作:Rui
Moon Light Magic
Girl
ACT9「新たなる戦い」
八神はやて達と別れてから一カ月
舞に関しては初めから居なかった事になっていたと、間宮先生が言ってました
少し寂しいけど、不可解な事件は待ってはくれません
新しい戦い、始まります
教室
「なっぎさ〜、おはよう。」
「春香ちゃん。おはよう。」
挨拶をする渚を見て疑問に思う春香
「ん〜、どうしたの?何か悩んでる?」
「えっと・・・うん、ちょっとね。」
「内容はともかく、相談出来る事なら相談してね。」
「うん、ありがとう、春香ちゃん。」
―月神渚さん。月神渚さん。間宮先生がお呼びです。至急生徒指導室迄お越しください―
ふと校内放送が流れる
「何だろう?」
「急みたいだし、行ってくるね。」
春香にそう言うと教室を出て行く渚
「先帰ってるからね〜。」
生徒指導室
―月神です、入ります―
そう言うとドアを開け部屋の中に入りドアを閉める渚
部屋の中には風濫とフェイトの姿が有った
「来たわね。まぁ、座って。」
風濫に言われソファーに座る渚
「フェイト、お願い。」
「はい。ここ1週間以内に不可思議な事件が発生しています。」
「女性のみが行方不明な事件ですか?」
渚の言葉に頷く風濫とフェイト
「えぇ。現場を見てみると微かですが残留魔力が有りました。」
「それってつまり、普通の人の仕業では無いって事ですよね?」
渚の言葉を聞き口を開く風濫
「えぇ。残留魔力を探ったら魔族の物と断定出来たわ。」
「なら、その魔族を探して倒せば良いんですね。」
「えぇ。そうだけど…、何処を住処にしているか。それを特定してからよ。」
風濫の言葉にフェイトを見る渚
それに対し頷くフェイト
「渚はとりあえずクラスメイトから噂を聞いてみて。良い?」
「はい、解りました。」
「用件は以上。また何か有ったら呼ぶわ。渚も何か有ったら…。」
「はい。間宮先生かフェイトさんに。」
渚の言葉を聞いて頷く風濫
「失礼しました〜。」
そう言って部屋から出る渚
「・・・春香、帰ったよね。」
そう呟きながら教室に戻る渚
公園
「へぇ〜、大変なんだね弥生ちゃんって。」
「うん。弟達を養わなくちゃいけないから、特例なの。」
同じクラスの弥生と話をする春香
「あっ!そろそろ時間だから行かなくちゃ。ごめんね、付き合わせて。」
「ううん、こっちこそ。」
春香がそう言った直後不思議な空間、否。結界が展開する
「えっ?」
疑問に思う弥生
「弥生ちゃん、こっち!」
思わず手を取り駆け出す春香
そのまま駅前の方迄掛けて行く二人
「・・・誰も居ない?」
駅前に来てそう言い放つ春香
ふと視界に一人の女性が入る
「春香さん、あそこ。人が居ます!」
「えっ?」
弥生に言われ弥生が指差した方を見る春香
その女性は笑みを浮かべて居た
「弥生ちゃん。…何か、やばいよ。あの人。」
―逃がさないわよ―
女性の言葉に恐怖を感じる二人
―Divine
Buster―
ふと電子音声が聞こえると同時に目の前の女性に対し魔力砲撃が命中する
突然の事に茫然とする二人
―早く逃げて!―
少女の声にその場から駆け出す春香と弥生
それを見て姿を見せる少女、渚
「貴女ですね、一連の事件の犯人は。」
渚がそう言うと後ろから声が聞こえる
「管理法に従い貴女を逮捕もしくわ、倒します。」
そう言って姿を現す風濫とそれに随伴するフェイト
「渚は今の二人を追って。フェイトも。良いわね?」
風濫の言葉に頷くとその場を離れる渚とフェイト
それを確認して口を開く風濫
「さて、何処の魔族かしら?名前ぐらいは聞いておきたいわね。」
「・・・人如きに名乗る名は無い。」
魔族の女性の言葉に呆れながらも口を開く風濫
「人如き、ね。なら、同族には名乗る名は有るんでしょ?」
風濫の言葉に疑問に思う魔族の女性
「シルヴィー=フィア=レイピア。私のもう一つの名よ。」
「フッ。誰かと思えば裏切り者か。裏切り者に名乗る名なんて無いわ。」
そう言うとそこから消え去る魔族の女性
「消えた!・・・渚達を追わないと。」
そう言うと駆け出す風濫とフェイト
公園
公園迄戻ってきた弥生と春香
「一体何なの?今のは?」
疑問に思う春香
―魔族。私達は自身の事をそう呼んでいるわ―
その声と共に魔族の女性が姿を現す
「その美しさ、永遠に。」
そう言うと魔力球体を発射する魔族の女性
「春香ちゃん危ない!」
春香を押しのけ身代わりになる弥生
魔力球体が弥生に当たると不思議な気分になる弥生
「何、これ?…何か、気持ち良い。」
「弥生ちゃん。」
春香がそう言うと同時に足元から金に変わっていく弥生
「弥生ちゃん!足元!」
「何?解らない。気持ち良すぎて解らないよ〜。」
金へと変わる事すら快楽と化した弥生
「あぁ、気持ち良い!」
快楽を感じたまま金へと変わった弥生
「嘘、でしょ?」
「いいえ、事実よ。さぁ、貴女も。」
魔族の女性がそう言った直後
―アクセルシューター―
少女の声と同時に4つの魔力球体が魔族の女性を襲う
「先程の。邪魔が入ったようなので失礼するわ。」
そう言うと金と化した弥生と共に消え去る魔族の女性
「遅かった!・・・大丈夫?何もされてない?」
「・・・渚、なの?」
春香の言葉に思わず頷く渚
「渚。…弥生ちゃんが、金になっちゃって。それで変なお姉さんに連れ去られて!」
「落ち付いて!今夜見た事は誰にも言わないで。勿論私の事も。良い?」
渚の言葉に頷く春香
―渚!―
それと同時に風濫の声が聞こえる
「間宮先生。」
渚の声に気付き近づくと春香の姿を確認し、口を開く
「彼女、親友だったよね?」
「はい。一応今夜の事は口止めしました。」
渚の言葉を聞くと春香を見る風濫
「柚木春香。今夜の事、誰にも言わないでね。私か渚に言う時は人気の無い所で。良いわね?」
風濫の言葉に頷く春香
「渚。」
「はい、送っていきます。」
そう言うと春香と共に公園を去る渚
それを見送ると口を開く風濫
「・・・結界が消えた。フェイト、追えそう?」
「追ってみます。」
そう言うとその場から立ち去るフェイト
「・・・やれやれね。」
続く
連れ去られた親友
増加する事件の被害者
魔手は、着実に伸びている
次回ACT10「現実の幻想の境界線」
―――私、行かなくちゃ