MoonLightMagicGirl ACT20「信念の剣」

作:Rui


Moon Light Magic Girl

ACT20「信念の剣」

通信を終え上空へ上がった2人を見送るとグリムグルデに視線を移す風濫
「グリムグルデ、って言ったわね?どうするの?」
「成り行きを見届けます。ブリュンヒルデお姉様と、シュベルトライテお姉様の。」
グリムグルデの言葉を聞き口を開く風濫
「誰か来る迄は、私が側に居る。それで良いかしら?」
「はい。ですが、何者も邪魔はさせません。お姉様達にも。」
グリムグルデの言葉を聞き再度口を開く風濫
「それなら、私の仲間が相手するから大丈夫よ。」
そう言うと見上げる風濫
「・・・それは面白そうですね。」
そう言うとグリムグルデも空を見上げる

市街地上空

先に口を開いたのはブリュンヒルデ
「シュベルトライテ。貴女の決断が正しいのか、見させて貰うわ!」
「私は、私達の悲しみを止める為に、彼女と共に剣を振るいます。」
そう言うと構える渚
それを見てブリュンヒルデも構える
「行こう、シュベルトライテ。」
渚がそう言うと刀身が光る
「手加減無しですよ、ブリュンお姉様。」
「・・・私もよ、シュベルトライテ。」
そう言うとブリュンの持つ剣も光輝く
ほんの数秒黙り込むと、同時に突っ込む渚とブリュンヒルデ
剣を合わせると同時に衝撃波が発生する

廃倉庫街

衝撃波を確認しシールドを展開する風濫とグリムグルデ
衝撃波が止み、上空を見上げる2人
「・・・姿、無い。」
「落ち着きなさい。魔力反応は有るわ。」
グリムグルデの言葉に冷静に答える風濫
―ライトニングリーダーからウインドリーダー。生きてる?―
ふと風濫に通信が入る
「フェイトね。大丈夫よ。上空の2人は無視して一先ず私の所に来て。」
―ライトニングリーダー了解―
通信が切れるとグリムグルデを見て口を開く風濫
「さて、私の仲間が来るけど、そっちは?」
「ロスヴァイセお姉様を筆頭に皆こちらへ向かって来てます。」
グリムグルデの言葉を聞き口を開く風濫
「・・・それは面白い事になりそうね。」
そう言うとレヴィンクライスを抜く風濫
それを察しグリムグルデの手元に砲杖(ほうじょう)が現れる
「・・・警戒してるだけよ。」
風濫がそう言うとフェイト・レイル・ルナが降り立つ
それと同時に6人のワルキューレも降り立つ
それを確認して口を開く風濫
「フェイト・レン・ルナ。私が許可する迄戦闘行為を禁ずるわ。そちらも、良いかしら?」
そう言うとロスヴァイセを見る風濫
「グリムグルデ、ブリュンヒルデお姉様は?」
風濫の視線を無視し、グリムグルデに問い掛けるロスヴァイセ
「・・・上空で、シュヴェルトライテと交戦中です。ですが、2人共本気です。
手出しは、無用です。」
グリムグルデの言葉を聞きグリムグルデの頬をはたくロスヴァイセ
「ゲルヒルデ。ブリュンヒルデお姉様に加勢しに行きなさい。」
「はい。」
そう言うと飛び立つゲルヒルデ
それと同時にセイバーフォームで起動したナイトオブムーンで叩き落とすルナ
その側では飛び出そうとする風濫の姿が有った
「・・・御叱りは後程。けど、彼女達の戦いを邪魔してはいけない。そうですよね?」
ルナの言葉に笑みを浮かべると口を開く風濫
「流石自慢の妹ね。ありがとう、ルナ。
・・・そう言う訳だから、彼女達の邪魔をするのなら、全力で阻止するわ。」
そう言うと静かに魔力を解放する風濫
ソレを感じ口を開くロスヴァイセ
「・・・動かないで、妹達。」
ロスヴァイセの言葉に頷く妹達

上空

倉庫から飛び出す再度上空に姿を現すブリュンヒルデと渚
「シュベルトライテが語る。姉達と、妹達を、止めて。って。」
そう言うと再度シュベルトライテの刀身が光り輝く
そのまま左手を差し出す渚
「もう、苦しまなくて良いんです。貴女の願いは、私が叶えます。」
渚の言葉に手元から剣が消え涙をながすブリュンヒルデ
「・・・名は?」
「渚。月神渚。けど、今は渚=シュベルトライテ=ヴァルキュリア。」
名を聞き口を開くブリュンヒルデ
「・・・妹達の所へ、良い?」
「・・・はい。」

廃倉庫

風濫達とナイン・ワルキューレが居る場所に降り立つブリュンヒルデと渚

「ブリュンヒルデお姉様。」
降りてきたブリュンヒルデに声を掛けるロスヴァイセ
ロスヴァイセの言葉に妹達を見るブリュンヒルデ
「ブリュンヒルデお姉様?」
疑問に思い口を開くロスヴァイセ
「良く聞いて。見付けたわ。私達を束ねられる者を。」
ブリュンヒルデの言葉にざわつくワルキューレ達
「月神渚。シュベルトライテの意思を汲み取り、継ぎし者。彼女なら、全てを託せる。」
「ブリュンヒルデお姉様が、そう言うのでしたら。」
ワルキューレ達を代表してロスヴァイセが口を開く
「ブリュンヒルデお姉様。」
「グリムグルデ。末妹で有りながら彼女を見極めた事、感謝するわ。」
そう言うとグリムグルデの頭を撫でるブリュンヒルデ
ブリュンヒルデが渚を見つめると足元に大きい魔法陣が展開する
それを見て魔法陣の外に出る風濫・フェイト・レイル・ルナ
「渚、中心へ。」
ブリュンヒルデの言葉に中央に歩み寄る渚
「我が名ブリュンヒルデの名に於いて、汝月神渚を我らの主として認めん。」
「・・・認める。」
渚の言葉を聞き口を開くブリュンヒルデ
「我らはいつも、汝と共に有り。」
そう言うと光に包まれるワルキューレ達と渚
光が止むとそこには佇む渚の姿と8体の女性型の球体間接人形が転がっていた
「・・・ありがとう、ブリュンヒルデ。」
渚がそう呟くと、女性の声が聞こえる
―役に立たないわね。所詮は人形ね―
「誰?」
渚がそう言うと同時に姿を現す黒い戦女神を模した鎧に身を包んだ女性
その女性を見て驚く風濫
「・・・貴女、何者?」
問い掛ける渚
「我が名はアーリィ。アーリィ=ヴァルキュリア。ナイン・ワルキューレを統べし者。」

続く

次回予告
ナイン・ワルキューレと1つになった渚
そんな渚の前に現れるアーリィと名乗る女性
彼女はナイン・ワルキューレを統べし者と名乗った
彼女達の想いを胸に、渚は剣を取る
次回ACT21「黒装の戦女神」
―想いは、力になる

つづく


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