魔法少女まじかる☆ふらりん〜漆黒の十字架〜 LastAct「漆黒の十字架」

作:Rui


水月邸ロビー

そこで対峙するルイとアークレイヴ
「行くよ、アークレイヴ!」
そう言うと一気に間を詰めるルイ
その攻撃を避けるアークレイヴ
その直後魔法の矢を打ち合う二人

「す、すげぇ。」
「警備部の皆に見せてあげたい。」
傍らで驚きを隠せない幻とアインス
「ルイは元々魔力の高いイシュヴァール家の一族。
オーバードライブ状態になればその魔力量は半端じゃないわ。」
淡々と説明をする唯
「風濫・青葉。良く見ておきなさい。これが最上級クラスの、魔術師の、対決よ。」
そう言うと視線をルイ達に移す唯

剣を仕舞い、完全に魔法戦に移行した二人の戦い
「「5つの魔法の射手(エルフェリオ!)」」
二人同時に同じ魔法を放ち中間で相殺する
「「風よ!我が敵を切り裂く刃となれ!風刃(ウインドカッター)!!!」」
またも同時に同じ魔法を放ち相殺する
「(埒が明かないわね。)」
そう言うと距離を開け詠唱に入るアークレイヴ
それを見て突っ込むながら詠唱を始めるルイ
「封印術式Lの三十七番解放。無詠唱術式、発動。」
その瞬間
「食らえぇぇぇぇぇぇ!!!」
アークレイヴの眼前迄迫って来たルイ
「リフレ…。」
「遅い!トロン!!!」
イカヅチの剣をダイレクトに浴びるアークレイヴ
そのまま壁迄吹っ飛ぶ

「クリーンヒット。障壁の展開も不十分。確実にダメージは入っていますよね?」
「えぇ。いくら無詠唱術式を発動させても、展開迄のタイムラグを考えれば。」
風濫の言葉に答えながらも視線はそのままアークレイヴの方を見る唯

「…この程度なの?アークレイヴ。貴女の本気は?」
ルイの言葉の後姿を表すアークレイヴ
「この程度?まだまだよ。封印術式Cの六十八番。オーバードライブ。」
「…唯様。結界をお張り下さい。危険です。」
「ルイ。えぇ。」
そう言うと結界を張りその中に全員を入れる唯
「…久し振りね、この感じ。高度封印術式Sの零。」
そう言うとルイの魔力が一気に解放される
「…く、来るなぁ!」
そう言うと解放した魔力をルイに向けて放つアークレイヴ
それを軽々と受け止め、発散させるルイ
「なっ!」
その様子に驚くアークレイヴ
そんなアークレイヴに近づくルイ
「く、来るなぁ!」
叫ぶアークレイヴに優しく抱きつくルイ
「えっ?」
突然の事で呆ける疑問に思うアークレイヴ
「怖がらないで。元々私と貴女は一つの存在。
アリス様の事件の後、分かれてしまっただけ。戻りましょう、一つへ。」
そう言うと光に包まれるルイとアークレイヴ
「ルイ!」
たまらず叫ぶ唯
そして光が二人を包み込み、ほんの数秒後、光が止むとそこに立っていたのは…
「…ルイ、なの?」
恐る恐る口を開く唯
「…はい。」
笑顔で答えるルイ
「…彼女は?」
「元々一つの存在でしたから、私の中に戻りました。そして私自身も。」
そう言うと何処からか小刀を出し腕軽く斬るルイ
すると斬った場所からは赤い血が出てきた
「…そぅ、戻ったのね。」
「…はい。」
「…さてと、とりあえず部材調達して立て直さないとね。」
「…はい。」

後日

羽咲女子学生寮ロビー

「やっほぅ、元気?」
「フィーナさん。はい。」
ロビーに居た風濫・雪・青葉に声を掛けるフィーナ
「あれからどうなってます?」
「うん。大体復旧してきた。国のお偉いさんからも何も無いし。」
「…不思議ですね。あれだけの事があったのに、覚えているのは当事者だけ。」
「それが、普通なのよ。それが私達SKだから。」
そう言うと外を見るフィーナ
「…フィーナさん。」
そんな中で口を開く青葉
「何?青葉。」
「唯さんは、私達の処遇をどうするつもりなんですか?」
「…卒業したらって事?」
「はい。」
「…う〜ん、多分本人達の意思を尊重させるでしょうね。唯姉そう言う人だから。」
「そうですか。そう言って頂けると、幸いです。」

放課後

羽咲海浜公園

一人で海辺に佇む風濫
「…氷ついてたのが、嘘みたいね。ここも。」
そう言うと浜辺に降りる風濫
ふとそこに見慣れた人影があった
「…フィーリア、さん?」
風濫の言葉に振り返る人影
「…風濫、どうしたの?こんな所に?」
「…フィーリアさんこそ。どうして?」
「私があれぐらいで死ぬわけ無いでしょ?
まぁ、ここに居たのはここに居れば風濫に会えるかな〜って思ってね。」
「そうですか。と言う事は私に用事でも有るって事ですか?」
「…えぇ。アーリィ。」
フィーリアがそう言うと漆黒の甲冑に身を包んだ小さな女性が出て来る
「何でしょうか?マスター。」
「私との契約を解除。彼女が、貴女の新しいマスターよ。」
「「えっ?」」
同時に驚くアーリィと風濫
「フィーリアさん、それってどう言う意味ですか?」
「何も聞かないで。お願い。そして、アーリィを、頼んだわ。」
「…はい。おいで、アーリィ。」
そう言うと風濫に左肩にチョコンと座るアーリィ
「…風濫、私に見せて。貴女が、彼女を纏う姿を。」
「…はい。アーリィ!」
風濫がそう言うと光を発し風濫を纏う鎧となるアーリィ
「黒神装。その力の使い道を、間違えないでね、風濫。」
「…はい。」
「それじゃ。」
そう言うとそこから消えるフィーリア
風濫も黒神装を解く
「…フィーリアさん。もう一度、会えますよね?」
空を見上げつつその言葉を発する風濫
「…帰ろう。」
そう言うとそこから去っていく風濫

―――それじゃ

終わり

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