作:Rui
深夜の市街地
路地裏
「汝永久なる氷の器にて眠り給え。」
逃げるOLを追いながら詠唱する一人の少女
「我器の中にて汝に快楽を与える!」
詠唱が完了し、手に持つ杖をOLに向けるとその魔法を口にする
「フリージングセメタリー!」
そう言い放ち杖の先端から一筋の光が放たれOLに命中する
その直後一瞬で氷に包まれるOL
その表情は光に貫かれ驚いた表情のままで有った
その姿をじっと見つめる少女
「ルナ、どうしたの?」
ふと少女、ルナに声をかける女性
その声に気付き振り向くと口を開くルナと呼ばれた少女
「リア姉様。いえ、この女性の人を見て、何か変な感じがするんです。何でしょう?気持ちは良いんですけど…。」
ルナの疑問に口を開くリア
「それはきっと快感よ。ルナは固まったりする女性を見て”良い”と思っているのよ。」
「良いと思う。快感。」
そう呟くルナを見ていたリアが何かに気付く
「誰!」
リアの声と共にその場から去っていく少女
「(何?今の少女は?それに、魔術法衣を纏っていた。…まさか。)」
「リア姉様?」
悩む素振りを見せるリアを見て疑問に思ったルナが声を掛ける
「ルナ、何でも無いわ。帰りましょう。」
「はい。」
元気に応えると帰宅するルナとリア
翌日
海山中学校
―おはよう
―おはよう
生徒達の元気な声が響く校門
「ル〜ナ、おはよう。」
ふとルナに声を掛ける女生徒
「あっ、奏。おはよう。」
声を掛けた女生徒、鈴音奏に挨拶をするルナ
「それよりさ、うちのクラスに転校生来るんだって。」
「えっ?本当?」
奏の言葉に驚くルナ
そんなルナの行動に対し頷く奏
「楽しみだね。」
「そうだね。」
そう言いあうと教室へと向かう二人
教室
HR
教壇に立つ女の先生が口を開く
「喜べ男子!転校生は女だ。入って来い。」
先生の言葉にドアを開け中に入って来る転校生
教室に入って来た少女は背は平均的
髪は金色で肩迄かかるくらいのストレート
そして碧眼
一瞬にしてクラスの男子を虜にした
「じゃあ自己紹介を。」
先生の言葉に頷くと口を開く転校生
「初めまして。アリス=ティセリアです。よろしくお願いします。」
そう言うとお辞儀をするアリス
「それじゃ〜席は…月夜の隣に座って。」
先生に言われルナの隣に座るアリス
それを確認し、口を開くルナ
「私月夜瑠那。よろしくね。」
「よろしく。」
そう言うと握手を交わすルナとアリス
放課後
屋上
そこにはルナとリアの姿が合った
ルナから今日起きた事を聞くリア
全て聞き口を開くリア
「その転校生、少し調べてみる必要が有るわね。」
リアの言葉に疑問に思うルナ
「ルナは知らなくて良いわ。こっちの話だから。それよりも、行きましょう。」
「はい。」
そう言うと漆黒の十字架を目の前に差し出すルナ
「行くよ、デイベルスト。」
―OK。Rady、Set
Up―
デイベルストの声と共に黒のゴスロリ風ドレスに身を包み、杖を持つルナ
それと同時に屋上を飛び出すルナとリア
それを影から見守る少女の姿が有った
陽が落ち、夜の帳が落ちた町を上空から見下ろすルナとリア
「リア姉様、今日はどんな人を?」
ルナの疑問に答えるリア
「そうね。駅前のあそこらへん一角を固めてしまいなさい。大丈夫、デイベルストが教えてくれるわ。」
「はい。」
そう言うと杖を両手で持ち目を閉じるルナ
「(教えて、デイベルスト。私が望む魔法を。)」
ルナの言葉に反応するデイベルスト
それを感じ杖の先端を駅前の一角に向け構えるルナ
「結界展開!…確認。生けし者よ。我が呪法においてその身を変えよ。」
ルナの詠唱が終わると先端が輝くデイベルスト
「輝ける令呪(メティレイド)!」
そう言うと同時杖の先端から光が放たれる
光が着弾し、結界内を覆う
光が止むのを確認して結界を解く
すると結界内は人は勿論車や建物、植物迄もが輝ける銀色の光を放っていた
その中には銀色の光沢を放つ女性の象も有った
「…綺麗。」
ルナがそう言った瞬間
「見つけたわよ!ここ1ケ月この街のあちこちで女性を固めていった魔法少女!」
その声に気付き声のする方向を向くルナとリア
そこに居たのは…
「アリス、ちゃん?」
ルナがそう呟く
「その声、月夜さん?」
双方互いに呆然とする
続く
次回予告
夜の街で出会った魔法少女は転校生だった
私は一体どうすれば良いの?
次回第3話「彼女」