?」
「そろそろヤバイです。」
「秋華!」
秋華の名前を呼ぶとカヤキスの背中に付く秋華
「まだ大丈夫。けど、この数は、ちょっとキツイかな?」
そう言うとヴォルケスを槍から剣に変える秋華
「けど、何かが近づいて来てる。」
「…クリスだと良いな。」
「…えぇ。」
そう言うと同時に駆け出す2人
階段を上りルイと白に迫る神兵
「トロン!」
間髪入れずに雷の剣を食らわすルイ
しかしその後方からも来ている
即座に円とその中に五芒星を描くルイ
「アストラルシュート!」
そう言うと五芒星から龍が飛び出し神兵を飲み込む
その隙に階段を上って来る紅
それに続くカヤキスと秋華
「通路に誘い込む。ここから退くぞ。」
カヤキスがそう言った瞬間
ロビーに一筋の光が走る
その光の線は、衝撃波となり、
神兵を吹き飛ばした
「私は、神を討つ剣。」
「…来た。」
ポツリと呟くカヤキス
「我が名はフェイト。ティリス=レス=フェイト。」
そう言うとロビーへ入って来るフェイト
「…三頭龍。…久し振りね。」
「あぁ、久し振りだな。」
言葉を交わすフェイトとカヤキス
「とりあえず、こいつらをどうにかしなきゃね。」
そう言うと剣を構えるフェイト
「全てを包め。黒龍招来!」
そう言うと黒龍が神兵を包み込む
そして神兵の姿が消えた
そのまま剣を収めるフェイト
「さて、今迄の状況を話して貰おうかしら。」

ルイから今迄に起きた事を聞くフェイト
「…成る程。先ずはここから潰す気ね。」
大体の事情を把握したフェイト
「ルイ、セフィリアは何処に?」
「恐らく地下に…。」
「そう、それじゃあちょっと行って来るわ。」
そう言うとロビーを後にするフェイト
「さてと、この中でまだ戦える奴は居るか?」
ふとカヤキスが口を開く
その言葉に白・蒼・紅にルイ・秋華が頷く
「取り合えず、連れてくとしたら、俺と秋華だろうな。」
「それはどう言う意味ですか?」
「…お前以上に付き合いが長いんだよ、俺と秋華は。」
ルイの言葉に答えるカヤキス
「でも、私よりかはカヤキスさんの方が…。」
「さん付けはやめろ。…まぁ確かに俺のが一番長いのかも知れないな。
唯との付き合いは。」
そうこう言っている内に戻って来たフェイト
「只今。…さて、何人程まだ戦えるかしら?」
フェイトの質問に先程の人数+カヤキスが手を上げる
「…秋華はここで指揮を。カヤキスとルイは私と一緒について来て。」
フェイトの言葉に頷く秋華・カヤキス・ルイ
「三頭竜は秋華と一緒にここをお願いね。行くわよ。」
そう言うと外へ出て行くフェイト達
そしてそのまま羽咲中央公園へと向かった
「…さてと、今の内に回復しときますか。」
そう言う秋華

羽咲中央公園入口

入口付近迄来ると黒装を解除する唯
「…ルイ、少し2人っきりにさせてくれるかしら?」
「解りました。」
そう言うとその場から離れるルイ
「…久し振りね、カヤキス。」
「あぁ、そうだな。」
「転生の輪から、抜け出せないでいるの?」
「…あぁ。あの時代から、ずっとだ。」
「…今では懐かしい思い出よ。私がエルティスであった時代なんて。」
「最初の転生で、出会った時の事、覚えているか?」
「えぇ。あの時の最初の出会いは、戦場だったわね。」
「あぁ。出会った時には解らなかったが、後で気付いたんだ。
あの女性は、彼女の生まれ変わりだって。」
「…私もよ。」
「そして、二度目の転生。」
「あの時代、色んな人に会ったわね。」
「あぁ、月の民の生まれ変わりや、黒騎士カルナの生まれ変わり。」
「私はハルイ分家の生まれ変わりにも出会ったわ。」
「セイナと、シイナの事か?」
カヤキスの言葉に頷く唯
「そして、紫聖町。」
「あの町でも、色んな事があったわね。」
「…そうだな。」
「そして、ここ羽咲市。前の夢乃宮で貴方を見かけなかったから、
もしかしたらとは思ったけど、ここでも見なかった。」
「すまない。俺は魔界に、生を受けていた。」
「そして、私に合う為に、こっちに来たのね。」
「あぁそうだ。もう、離さない。この戦いが終わって、2人共生き残ったら、結婚しよう。」
「…はい。」
そう言うとキスをする二人
それを遠くから見ているルイ
「…幸せですね、唯様。」
唇が離れると口を開く唯
「ルイ、行くわよ。」
「はい。」
唯の言葉に返事をするルイ
そして、3人は公園の中へと入って行った

続く

次回予告
唯達が羽咲中央公園に突入したのと同じ頃
水月邸では増援が押し寄せていた
果たして水月邸は無事なのか?
次回第11節「守るべき場所」

つづく


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