作:Rui
夜の路地に
声が響く
フィーナとフィーリアが無意味な戦いを始めて5分が経とうかとしていた
その中で声と共に空を切る音が聞こえていた
「ハァ――――――!!!」
声を上げ切りかかるフィーリア
その攻撃は空を切る
その攻撃を見逃さずにフィーリアの首を掴み壁に叩きつけるフィーナ
「フィーリアさん、貴女は今私とのこの戦いに何の意味があるのか、見出せますか?」
抑える場所を首から胸に変え口を開くフィーナ
「意味?えぇあるわ。光を全て倒せば私達闇に生きる者が安心して住める世界になる!!!」
「そんな世界は幻想だ!マヤカシだ!それが何で解らないんですか!!!」
「幻想でも良い。マヤカシでも良い。私達が生きるにはこうするしか無いのよ!」
壁に押さえつけられたまま叫ぶフィーリア
「なら、私が貴女を討ちます!!!」
そう叫んだ瞬間手から雷を発するフィーナ
その直後手を離すフィーナ
そして倒れこむフィーリア
「まだ、やりますか?」
倒れているフィーリアに向かい言葉を発するフィーナ
その言葉を聞き立ち上がるフィーリア
「私は、こんな所で負ける訳には行かないのよ、フィーナ。
闇が全てを包み込む世界。それは貴女の父上も望んだ事よ、フィーナ。」
その言葉に黙り込むフィーナ
「フィーナ、本気で行かせて貰うよ。アーリィ!」
そう言うと黒き鎧に身を包んだ女性が出て来た
「神装!!!」
そう言うと出て来た女性が消え漆黒の鎧に身を包んだフィーリアがそこに居た
「…そう来ますか。それならば私も。我は魔を断つ光と成る!銀装!!!」
そう言うと光がフィーナを包む
その光が止むと銀色に身を包んだフィーナが、そこに居た
そして同時に剣を抜くと鍔迫り合いにもつれ込む
「フィーリア!貴女だって解ってる筈だ!光と闇は常に均衡を保っている事を!
どちらかが世界を支配すれば必ず対極が支配する者を討つ!
そしてこの世界を闇が支配し、唯姉が居なくても、唯姉を超える光の者が現れる!」
「そんな事解っている!」
「なら何故!!!」
「例え討たれると解っていても、実現させたいのよ。」
フィーリアの言葉の後鍔迫り合いを弾くフィーナ
そして剣を収め銀槍シルヴェイトを取り出すフィーナ
「シルヴェイト、良いわ。討つのなら討ちなさい。」
その言葉にシルヴェイトを構えるフィーナ
「闇を貫け、銀の光。」
そう言うとフィーリアへ向かい突進するフィーナ
「フィーリア―――――!!!シルバードストライク!!!」
そう言った直後
フィーリアの身体を銀色の光が貫通する
その直後槍を仕舞い銀装を解くフィーナ
そしてフィーナが銀装を解いた直後
フィーリアの武装が解除され倒れこむフィーリア
「やっぱり、私達闇は、光に倒される運命なのね。」
「そんな事ありません。フィーリアさん、生きて、私達の力になって下さい。」
フィーリアへ向かいそう呟くフィーナ
「…馬鹿だよ、貴女。」
そう呟くフィーリア
その様子を遠くから見ている人物が居た
「…まだまだ甘いわね、彼女も。」
「次は私達の番かな?」
「えぇ、そうなるわね。でも、まだ動く時では無い。帰るわよ。」
「はい。」
その言葉を最後にその場から消え去る2人の女性
水月邸ロビー
中へ入るとルイと羽純がそこに居た
「…只今。」
そう言うフィーナ
「お帰り、大変だったわね、フィーナ。」
「…はい、羽純さん。…ルイ、彼女を何処か寝かせられる所に。」
「解りました。」
そう言うとその場から去って行くルイ
一先ずロビーのソファーにフィーリアを降ろすフィーナ
そして違うソファーに寝っ転がるフィーナ
そしてそのまま睡眠へと入ってしまった
そんなフィーナを眺める羽純
「無理だけはしないでね、フィーナ。」
水月邸某所
「フィーリアを戻したみたいね。」
「はい。」
「でもまだ向こうにはセイナとリヴァが居る。」
「はい。それに水月も。」
「…そうね。…私もそろそろ出番が近いかしら?…貴女も準備しておきなさい。」
「解りました。」
「魔族リスフィード、教会へ連行させて貰うわよ。」
続く
次回予告
フィーリアを倒したフィーナ
しかしまだセイナ・リヴァ・フェイトにリスフィードが残っている
そして月が満ちる夜
フィーナ達は人形館へと踏み込むのであった
次回Silver
Fairy
第5節「人形館前編〜聖騎士と教会〜」
我は魔を断つ光と成る。