作:Rui
Magic Girl Luna
〜The Lunatic
Strikers〜
Case2「黒き者の心」
海山市警特殊機動課
「氷那雪戻りました〜。」
そう言いながら部屋に入って来る雪
そこには英二の姿が有った
「お帰りです。…っと、間宮さんは?」
「何か用が有るって言ってそれっきり。
それよりも今回の事件だけど、やっぱり魔族が絡んでるわ。」
雪の言葉に「やっぱり」と言う表情をする英二
「まったく、羽咲にしろ海山にしろ魔族が原因の事件が絶えないわね。」
「ごもっともです。」
海山市内某所
薄暗い廃工場にはゴスロリファッションの少女と風濫の姿が有った
「昨日振り、と言っておけば良いかしら?魔族の少女。」
「へ〜、私が魔族って解ってるんだ。お姉ちゃんには。」
魔族の少女がそう言うと再度口を開く風濫
「当たり前よ。聞いていない?フィーリアの名を継ぐ者、シルヴィーの事を?」
“シルヴィー”
風濫の口からその名を聞いて考える魔族の少女
「そう言えば聞いた事有るような無いような。確か元人間の漆黒の薔薇騎士だって。」
「正解。それが私だとしたら、どうする?」
そう言うと武装を纏う風濫
その姿を見て驚く魔族の少女
「ま、まさかお姉ちゃんが?」
「正解。けど大丈夫よ。ある事をしてくれれば貴女には何もしないから。」
笑顔でそう言い放つ風濫
羽咲市
SKA地下修練場
そこでは水冬が楓を相手に模擬戦を行っていた
魔術を駆使して攻め込む水冬
それを回避しつつ反撃の機会を窺う楓
「貫け、雷鳴の槍よ!ライトニングボルト!!!」
水冬の言葉に5本の雷鳴の槍が楓に向かい飛ぶ
その全てを避けると口を開く楓
「エルスハートセイバーフォーム!!!」
―OK
Saver Form Set
On―
電子音声と共にシューティングフォームからセイバーフォームへと変わるエルスハート
そのまま水冬へと突っ込む楓
それを見て詠唱を始める水冬
「放て!」
水冬がそう言うと同時に34本の魔法の矢が楓へと襲いかかる
「魔力障壁展開!!!」
―Open―
即座に魔力障壁を展開する楓
障壁に魔法の矢が当たり煙が舞いあがる
その煙を見ながら右手にイカヅチを溜める水冬
一方煙の中では楓がその様子を探っていた
「…成る程。エルスハート、シューティングフォーム。撃つよ。」
―OK
Shooting Form Set On & Magic
Load―
煙の中から電子音声が聞こえ構える水冬
それを見ながら口を開くルナ
「止めた方が良いかな?」
―I’m Set Up
Master(起動しますか?マスター)―
「そうね。シューティングフォームで起動。速効で魔力装填。」
―OK Wake Up Shooting
Form Set Up Magic
Load―
ナイトオブムーンの電子音声が終るとほぼ同時に煙が晴れる
そこにはシューティングフォームのエルスハートを構えた楓の姿が有った
「水冬、まだやる?」
「…ここらへんで良いんじゃないの?」
水冬からの返答を聞き再度口を開く楓
「エルスハート、魔力拡散。待機モードへ。」
―OK
Magic Out Wait
Mode―
エルスハートを納める楓を見てルナもナイトオブムーンを納める
「今日はここまで。水冬、汗でも流してきたら?」
「月夜さん。はい、解りました。それでは失礼します。」
そう言うと修練場から出て行く水冬
それを見送ると口を開くルナ
「楓、水冬はどう?」
「実際やってみると解るけど、色々な戦法を出して来るね。結構トリッキー。
そう言えば在学中も戦略ゲームやると変な戦法使ってたし。」
楓の言葉に考えるルナ
「海山の特課でどう使うかって?」
「そう言う事にしといて。」
「了解。」
深夜
海山中央公園
公園内の外れた場所
そこには恍惚とした表情で金と化したOLの女性と、
ゴスロリファッションをした少女の姿が有った
「また増えちゃった。」
新たな金象が出来たのを喜ぶ少女
「楽しそうね。」
ふと女性の声が聞こえ振り向く少女
「祐巳さん。うん、一杯増えて嬉しいの♪」
「そう。それよりも…どなたかしら?」
祐巳の言葉に姿を現したのは…
「初めましてかしら?羽咲市警特殊機動部隊所属氷那雪。別名氷狼フェンリル。」
「福住祐巳と申します。それで、何の用かしら?」
「何の用?言わなくても解ってるんじゃないのかしら?」
雪の言葉に「クスッ」っと微笑むと口を開く祐巳
「解っているのなら、話しは早いわ。」
そう言うと雪に歩み寄る祐巳
翌日
海山市警特課
「雪が帰ってきてない?」
剣の言葉にそう答える風濫
「昨日見回りに行くと言ってそれっきりだ。」
「まさか…ね。」
そう言うと部屋を出て行く風濫
続く
次回予告
帰ってこない雪
未だ傷が癒えない愁
海山市警特課はじわじわと戦力を削られていた
そんな中ルナはSKAを交え水冬の実力を測ろうと模擬戦を開始していた
次回Case3「水冬、その力の有り処」