作:Rui
羽咲中央公園
約束の日
中央広場に、イリスと、唯の姿があった
「…まさかあの時の事を根に持ってるなんてね。」
「当たり前よ。貴女はソルフィナを殺したのだから!」
そう言うと剣を向けるイリス
「…成る程。確かに、ソルフィナは私が殺したわ。けど、ソルフィナも解っていた。
自分が殺されるという事を。」
「そんなの嘘だ!…まぁ良い。お前は苦痛を味あわせながら、殺してやる!」
そう言うと指を鳴らすイリス
するとフィーナが姿を表した
「フィーナ。」
「彼女は私の操り人形よ。自ら考えて行動する人形。これぞ最強の操術よ。行け、フィーナ!」
その言葉に二刀流で唯に突撃するフィーナ
カキーン
金属音が響く
抜きかけた剣でフィーナの攻撃をガードする唯
しかし左手の攻撃が唯を襲う
「くっ!」
剣を弾き後退する唯
それを追撃するフィーナ
「(どっち?どっちから来るの。)」
その瞬間、左右同時に剣を振るフィーナ
「左右同時!」
驚く唯
そして唯の身体に当りそうになった瞬間
カキーン
金属音が聞こえた
「なっ!」
驚くイリス
そこに居たのは…
「…セフィリア。何でここに?」
「唯、銀十字が教えてくれた。…フィーナは私に任せて、唯は彼女を。」
「解った。」
そう言うとイリスに向かって突撃する唯
その攻撃を上空に飛んで避けるイリス
「魔法戦?上等。」
そう言うと剣を収め上空へ飛び立つ唯
それを見送って口を開くセフィリア
「さて、早めにケリ付けるよ。フィーナ。」
そう言うと魔法の詠唱に入るセフィリア
その隙を見逃さず、突撃してくるフィーナ
フィーナの攻撃を紙一重で交わしながら詠唱を続けるセフィリア
「我は汝を浄化する!」
そう言った直後素手でセフィリアの口を塞ぐフィーナ
「!!」
口を押さえる手を掴むセフィリア
セフィリアの口を左手で塞ぎながら右手で突きの構えを取るフィーナ
「(ピンチって奴?くっ、銀十字よ、我に力を!)」
その直後、フィーナの剣がセフィリアを襲う
カキーン
死を覚悟していたセフィリアの耳に金属音が響く
目を開けてみると、銀十字がフィーナの剣を受け止めていた
驚きのあまり後退するフィーナ
それを見て銀十字を掴むセフィリア
「来たれ銀十字、魔を浄化する剣と成れ!」
そう言うと光が発せられる
光が収まるとセフィリアの手には銀十字の剣が握られていた
銀十字の剣を構えるセフィリア
「来い。」
その言葉に突撃するフィーナ
「…銀十字よ、魔を浄化せよ。」
ザン
双方背中を向ける形で静止する
ふとセフィリアが口を開く
「…散れ。」
その言葉の後、倒れるフィーナ
ネックレスに戻る銀十字の剣
それをフィーナに掛けるとそこから去るセフィリア
羽咲中央公園上空
「ソルフィナは良い人だった。それを何故殺した!」
「…それが運命だった。ソルフィナの。」
「運命などと言う言葉で片付けるな!…マジックアロー!!!」
イリスの魔法の矢を弾く唯
「…運命と言えば全て片付く。けど、ソルフィナは、それを受け入れたのよ。
それを、解って欲しいの。貴女に。」
「解るか!解って、たまるか。」
「貴女が解りたくないのは、私も解る。あの時生きていたソルティナなら、
皆解りたくないと言うわ。」
そう言うと、顔を俯かせる唯
「けどね、貴女の姉セリスは、あの時の事を、解っているわ。
だから、私に接触してきた。貴女を止めてと言う事を言う為に。」
「…。私は、貴女を倒す事によって、今迄生きていた事に、ケリを付けられる。
だから、私は貴様を倒す!」
「…不死の存在である私を、倒せはしないわ。」
「やってみなければ、解りはしない!」
そう言うと周囲の空気が震える
「…戦うしか、ないようね。来なさい、イリス=リュ―ディア。」
続く
次回予告
全力でぶつかり合う唯とイリス
この勝負の結末は?
次回第6節「イリス〜ソルティナとして〜」
私は、私は何を目標に生きていけば良いの?