Silver Fairy 第1章 第1節「動き出す闇」

作:Rui


羽咲市

水月邸

唯の部屋

コンコン
ドアをノックする音がする
「唯様、ルイです。」
「入りなさい。」
「失礼します。」
その言葉の後ドアを開け部屋に入るルイ
そしてドアを閉めると唯の下へ近づく
「唯様、羽咲警察の方がお会いしたいそうです。」
「…どうせ女性連続失踪事件の事でしょ?」
「……、はい。」
唯の問いに答えるルイ
「毎日毎日飽きないわね〜。ルイ、客間に通しといて。」
「解りました。それでは失礼します。」
そう言うと部屋を出て行くルイ
「……銀装の力が必要になるかな?」

水月邸客間

部屋の中で唯を待つ羽咲署の刑事2人
ガチャ
その音と共にドアが開き唯が中に入って来る
「お待たせしましてすみません。水月財閥当主の水月唯です。」
「羽咲署の仁科です。こっちは部下の遠野です。」
自己紹介を聞き椅子に座る唯
「それで、何の用ですか?大体解っていますけど…。」
「それなら話が早い。近頃起きている女性連続失踪事件の犯人、思い当たりませんか?」
唯の言葉に答え、口を開く仁科
「……それよりも、私の所に来たって事は、相当ヤバイのかな?そっちは?」
「貴様!」
「止めろ遠野。」
「あっ、すみません。」
遠野を抑える仁科
「相当ヤバイのは事実です。だからこうして貴女の元を訪れたのです。水月唯さん。」
「……犯人の見当は付いてるわ。けど…警察では叶わないは。」
唯の言葉に驚く2人
「さて、ここからは交換条件と行きましょうか?」
「交換条件?」
唯の言葉に疑問に思う仁科
「そっ。そっちは犯人の潜む場所と私の事を黙認してくれれば良い。手柄もそっちよ。
そして突入から犯人確保迄の全ての事を私達に任せて欲しいの。」
「それが、交換条件か?」
「うん。そっちの方がお得な計算よ。ちなみに犯人が潜んでそうな場所のヒントを言うね。
今現在石像等を展示していて、尚且つつい最近オープンしたばっかの美術館よ。」
唯の言葉に口を開く仁科
「解った。交渉成立だ。解ったら遠野をよこす。」
「OK。ルイ、お送りなさい。」
「はい。」
「いえ、結構です。」

警察署へ帰っていく2人を見送った唯とルイ
「ルイ、彼女達に連絡を。」
「解りました。」
そう言うと家の中へ入って行くルイ
「…さて、何か用かしら?」
そう言うと後ろを向く唯
そこに立っていたのは極々普通の女性が2人
しかし2人の女性の右手には西洋刀が握られていた
「…(操術の一種かな〜?まっ、戦うしかないか。)」
心の中でそう呟くと左手に持っていた剣を抜く唯
「来な!」
その言葉の後唯へ向かい突撃してくる女性2人
「聖龍剣術…。」
そう言うとその場から唯の姿が消える
「聖乱撃!!!」
次の瞬間には女性を通りこし着地している唯の姿があった
「…浄化せよ。」
そう言いながら剣を収めると女性の体から光が発せられた
その光が収まると倒れこむ女性2人
「まっ、こんなもんかな?」

水月邸1Fロビー

「集まったみたいね。フィーナ・セフィリア・セイナ。」
唯がロビーに集まったメンバーを見て口を開く
「いきなり呼び出すなんて、何か起きたんですか?唯姉。」
一番最初にフィーナが口を開く
「こうやって呼び出したって事は、裏で何かが起きてるって事でしょ?」
次に口を開いたのはセフィリア
「女性連続失踪事件、ですか。」
最後にセイナ
「まぁセイナの言う事は当たってるけどね。
とりあえず今は羽咲署の人間が動いてるから
場所が判明するまではあまりする事無しだけどね。」
明るく言う唯
「さ〜てと、フィーナ、行くよ。運が良ければ出会えるかもしれないから。」
「はい。」
唯の言葉に答えるフィーナ
「セフィ・セイナ、十二神具の持ち主、探しといてね。」
「了解。」」
唯の言葉に答えるセフィリアとセイナ
そしてその言葉を聞くと出かける唯とフィーナ

羽咲中央駅

駅前の広場に来ている唯とフィーナ
誰かを探しながら煙草を吸う唯と
コンビニで買った飲み物を飲むフィーナ
「唯姉、ここでこうやって張ってて見つかるんですか?」
ふと口を開くフィーナ
「…そうね。見つかるわよ。なんせ向こうは獲物を狙うような目をしているから。」
「獲物…ですか。」
「そっ。注意深く誰かを待っている人を見てみなさい。」
「はい。」
唯の言葉に答え極々自然に辺りを見回すフィーナ
それから10分
未だに探しているフィーナ
ふとその時何かに気付くフィーナ
「唯姉、あれそうかな〜?自販機の近くに立っているあの人。」
言葉だけで場所を伝えるフィーナ
「でかした。このまま見張るわよ。私達が動くのは、向こうも動いてからよ。」
「はい。」
そう言うと自販機の近くに立つ人の監視を始める唯とフィーナ
そして更に10分後
「フィーナ、動いたわ。気配を消して追うわよ。」
「はい。」
そう言うと気配を消し尾行を始める2人

しばらくして人通りの少ない路地へと来ていた
時間は夜の10時を過ぎた所
「襲うには格好の場所ね。」
そう呟く唯
しばらくして前を歩いていた女性の前に立ちはだかるように
現れる自販機の近くに立っていた人物
「な、なんですか?」
女性が恐る恐る口を開く
するとそれに答える人
「貴女を私のコレクションに加えてあげる。」
「は〜いそこまでよ〜。」
そう言いながらその人物の後ろに銃を構えて接近していた唯
そして女性の側には銃を構えたフィーナが居た
「さて、素顔を見せて貰おうか。」
そう言うとローブを剥ぎ取る唯
そこに出て来た顔は…
「やっぱり、貴女だったのね。」

続く

次回予告
女性をコレクションに加えると言ったローブを纏った女性
その正体が判明した
ローブの下に移し出された顔は?

次回SF第2節「魔族リスフィード=フェルディナント」
お楽しみに♪

つづく


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