作:Rui
Moon Light Magic Girl
ACT11「闇を貫く星の光」
RHを構えると同時に渚の足元に魔方陣が展開する
それを見守る風濫・フェイト・春香
―Master―
ふとRHが声をあげる
それと同時に口を開く風濫
「大丈夫、集中しなさい。フェイト、彼女をお願い。」
「はい。」
フェイトの返事を抜くと給水塔の上に昇る風濫
それを見てRHに視線を移す渚
「行くよ、レイジングハート。」
―Star Light Breaker―
RHの声に渚の目の前に光が集まる
それを見て杖の先を後ろに向けて構える渚
「行くよ。全力全開!スターライト、ブレイカーーー!!!」
叫ぶと同時に杖を振り下ろす渚
それと同時に集中した光球が線と成り、放出される
そのまま結界に当たり、その結界自体も貫くと、結界が崩壊する
それに伴い風濫が相手をしていた異形も消え去る
「ふぅ。渚、貴女は春香と一緒に居て。フェイトは私と一緒に校内を。」
「はい。」
返事をすると風濫と共に屋上から去っていくフェイト
「・・・ふぅ。春香、大丈夫・・・だよね?」
「うん。私よりも渚の方こそ、大丈夫?」
共に無事かを聞く渚と春香
思わず笑みがこぼれる
「とりあえず、校舎内に戻ろう。ねっ。」
「うん、そうだね。」
春香の言葉に頷き校舎内へと戻っていく渚と春香
結局、他の生徒や先生に大した事は無いと、間宮先生が言ってました
帰り道
春香と共に下校する渚
「・・・お友達の事、心配?」
不意に声を掛ける渚
「・・・うん。無事だと良いんだけどね。」
そう言うと俯く春香
「春香、気休めにしかならないと思うけど、間宮先生やフェイトさんが居る。
それに、私も居る。だから、安心して。」
「渚。…ありがとう。それじゃここで。また明日、学校で。」
「うん。また明日ね。」
渚の言葉を聞き去っていく春香
「・・・私も帰ろう。」
そう言うと歩き出す渚
夜9時半頃
自分の部屋で就寝準備に入る渚
ふと1階から母親の声が聞こえる
―渚、お客さんよ―
「お客さん?こんな時間に?・・・今行く―。」
そう言うと防寒具を羽織り玄関迄行きドアを開ける渚
「お待たせしました〜。」
そう言ってドアを開けると絶句する渚
「お久し振り。元気だった?」
渚の目の前に居たのは…
「レイルさん。」
渚にデバイスを渡し、魔術師にした人物。レイル=ラングードがそこに居た
「本当に、レイルさんなんですか?」
「えぇ。時空管理局機動六課所属、レイル=ラングード。小さな魔術師の力になりに来たわ。」
レイルの言葉を聞き思わず抱きつく渚
「話は全て間宮隊長から聞いているわ。渚、明日の放課後、中央公園に来て。良い?」
「レイルさん。・・・はい。」
渚の言葉に笑顔を見せるレイル
「良い子だ。おやすみ。」
そう言うと玄関から去っていくレイル
深夜の中央公園
そこに姿を現すレイル
―ご対面は済んだの?―
ふと聞こえた声に口を開くレイル
「はい。やはりあの時した事は、正解だったみたいですね。」
―えぇ。彼女は彼女なりに強さを持っているわ。私達に負けず劣らずのね―
女性の言葉を聞いて口を開くレイル
「珍しい。貴女からそんな言葉が聞けるなんて。」
―事実よ。さぁ、闇は動き出しているわ―
「はい、解っています。」
放課後
中央公園
春香と共に公園にやってきた渚
そこにはレイルの姿が有った
「レイルさん。」
「来たね、渚。そっちは、お友達?」
「はい。柚木春香って言います。」
渚の言葉にお辞儀をする春香
「レイル=ラングードよ。渚を巻き込んでしまった人物よ。・・・怨む?」
レイルの言葉に首を横に振る春香
「渚と貴女を見れば解ります。これでも洞察力には自身が有りますから。」
「そう。そう言ってくれるとありがたいわ。」
そう言うと時計を見るレイル
―あら、早いわね―
そう言いながら姿を見せる風濫と、フェイト
その他に二人の女性が一緒に居た
二人の女性を見て口を開く渚
「あれ。間宮先生。そちらの女性達は?」
渚の言葉に気付き口を開く風濫
「あぁ、まだだったわね。お二人から自己紹介。」
風濫がそう言うと口を開く女性達
「初めまして。管理局機動六課所属の水代楓です。よろしくね、月神渚さん。」
「あっ、はい。こちらこそ。」
そう言うと楓と握手をする渚
手を離すともう一人の女性が口を開く
「同じく機動六課所属の月夜瑠那よ。よろしくね、小さな魔術師さん。」
「はい。よろしくお願い致します。っと、月神渚です。よろしくお願いします。」
渚の紹介が終わると口を開く風濫
「ルナ、アインスさんはどうしたの?」
「別行動です。既にこちらには来ています。」
ルナの言葉に考え込む風濫
「・・・まぁ良いか。レイルはルナと楓。フェイトと渚は私に。
チームコードは…。どうしよう。」
「間宮隊長の方は間宮隊長が決めれば良いと思います。こちらはそちらに合わせます。」
レイルの言葉に口を開く風濫
「そうね。それじゃ私の分隊はブレイド。そっちは?」
「ガンナーで。1が私。2が楓。3がルナです。間宮隊長の方は?」
「私・フェイト・渚よ。」
「了解です。」
話がまとまると口を開くフェイト
「今日の時点で既に何かしらの手が学校に回っています。
明日になれば陥落したと考えて良いでしょう。」
「成程。ここに来てから感じている黒い魔力は、そこですか。」
楓の言葉に驚く風濫・フェイト・レイル
「楓、解るの?」
思わず口を開く風濫
「あれ?間宮隊長は解ってると思いましたが・・・。」
「楓。それは昔の事よ。」
「・・・失礼しました。」
そう言うと頭を下げる楓
「それで、どんな感じなの?」
「既に学校全体に浸透していると見て間違い有りません。明日には結界が起動するかと。」
楓の言葉を聞き口を開く風濫
「だとすると、朝のHR開始直後が妥当な線ね。」
「それで、素直に罠にかかりますか?」
フェイトが風濫に尋ねる
「それもそうね。ガンナーは外から。私達は中から。それと、春香は家に居てね。」
「あっ、はい。巻き込まない為、ですよね?」
春香の言葉に頷く風濫
「それじゃ今日は解散。明日に備えるよ。」
風濫の言葉に公園から去っていく渚と春香
「レイル、外から頼むわよ。」
「はい、間宮隊長。」
いつもの道、いつもの場所
「それじゃ渚。全部終わったらね。」
「うん。全部終わったら、迎えに行くから。」
言いあうと笑顔で別れる渚と春香
先にその場から去っていく渚
それを見送る春香
「・・・私も帰ろう。」
そう言って振り返る春香
そこには一人の女性が居た
その女性を見て口を開く春香
「あっ、弥生ちゃんをさらった。」
「正解。さぁ、貴女も。」
女性がそう言うと同時に春香の目から生気が無くなる
「操り人形の完成。フフッ、楽しみね。」
そう言うと春香と共にその場から消える女性
続く
次回予告
異質なる空間に変わる時
それは戦いの合図
全ては、平穏な日常を取り戻す為
次回ACT12「闇に染まる時」
―――絶対に、負けはしない