作:Rui
その日の深夜
羽咲駅前
人通りの少なくなった駅前のロータリーに1人の女性が立っている
ふとその女性に近づく魔導法衣に身を包んだ女性
「…久し振りね、フィリア。」
立っていた女性が口を開く
「お久しぶりです。フィリス姉さん。」
そして魔導法衣に身を包んだ女性が口を開く
「そんな恐ろしい目で見ないでよ、フィリア。」
その言葉の直後剣を向けるフィリア
「フィリス姉さん、言っておきます。今の私は水月唯に仕えるルイです。
フィリア=イシュヴァ―ルではありません。」
そう言うと剣を収めるルイ
「フィリス姉さん、この町で次に会う時は、敵同士です。」
そう言うとその場から去って行くルイ
「…フィリア。貴女をそこまで変えるなんて、水月唯、是非戦ってみたいわ。」
そう言うとその場から消え去るフィリス
水月邸ロビー
ドアを開け中に入るルイ
「別れを告げて来たの?」
ふと聞こえる声
「…唯様。…はい。」
「ルイ、フィリス=イシュヴァ―ル、私か、フィーナが討つわ。良いわね?」
「覚悟は、出来ています。」
その言葉の後ルイの頭を撫でる唯
「おやすみ、ルイ。」
「おやすみなさいませ。」
そう言うとロビーから去って行く唯
「姉を、止めて下さい。」
翌日
水月邸ロビー
ロビーにはフィーナ・悠・雫・エルフの4人に
唯・ルイ・フェルミナの計7人が集まっていた。
「取り合えず、水・風・地の3人は集まったみたいね、フィーナ。」
「はい。けど、あと1人、フレアエレメンタルが見つからないんですよ、唯姉。」
言葉を交わす唯とフィーナ
「最後の1人、何処に居るのかな〜?」
呟く悠
その直後溜息を付くフィーナ・悠・エルフの3人
その傍らで笑いをこらえる唯・雫・フェルミナの3人
「な、何笑ってるんですか?」
その様子を見て口を開くフィーナ
「ゴメンゴメン。あまりにフィーナが真剣だったからね。」
唯の言葉に疑問に思うフィーナ
「唯、バラそう。このままじゃフィーナが可愛そうだって。」
「確かにそうだね、雫。フェルミナ。」
雫に返事をするとフェルミナの名前を呼ぶ唯
フェルミナが呼ばれた事に疑問を持つフィーナ・悠・エルフの3人
その様子を見て口を開くフェルミナ
「つまりこう言う事よ、フィーナ。…炎装!!!」
“炎装”
そう言うと紅い色をした鎧に身を包むフェルミナの姿がそこにはあった
「フレアエレメンタル朱悠秋華。只今参上。」
その光景に呆然とするフィーナ・悠・エルフの3人
その瞬間、共鳴するそれぞれの装具
フィーナの銀十字
悠の指輪
雫の剣
エルフの特殊剣
そして、秋華の炎槍ヴォルケス
「今ここに銀装と4人のエレメンタルフェアリーが揃ったわ。
汝ら魔を断つ剣と成る。予言は、本物となる。」
「私達は、集まる運命だったみたいね。」
ふと口を開くフィーナ
「あの出会いは、偶然じゃ無かった。」
続いて口を開く悠
「集まる為に、私はこの時代に転生した。」
3番目に雫
「私は、唯様に拾われた。この為に。」
4番目にエルフ
「そして、私達は魔を断つ為に、ここに居る。」
最後に秋華
「もう直ぐ魔に囚われし者が来る。その名はフィリス=イシュヴァ―ル。
堕ちた女神アリスを振興するイスルハの一族の生き残り。彼女を、救ってあげて。」
唯の言葉に頷く5人
そして、その日の夜。
戦いは始まる
続く
次回予告
遂に4人全員揃ったエレメンタルフェアリー
時を同じくして水月邸に迫るフィリス=イシュヴァ―ル
敵対宣言をしたものの、真の決別をするか迷うルイ
それぞれの思いが交錯する中、戦いは始まる
次回第9節「フィリス=イシュヴァ―ル」
間違った道は、正さなければいけない