作:Rui
―――――白い世界
地面も、空も、全てが白
…私は何故、こんな所に居るんだろう?
…人が居る。私を連れに来た?貴女は一体、誰?
水月邸唯の部屋
静かに目蓋を開ける唯
ふと何かに気付き左側を見る
「…ルイ。疲れてたのね。」
そう言うとルイを起さないように、自分の身体を起す唯
そのまま窓際に移動してカーテンを開き外を見る
「…何かが来ている。…リュ―ディアの者?」
「う、う〜ん…。」
「…おはよう、ルイ。」
「唯、様。」
「正真正銘、私よ。ルイ。」
その言葉の後唯に抱きつくルイ
「ルイ、あれからどんくらいの時が経っているの?」
「…約半年です。」
「そぅ、それと、何かがこの街に来ているわね。」
「…はい。名前はイリス=リュ―ディア。姉と言うセリス=リュ―ディアも来ています。」
ルイの言葉にただ答える唯
「それと、フィーアが…。医務室へおいで下さい。」
水月邸医務室
コンコン
「ティーエ、入るわよ。」
そう言うと医務室の中へ入る唯とルイ
「唯様。」
「事情は全てルイから聞いたわ。見せてみて。」
「こちらです。」
そう言うとフィーアの下へ案内するティーエ
「こちらの部屋の中です。イリス=リュ―ディアの術の影響の所為なのか、
今はあんな感じです。」
ティーエの言葉の後部屋の中を覗く唯
「…。」
その様子を見て口を開く唯
「ティーエ、私を部屋の中へ入れなさい。…大丈夫よ。」
その言葉に静かに頷きドアを開けるティーエ
そして唯が入ったのを確認するとドアを閉めるティーエ
「…成る程ね。」
そう言うと剣を抜く唯
「来なさい、フィーア。」
その言葉に気付き唯に向かい突撃するフィーア
「…キュレスト。」
そう呟くと剣が光る
その次の瞬間
「…解。」
そう言うとフィーアから黒い霧状の物が出て、消え去った
「…ティーエ、聞こえていたら開けて。」
そう言うと剣を収める
その唯の言葉にドアを開けるティーエ
「少し、安静にさせといてね。」
そう言うと部屋から出て行く唯
羽咲中央公園
その中央広場に静かに佇む唯
「…来たわね、イリス=リュ―ディア。」
「フフッ、やっと見つけたわよ、水月唯。」
「…イリス、約束の日に、ここに夜10時。よろしいかしら?」
「えぇ良いわよ。貴女を討てるんですから。」
そう言うとその場から静かに消えてくイリス
「…居るんでしょ?セリス=リュ―ディア。」
その言葉に暗闇から姿を表すセリス
「気付いて、居たんですね。」
「えぇ。…セリス、私は解らないんだけど。」
「解らない?イリスが貴女を憎む理由?」
セリスの言葉に頷く唯
「…貴女に取っては1つの作戦でしか無いでしょうけど、イリスには…。
あれはとある秋の日の事だったわ。」
「まさか、あの時の?」
「えぇ。あの日、私達の運命は、変ったわ。ほんの一瞬で。」
悲しさと怒りを混ぜながら口を開くセリス
あの日、イリスとセリスに何が?
続く
次回予告
私は忘れない。あの時私達に起きた悲劇を。
水月唯。貴様は私が、…殺す!
復讐に燃えるイリス
それを迎え撃つ水月唯
そして、あの時の事件とは?
次回第4節「あの日に起きた事」
全ては、あの日から…