作：Rui
Moon Light Magic Girl
ACT２１「黒装の戦女神」
「我が名はアーリィ。アーリィ＝ヴァルキュリア。ナイン・ワルキューレを統べし者。」
そう言うと渚を指差す
「我が配下を返して貰おう。」
「断る！彼女達は私を信じてくれた。なら、私はそれに答えなきゃいけない！」
渚の言葉を聞き口を開くアーリィ
「ならば、汝を倒し奪い返すのみ。」
そう言うと剣を抜くアーリィ
それを見て口を開く風濫
「フェイトは本部に連絡。レイルは結界展開を。ルナは私と共に渚のサポート。行くよ！」
そう言うと飛び出す風濫
それに気付くアーリィ
そのまま風濫の攻撃を防ぐ
「渚、大丈夫？」
渚の側に寄るルナ
「ルナさん。・・・はい。それよりもあの人を引きつけといて下さい。」
渚の言葉を聞き疑問に思うが口を開くルナ
「ＯＫ。何かしらするんだね？」
「・・・はい。彼女達の力を借ります。」
渚の言葉を聞くと再度口を開くルナ
「解った。ナイトオブムーン、起動。セイバーフォーム。」
―OK Set Up Saver Form Set―
電子音声の後、剣を持つルナ
「充分引きつけて来るね。」
そう言うと駆け出すルナ
ルナを見送ると足元に魔方陣を展開する渚
「ブリュン・ロス・ゲル・ヘルム・シュベル・オルト・ワルト・ジーク・グリム。
私に、力を貸して。」
渚がそう言うと周囲に現れる９人ワルキューレ
「お呼びでしょうか？マスター渚。」
「ブリュンヒルデ。貴女達の力を借りたいの。」
渚の言葉に再度口を開くブリュンヒルデ
「それでしたら私達の名をお呼び下さい。それだけで、私達はマスター渚の力になります。」
「ブリュンヒルデ。・・・解った。ブリュン・ロス・グリムは私の仲間のサポートを。」
渚の言葉に頷くブリュンヒルデ・ロスヴァイセ・グリムグルデ
「シュベルトライテは私の剣になって。」
「御意。」
そうと一振りの剣に姿を変えるシュベルトライテ
「ゲル・ヘルム・オルト・ワルト・ジークは周辺結界の補強を。
指示はフェイトさんに従って。」
渚の言葉に頷く５人
「行って！」
渚の言葉に散っていく８人のワルキューレ
「シュベルトライテ。一撃で決めるよ。」
―御意―
返事が聞こえると刀身が光り輝く
それを確認して風濫達の方を見る渚
「ロスヴァイセ・グリムグルデはアウトレンジから援護を。」
「了解です。」
ブリュンの言葉に答え砲撃を始めるロスヴァイセとグリムグルデ
それに気付き口を開くルナ
「お姉様！」
「えぇ。渚ね。ルナ、貴女も下がりなさい。ワルキューレ！」
風濫の言葉に風濫の側に寄るブリュンヒルデ
「貴女、名は？」
「ブリュンヒルデ。９人のワルキューレの内、一番年上です。」
「成程。こっちに来たって事はインレンジ行けるって事よね？」
風濫の問いに頷くブリュンヒルデ
「なら私と一緒に撹乱するよ。」
「はい。ですが・・・。」
途中まで言い掛けて言葉を遮る風濫
「解ってる。トドメは渚でしょ？」
「・・・はい。」
「なら、行くよ。」
風濫の言葉を合図にアーリィを撹乱する風濫とブリュンヒルデ
その合間を縫って砲撃を打ち込むルナ・ロスヴァイセ・グリムグルデ
だが、その攻撃も防御結界に拒まれる
「防御結界。あれを破らないとダメージを与えられない。」
結界を見て口に出すロスヴァイセ
それを聞いて口を開くルナ
「・・・防御結界？」
「はい。防御魔法でも有りますが、結界でも有ります。
故に対結界能力が有れば打ち破る事が出来ます。」
ルナの問いに答えるロスヴァイセ
「何だ。それなら簡単だ。ナイトオブムーン、解ってるよね？」
―Strike Form Set―
電子音声が告げると槍に変わるナイトオブムーン
「ナイトオブムーンストライクフォーム。対結界持ちのフォームよ。」
そう言うとナイトオブムーンを構えるルナ
「ロスヴァイセ、だっけ？渚に伝えて。結界が破れる一瞬を狙って。って。」
ルナの言葉に頷くと渚の元へ移動するロスヴァイセ
「あの、私は何をすれば？」
疑問の声を出すグリムグルデ
「ん？あぁ、真正面からの集束型砲撃を全力で。そこに私が突っ込むわ。良い？」
「はい。」
そう言うと何処からともなく杖が出て来たその杖を構える
「ターゲットロック。・・・フルバースト。ファイア。」
そう言うと魔力が射出される
そのままアーリィの防御結界に当たる
「グリムグルデか。無駄な事を。」
そう言うと同時に砲撃が止む
それと同時に結界にぶち当たるルナ
「なっ！・・・だが、その程度で我が結界を打ち破ろうとは・・・。」
そこ迄言うと結界にヒビが入る
「なっ！」
ヒビが入ったのを見て驚くアーリィ
「ナイトオブムーン！」
―Magic Load Lunatic Breaker―
「撃ち抜く!!!」
ルナが叫ぶと同時にアーリィの防御結界が崩壊する
それと同時に突っ込んで来る渚
咄嗟に剣を構えるアーリィ
その直後、すれ違いながらアーリィを切り裂く風濫とブリュンヒルデ
斬撃を喰らい、無防備になるアーリィ
その隙を逃さずアーリィを切り裂く渚
「ぐっ、馬鹿な。この私が、人間如きにやられるなど・・・。」
「人の強さを甘く見た。貴女の敗因は、それよ。」
そう言うと詠唱を始める風濫
「・・・成程。だが、我が主が汝達を必ず倒すだろう。」
そう言うと消失するアーリィ
風濫の詠唱により、その場には1つのクリスタルが残った
「これは私が持っておくわ。良いわね？」
風濫の言葉に頷く渚
「ブリュン・シュベル。それに他のワルキューレ。ありがとう。」
「私達はいつでもマスター渚と共に有ります。力を欲する時は、名をお呼び下さい。では。」
そう言うとその場から消える９人のワルキューレ
それを確認すると地上に降りる渚
そこには８体の人形が置いてあった
それを見て口を開くルナ
「渚、それって。」
「はい。シュベルトライテを除く、８人のワルキューレです。何とかしたいんですが。」
そう言うと俯く渚
「渚。はやてに掛け合ってみるよ。多分、はやてなら解ってくれるだろうから。」
「間宮さん。・・・ありがとうございます。」
その後、シュベルトライテを除く、８人のワルキューレの人形は、
八神司令の口添えも有り、大切に保管される事になった
事件終息の翌日
屋上へと来ていた渚と春香
「良かったね渚。」
「春香。・・・うん。はやてさんが理解の有る人で良かった。」
そう言うと空を見上げる
「変わらないね、渚ったら。」
「えっ？春香、どう言う事？」
春香の言葉に疑問に思う渚
「他の人への、優しさ。一番最初のレイルさんの時だってそう。
その後の私を助ける時だってそう。そして今回のワルキューレ達。ねっ？」
春香の言葉に考えると納得する渚
「そう言えば、そうだね。」
「けど、それって当たり前だけど、大事な事だと思うよ。」
そう言うと駆け出し止まると渚の方を向き再度口を開く春香
「知り合いとか顔見知りならともかく、見ず知らずの他人に迄優しく出来る。
それが、渚だと思うんだ。」
「春香。・・・そうかもね。」
「だからこそ、その優しさ。大切にしてね。ずっとだよ。」
「・・・解ってるよ、春香。」
そう言うと空を見上げる渚と春香
続く
次回予告
ナイン・ワルキューレ事件から1ヶ月
管理局の裏を調べ始めた機動六課
それと共に発生する女性の行方不明事件
この二つに繋がりは有るのか？
次回ACT２２「Re START」
―――渚＝T＝ヴァルキュリア、行きます！