作:Rui
ルナと奏が戦いを始めて10分が経過した
銀に包まれた闇夜の町を疾走する2人
疾走しながら詠唱を始めるルナ
「行け。金属化の槍撃(メタリティア・ランサード)!」
ルナの言葉と共に銀色の槍が飛び出す
それを避ける奏
「くっ!漆黒よ、我が剣に宿りなさい!」
ルナがそう言うと剣に漆黒が纏われる
「漆黒の刃よ!我が敵に向け駆け抜けろ!!!」
―Dark
Slash―
デイベルストの声と共に剣を振るうと漆黒の衝撃破が放たれる
「シルバースラッシュ!!!」
そう言うと漆黒の衝撃破を相殺する奏
「ルナ、止めて!私達が戦う理由なんて、何処にも無いよ!」
「五月蝿い!奏に無くても私には有るのよ。デイベルスト、シューティングモード!」
―Shoting
Mode―
電子音声と共に形態が変わるデイベルスト
そのまま殴りにかかるルナ
それを受け流す奏
「くっ!」
苦い声を出すと詠唱を始めるルナ
「我が声の名において汝を拘束せよ。束縛の鎖(バインドチェーン)!!!」
ルナの言葉に奏を縛り付ける無数の鎖
鎖に縛られ身動き出来ない状態に陥る奏
そんな奏に近寄るルナ
「さぁ、逃がさないわよ。」
そう言うと奏の顔に手を添えるルナ
「さぁ奏、また私のコレクションにしてあげるわよ。」
「ルナ。貴女は、ルナじゃない。」
ふとそう呟く奏
「奏、何言ってるの?私はルナよ。月夜瑠那よ。」
「違う!貴女はルナの姿をした、魔族よ!」
奏の言葉に奏の頬を叩くルナ
「五月蝿いわね。黙りなさい。」
そう言うと詠唱を始めるルナ
「…私は、信じてるから。ルナの事。」
奏の言葉に突如鼓動が高まるルナ
「ぐっ!」
「ルナ!」
ルナの異変に溜まらずルナの名を呼ぶ奏
ふと女性の声が聞こえる
「やれやれ。所詮ここまでね。まぁ良い方かしら。」
声のした方を見る奏
「貴女、確かリア。」
「正解。」
奏の言葉に笑顔で答えるリア
「ルナに、ルナに何をするんですか!」
「知りたい?私の真名はフィーリア。魔族よ。人の負の感情を吸い取って生きているのよ。
今回のは良い素材だわ。」
そう言うと苦しんでいるルナに近づくフィーリア
「リア、姉様。」
「苦しいでしょ?今、楽にしてあげるわ。」
フィーリアがそう言うと黒き光に包まれるルナ
足を広げ、両手も広げ、優しさに包まれた顔のまま、石と化すルナ
「ルナ!」
「あぁ、気持ち良い。さて、次は貴女ね。」
そう言うと奏を見るフィーリア
その行動に対し構える奏
「遅いわよ。」
そう言うと奏の背後に回り込むと、奏の腕を押さえるフィーリア
腕を捕まれ剣を落とす奏
「くっ!離して!」
「駄目。貴女も良い素材になりそうね。」
そう言うと顔を近づけるフィーリア
その瞬間、何かを感じ奏から離れるフィーリア
フィーリアから開放された奏の側には漆黒の鎧を纏った女騎士、シルヴィーの姿が有った
「シルヴィー、裏切るの?」
「はい。元々何をするのか知りたかっただけですから。」
そう言うとエスキスをフィーリアに向けるシルヴィ・[「シルヴィー、貴女が相手になってくれるのかしら?」
フィーリアの言葉に笑みを浮かべると口を開くシルヴィ・[「まさか。私は周囲に居る者の露払いですよ。貴女を倒すのは、彼女達ですからね。」
シルヴィーの言葉と同時にシルヴィーの背後に降り立つルナとアリス
「ベストタイミングよ、蒼月。」
「ありがとう、シルヴィー。」
その言葉と同時にフィーリアの背後に現れる蒼月
蒼月が現れたのを確認して再度口を開くシルヴィ・[「ルナ・アリス・奏、解っているわね?」
シルヴィーの言葉に頷く3人
「なら良いわ。それじゃ、行きましょうか?レイピア。」
シルヴィーがそう言うと周囲には無数の漆黒の鎧が立ち並んでいた
それを見て散って行くシルヴィーとレイピア
その場にはルナ・アリス・奏とフィーリアが残された
「さぁ、私を止めてみなさい。止められるのならね!」
そう言うと魔力を開放するフィーリア
開放した魔力に圧される3人
「あらあら、この程度で縮こまるなんて。残念。楽しめないわ。」
そう言うと黒き鎧を纏うフィーリア
「黒神装。神の力を宿りし鎧。さぁ、勝てるかしら?」
そう言うと一瞬で間を詰めアリスを吹き飛ばすフィーリア
「「アリスちゃん!!!」」
同時に叫ぶルナと奏
「遅い。」
そう言うとルナと奏を弾き飛ばすフィーリア
フィーリアを中心に3方向に横たわるルナ・奏・アリス
「もう終わりなの?つまらない。」
その言葉に立ち上がる3人
「しぶといわね。」
「負けられないの。」
フィーリアの言葉に対しそう応えるアリス
「レインハート、私に力を貸して!」
アリスの言葉に光を発するレインハート
それに呼応するかのようにルナのデイベルスト、奏の白き剣も光を発する
「デイベルスト、違う。彼女の真名は、ナイト・オブ・ムーン!」
ルナがそう言うと光が止み、剣と成ってルナの手の中に納まるナイト・オブ・ムーン
それを見つつ、口を開く奏
「そう言えば、名前が無かったわね。」
奏がそう言うと淡い青白い光に変わる白き剣
「行こう、ブルー・レイス。」
それぞれデバイスを持ちフィーリアを見つめる3人
そんな3人を見て口を開くフィーリア
「さぁ、来なさい!」
続く
次回予告
全てが終わる
彼女達は最後の戦いに臨む
日常へと戻る為に
次回Last
ACT「彼女へと送る鎮魂歌」