Silver Fairy 第2章 第3節「ディーネ覚醒」

作:Rui


唯達が潜入調査を始めてから2日目
教室へ入ってフィーナを呼ぶ絵理
そのまま絵理と一緒にトイレへと入るフィーナ
その中で絵理から話を聞く事になった
「どうしたの絵理、何かあったの?」
「フィーナ、私、美術の上村先生に誘われてるの。どうしよう?あの噂が本当だったら…。」
不安がる絵理
徐にネックレスを外すフィーナ
「絵理、このネックレスしてて。」
「えっ?」
「お守りよ。ご利益あるから。」
「フィーナ、ありがとう。」
そう言ってネックレスを嵌めて教室へ戻る絵理
「…(そろそろかな?)」

昼休み

何時も通り教室で絵理・悠・悠那・フィーナの4人でお昼を食べている所に上村が来た
「上村先生、何か用ですか?」
少し怯えた絵理の代わりに口を開くフィーナ
「フィーナ君、君に用事は無い。絵理君に用事があるのだよ。」
そう言ってフィーナをどかそうとする上村
「待ちなよ。用件なら私が聞く。って言ってもこの距離なら絵理にも聞こえるけどね…。」
「フン、放課後、美術室で待っているぞ。」
そう言うと立ち去って行く上村
その様子を廊下から見ていた唯
「フィーナ。」
怯えたような声でフィーナの名前を口にする絵理
「危なくなったら、私を呼んで。直ぐに駆けつけるから。」
「…ありがとう。」
その後は何も無かったかのようにお昼を食べつ4人
但し、絵理は無言だった

放課後

昇降口で靴を取り出すフィーナ
ふと、廊下の奥の方を見るフィーナ
「フィーナ、どうしたの?」
悠が尋ねる
「ごめん2人共、先に帰ってて。」
「えっ?ちょっとフィーナ!」
静止の言葉を振り切り校舎の中へと消えて行くフィーナ

美術室第1準備室

「上村先生、何をする気なんですか?」
「黙って立っていろ。」
そこには裸で胸と股間を隠す絵理と
何かを準備している上村の姿があった
「絵理君、そのネックレス、外して貰おうか。」
「外さなきゃ、ダメですか?」
「あぁそうだ。外して貰おうか。」
そう言いながら絵理に近づく上村
「い、嫌です。これだけは、外せません。」
「ほぅ。なら無理矢理取るとするか。」
そう言ってネックレスに手を伸ばす上村
「嫌、助けて悠・悠那。嫌、やだ、助けて、助けて、フィーナ!!!」
フィーナの名前を叫ぶ絵理
「無駄だ。ここは私以外誰も近づかない。」
そう言うとネックレスを外しにかかる上村
しかし、絵理の表情は変っていた
「…何故笑顔で居られる?」
「私が来たからですよ。上村先生。」
そう言いながら上村に向けて銃を構えるフィーナ
「この声、フィーナ=ラス=フリージか。
フッ、何故拳銃等持っている?法律違反だぞ、フィーナ君。」
「魔に取り付かれた者が何を言う。」
「ほぅ、気付いて居たか。」
「えぇ、貴方を見た時からね。」
2人の話について行けない絵理
「絵理!!!」
突然入口の方から声がする
思わず振り返るフィーナ
そこに居たのは…
「悠。何で来たの?」
そう言った直後、上村に蹴り飛ばされるフィーナ
「フィーナ!」
思わず声を上げる絵理
「さぁ絵理君、君を素晴らしい彫像に変えてあげよう。悠君もその後だ。」
恐怖で腰を抜かす悠
「や、嫌。嫌ぁぁぁぁ!!!」
第1準備室に悲鳴が響き渡る
“絵理を助けなきゃ”
心の中でそう思う悠
しかし身体が言う事を聞かない
「(助けなきゃ。絵理を、私が。そう、私が絵理を助ける!)」
そう思った瞬間
右手の中指にしていたイルカの指輪が突然光る
「な、何?」
「なんだこの光は?」
驚きを隠せない悠と上村
「(まさか、悠がディーネ。…やってみる価値はある!)
水を司るエレメンタルフェアリーよ。
シルバーフェアリーの名において今こそ目覚めよ!」
フィーナがそう言い終えると光に包まれる悠
「汝、アクアフェアリーディーネ!」
そう言って光が止むと
鎧に包まれた悠が、そこには居た
「何この姿?」
自分自身の姿に驚く悠
「それに、上村先生に黒い影が見える。」
「悠、いえディーネ!その黒い影を討つのよ!我は魔を断つ剣と成る!銀装!」
そう言うとレイピアへと変身するフィーナ
レイピアに変身し、絵理を一瞬で助けるフィーナ
「絵理、服着てここから逃げて。」
「えっ?」
「良いから早く!」
「う、うん。」
そう言うと準備室から走り去っていく絵理
「ディーネ、行くよ!」
「うん。水よ、我が敵を討て。アクアランサー!」
「こんな物効くかぁ!!!」
声を張り上げアクアランサーを弾く上村
「効くとは思ってない。けど、囮にはなるわ。」
そう言って上村をかく乱するフィーナ
「くっ!何処だ?何処に居る!」
「シルヴェイトよ、魔を貫け。」
そう言った直後上村の真正面に来るフィーナ
「なっ!」
突然の事で動きが止まる上村
「シルバードストライク!」
そこにシルバードストライクを打ち込むフィーナ
やがて上村を貫いた光が止むと倒れこむ上村
そしてシルヴェイトを仕舞うとディーネを連れ準備室の奥へ向かうフィーナ
そして奥には…
「やっぱり。キュアラティーズ。」
そう唱えると彫像が人間へと戻る
「さて、彼女達はちゃんとそれぞれの家に戻しておかなきゃね。」
そう言うと一斉に消える女生徒達
「さて、これにて終了。」
そう言うと銀装を解除するフィーナ
それにつられるようにディーネの武装も解除される
「…驚いたでしょ?悠。」
「……うん。いろいろと。」
「悠、私と一緒に、来てくれる?」
「……うん。」

昇降口

「絵理、それに悠那。…悠那の方は、絵理から聞いたみたいね。」
「フィーナ、貴女って一体何者なの?」
絵理が疑問を口にすると何処からか現れる唯・ルイ・ティーエ
「水月先生。」
少し驚く絵理
「普段は水月財閥の一員として。」
最初にフィーナが口を開く
その次に唯が口を開く
「けど、警察の手に負えない事件が起きたら、
私達はSaint Knightを名乗り、それを処理する。これが、本当の私達よ、絵理・悠那。」
「そう言う事なの。そして悠は、
私が探していたエレメンタルフェアリーと呼ばれる内の1人だった。」
冷たく言うフィーナ
「ねぇフィーナ。私達、友達だよね?」
恐る恐る口を開いた絵理
「…えぇ、貴女は最高の友達よ、絵理。」
そう言うと昇降口を出て行く唯達
無論悠も一緒に
「フィーナ、また…会えるよね?」
「…私が生きていればね。…バイバイ、絵理・悠那。」
そう言い終わると闇に消える唯達

その日の深夜

水月邸ロビー

1人ソファーにもたれかかるフィーナ
「どうしたのフィーナ。」
「フェルミナ。いや、悠の事でちょっと…。」
「彼女の事で?」
「うん。本当に、あれで良かったのかな〜って思って…。」
少し落ち込む様子を見せるフィーナ
「悠本人が良いって思えば、それで良いのよ。」
「…そうだね。さ〜て、残るエレメンタルフェアリーは残り3人。頑張るぞ〜。」
そう言ってロビーを後にするフィーナ
「…エレメンタルフェアリー。」
そう呟くフェルミナ

続く

次回予告
ディーネを見つけて2週間が経とうとしていた
次の手がかりも見つからずただ歩き回るフィーナ
そして、夜の公園で1人の能力者の女性を発見する
そしてその女性に見覚えのあるフィーナ

次回SF第4節「ウインドフェアリーシルフ」
魔は、刻一刻と迫って来てる

つづく


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