ガルヴォルスinデビルマンレディー 第3話「姉妹」

作:幻影


 街中をにぎわす人々の群れ。その街の片隅で、2人の少女が身を潜めていた。
 牧原彩夏(まきはらあやか)とその妹の美優(みゆ)。
 彩夏には人のものとは思えない、猫のものと思える耳が頭から生えていた。
 彼女はデビルビーストである。3ヶ月ほど前に突然この耳が生え、人間を上回る力が備わったのだった。
 2人の母親は5年前に病死。父親は1ヶ月前に離れ離れになっている。2人は素性を隠しながら仕事を繰り返し、寝床と賄いを与えられてきた。
 しかし彩夏の異様な姿を見るや、人々は彼女を恐れ、ときに暴力で撃退しようとさえした。
 そんな問題をも繰り返し、2人は街を転々としていた。
「美優、大丈夫?」
「うん、お姉ちゃん。私なら平気だよ。」
 彩夏の心配に美優は笑顔を作って答える。
 彩夏は人目を常に気にしていた。近くに虐待を迫る大人がやってきているのかもしれない。
 しかし、彼女がこうも気を張り詰めているのは、その虐待が辛いだけではなかった。
「あっ!こいつは!?」
 そのとき、2人を見つけた男の声が聞こえてきた。
「お前、その耳・・デビルビーストだぞ!」
「美優、こっち!」
 男の叫びに、彩夏は美優の腕をつかみ、ビルとビルの隙間の小道を駆け出す。外の光が見え、街の通りに出た。
 だが、そこには数人の男と2人の女性が待ち構えていた。彼らは木の棒やバットなどを持っていた。撃退の構えである。
「あっ!」
「お、お姉ちゃん・・・」
 彩夏は彼らの眼前で立ち止まりうめき、美優は困惑した面持ちで姉にすがり付いていた。
「こんなところにもいたのか、デビルビーストめ!」
「この醜い化け物が!」
「アンタたちがいると、私たちみんなが傷つくのよ!」
 人々はそれぞれ憤慨の言葉を投げかけ、武器を持って飛びかかってきた。
「美優!」
「わっ!」
 彩夏は美優を後方に突き飛ばした。しりもちをつきながら視線を戻すと、大人たちの虐待を受けている彩夏の姿が飛び込んできた。
「お姉ちゃん!」
 美優はたまらず叫んだ。
 人間でない姿をしているだけで、人間とは違ったものになっただけで、彩夏は人々の制裁を受けていた。
「やめて!お姉ちゃんは何もしてないよ!」
 涙ながらに必死に呼び止めようとする美優。しかし大人たちの戦慄は治まらない。
「今は何もしなくても、いつか何か仕出かすだろ!?早めに叩いておくのがいいんだよ!」
 人々のさらなる憤り。その暴力を受けて、彩夏はついに倒れた。
「お姉ちゃん!」
 乱れた心境で恐る恐る彩夏に近づく美優。しかしさらに姉への虐待を迫る大人たちに行く手を阻まれる。
「まだ息があるみたいだ!とどめを刺してやる!」
 1人の男が木の棒を大きく振り上げる。
「やめて・・・やめてよ・・・!」
 美優の体が震える。同時に彼女の顔に、異様な紋様が浮かび上がる。
「私のお姉ちゃんをいじめないでよ!!!」
 美優が絶叫を上げ、姿が人とは違うものへと変わる。その変動に大人たちが振り向く。
「な、何だ、コイツは・・・!?」
 驚愕を隠せない人々。美優の姿は、まるでオコジョを連想させるような獣に変わっていた。
「美優・・・ダメ・・・!」
 地面に伏せている彩夏が悲痛の声をもらす。しかしあまりに弱々しく、周囲にも伝わらない。
「コイツもデビルビーストか!かまわない!やってしまえ!」
 標的を美優に変え、いっせいに飛びかかる人々。その直後、美優は声にならない絶叫を上げた。
「美優、ダメ!!」
 彩夏は力を出して声を振り絞る。しかしもう遅かった。
 美優からまばゆい光が放射され、一気に街に広がった。
「う、うわ・・・!!!」
 その光に巻き込まれた人々の体が、一瞬にして白く固まる。一瞬の出来事に、上げた悲鳴が途中で途切れる。
 光はさらに広がり、周囲にいた人々や建物を次々にのみ込み凍てつかせていった。
 美優はガルヴォルスだった。獣の姿に変わった彼女は、標的を凍てつかせる能力を備えていた。
 しかし情緒不安定な彼女は、その感情の混乱から力を暴走させてしまう。問題の発生で彩夏が暴力を振るわれると、暴走して周囲を完全に白く冷たくしてしまうのだ。無関係な人まで巻き込んで。
「やめて、美優!落ち着いて!」
 傷ついた体に鞭を入れ、彩夏は美優に駆け寄る。そして妹の体を抱きしめる。
「美優、やめて・・・私は・・私は平気だから・・・」
 彩夏の囁きを耳にして、美優は我に返る。力が抜け、放出されていた光が次第に弱まる。
 やがて完全に光が治まると、美優は元の人間の姿に戻っていた。
「大丈夫・・お姉ちゃん・・・?」
「うん・・・大丈夫だから・・・」
 美優の心配に彩夏は涙ながらに頷く。そして周囲に視線を移す。
 周りは完全な白銀の世界となっていた。人々の活気でにぎわっていた街は、氷に包まれた死の世界と化していた。
 彩夏の恐れていたことがまたも起きてしまった。問題や虐待が降りかかる度、美優は姉を思うあまりに力を暴走させ、町々を凍てつかせてしまっていた。
「美優、こっち・・!」
 こみ上げてくる恐怖と震えを抑え、彩夏は美優を連れてこの場から駆け出した。

 それから数十分後。
 凍てついたこの街に、警察が足を踏み入れた。度重なるこの凍結事件に、さらなる調査と検証のメスが入ったのだ。
(またしても起きてしまった・・・これで5件目か。)
 白く凍った建物の一角に手を触れる1人の女性警部。
 秋夏子(あきなつこ)。警視庁所属の警部であり、デビルビースト対策本部を設立し、これを指揮している。
 この連続する凍結事件の調査に彼女も動き出していた。
(完全に凍り付いている・・ビーストでもこんな能力を持っているのはいない・・)
 建物から手を離し、周囲の警官や鑑識班たちを鋭い視線で見渡す夏子。
「まだ生存者がいるかもしれないわ!慎重かつ迅速に!」
 警官たちに指示を送る夏子。彼女はこの事件に、ただならぬものを予感していた。デビルビーストとは違う、別の脅威を。

 この日の通りは混雑があまり見られなかった。その道を走る1台のバイク。
 新しい仕事先であるモーター店の店長である先輩から譲り受けたバイクに乗って、たくみは街中を走っていた。
「こりゃいい乗り心地だぜ。スムーズに進めていい感じだ。けど、あんまりスピード出しちゃいけないな。」
 爽快感に笑みをこぼすたくみ。
 彼は和海より早く自動車免許を取得できたので、その間、二輪の教習を受けていたのだった。和海が免許を取って十数日後に、彼は二輪免許の取得に成功していたのだった。
 それからこの街に引っ越して数日後、たくみはその先輩が精魂込めて整備したこのバイクのテスト運転を兼ねて、このバイクを走らせていた。
 ところが、喜びに湧いていたたくみの前に、真っ白な銀世界が現れた。
「なっ!?」
 たくみは驚きを感じ、ブレーキをかけてバイクを停めた。バイクから降り、銀のメットを外してバイクの上に置く。
「何なんだ、コレは・・・!?」
 驚きを隠せないたくみ。その眼前の街は、建物や人々が完全に凍り付いていた。賑わいを見せていたはずの街が、活気を振舞っている動作のまま凍てつき止まっていた。
「凍ってる・・・街、全部が・・・」
 たくみはうめきながら、凍結している1台の車のドアに触れてみる。触れた氷がピリピリと音を立てる。
(もしかしてガルヴォルスか・・・それとも、デビルビースト・・・!?)
 息詰まる不快感を感じながら、たくみは視線を巡らせる。すると、眼前に現れた1人の女性の険しい表情が飛び込んできた。
「う、うわっ!」
 あまりにも突然のことに、たくみは驚き、そのまましりもちをつく。
 痛みに声をもらしながら視線を向けると、レディーススーツを身にまとい、メガネをかけ、黒い髪をひとつに束ねている女性が見下ろしてきた。
「こんなところで何をしているの?」
 女性は鋭い声音をたくみに向けてきた。
「あ、いや、走ってたら、いきなりこんなところに出ちまって・・」
 苦笑をもらすたくみが、立ち上がりジーンズをはたく。そんな中、女性の険しい表情は変わらない。
「ここは立ち入り禁止となるわ。早くここから立ち去りなさい。」
「ハハ、そうですね。けど、何かあったんですか?」
 たくみは頷きつつ、女性に問いかけた。女性は顔色を変えずに答える。
「街規模での凍結事件が起きたのよ。」
「凍結事件?」
「突然街が凍てつき、建物や人々が凍りつく事件が続発してるのよ。突然の大寒波という説も流れてるみたいだけど、これは何者かの仕業と見て間違いないわ。」
「何者か?」
「それ以上は教えられないわ。さぁ、早くここから離れなさい。」
「はい、分かりました。」
 たくみは苦笑しながら、停めてあったバイクに乗る。メットかぶりながら、彼はその女性に再び視線を向ける。
「ところで、アンタの名は?」
「アンタに教える必要はないわ。それに、人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るものよ。」
 たくみの唐突な問いかけを女性はあしらう。たくみは苦笑を強めながら、
「オレはたくみ。不動たくみだ。」
「・・・私は、警視庁警部、秋夏子よ。」
「そうか。頑張ってくださいよ、なっちゃん。」
「“なっちゃん”はやめて。」
 たくみの気さくな言動に、夏子は慄然とした態度で対応する。たくみは半ば諦めた様子で、エンジンをふかし、その場から走り去った。

「ただいま、先輩。」
 仕事先のモーター店に戻ってきたたくみ。そこではひげを生やした男が、バイクの手入れを行っていた。
「おう、たくみ!オレのバイクの調子はどうだった?おっと、今はお前のバイクだったな。」
 たくみに気さくな笑顔を見せる男、八嶋武士(やしまたけし)。たくみは武士に照れ笑いを見せる。
「ああ。コイツはすこぶるご機嫌だぜ。乗ってていい気分だった。」
「そうだろ、そうだろ?オレが愛情タップリ込めて整備したんだ。丁重に扱えよ。」
「気色ワリィこと言わないでくれよ。」
 互いに苦笑をもらす2人。
 たくみと武士は中学時代の後輩と先輩であり、たくみの厚い情を武士はえらく気に入っていた。
「ただいまぁ・・・つかれた〜・・」
 そこへ和海が、本当に疲れた様子で店にやってきた。彼女はジュンの付き人兼アシスタントとして、事務所で働くことを選んだのである。
 しかしそれは重労働で、店に帰ってきた彼女の表情に余裕は一切感じられなかった。
「おい、和海、大丈夫か?」
「大丈夫よ。ちょっと、張り切りすぎちゃっただけだから。」
「そう・・ちょっと、がんばりすぎただけ・・」
 たくみの心配に、和海と一緒に帰ってきていたジュンが微笑をもらし、和海もそれに頷く。
「おぅおぅ、そいつはご苦労さんだなぁ。しばらく休んでいきな。」
「どうもすみません〜・・」
 武士の言葉に甘え、和海が近くの椅子に腰かける。
「あの凍結事件の現場を見てきたよ。」
「え?」
 笑みを消して語りかけるたくみに、周囲が振り向く。
「もう1度調べてみるよ。先輩、またバイク走らせるよ。」
「あ、ああ。そのバイクを使ってくれるのは嬉しいが、何かあったらタダじゃおかねぇからな。」
「分かってるよ。先輩のゲンコツは、他のヤツとは一味違うからな。」
 ふくれっ面を見せる武士に苦笑を浮かべつつ、たくみはメットに手を伸ばす。
「私も行くわ、たくみ。」
 そこへ和海が椅子から立ち上がり、たくみに駆け寄る。
「けど和海、疲れてるんじゃ・・」
「ちょっと様子を見るくらいなら大丈夫だよ。」
 たくみの心配をよそに、和海は笑みを見せて、バイクに乗っている彼の後ろに乗る。
「それなら一緒に行くか。けど、あんまりムリするなよ。」
「分かってる。」
 和海は頷いて、たくみの腰に手を回してしっかりとつかまる。
「落とされるなよ。」
「はーい。」
 たくみはエンジンをふかし、和海を連れて再び出かけていった。

 デビルビースト対策本部会議室。
 町々の凍結事件の調査を進めていた夏子は、現場を記した地図を広げ、対応を検討していた。
「最初の現場が新橋、続いて品川、目黒、渋谷・・」
 中年の刑事が現場位置を巡る。
「そして今回は青山か。」
「この順路からいくと、今度は赤坂になりそうね。」
 そういって夏子は席を立ち、2人の刑事に視線を送る。
「赤坂及びその近辺に非常線を張って!怪しい人物を発見したらすぐに連絡をよこして!細大漏らさずにお願いね!」
「はいっ!」
 夏子の指示に刑事たちは返事をし、会議室を飛び出した。
(それにしても・・あの男、不動たくみ・・・ただ者じゃないようね。)
 夏子はふと、たくみのことを思い返していた。
 刑事としての勘なのかもしれない。彼からただならぬものを彼女は感じ取っていた。
(とにかく、油断はできないわね。)
 一抹の不安と覚悟を抱え、夏子も会議室を出た。

 バイクを走らせながら、たくみは和海から、凍結事件に関するさらなる詳細を聞いていた。それを参考に、彼は次に事件が起こると予想した場所に向かっていた。
「え?赤坂に?」
「ああ。あの凍結が順路よく起こっているとしたら、次は多分赤坂だ。そこへ行ったら、後は気配を感じ取っていくさ。」
 そう告げて、たくみはバイクのスピードを上げた。
 それから十数分後、2人は赤坂の街中にバイクを止めた。バイクから降り、2人はとりあえず周囲を見回してみる。
「ねぇ・・何かヘンじゃない・・?」
 不安を抱えながら和海が声をもらす。それにたくみも言葉を返す。
「ああ。いくらあの事件があるっていっても、警備が多すぎるぞ。」
 赤坂に広がっていく警察の包囲網。その異様な光景に、たくみと和海はただただ息をのむしかなかった。
 彼がバイクを止めた場所の反対車線で停車したパトカーから、夏子が降りてきていたことを彼らは知らなかった。

 警察の包囲網が広がっていることに、彩夏と美優は気付いていた。彼女たちは裏路地に身を潜めながら、刑事が立ち去るのを待っていた。
 彩夏のような人に見えない姿を目の当たりにすれば、警察は手洗い手段で拘束にかかるだろう。そのような強行で苦痛を強いられた、ビースト化した人も少なくない。
 しかし、彼女が恐れていたのはその暴力的な行為を受けることではなく、それに対する美優の暴走だった。
 情緒不安定な美優は、姉が傷つくことでガルヴォルスとしての力を暴走し、一瞬にして周囲を凍てつかせてしまう。何度もこのような大惨事を繰り返したくないというのが、彩夏の正直な気持ちだった。
「お姉ちゃん!」
 そのとき、美優の突然の声に彩夏は振り返った。その先に、私服に身を包んだ2人の男が立っていた。
「も、もしかして、警察の・・!?」
 彩夏のこの言葉に、男たちは笑みを見せて頷いた。
「大丈夫だ。我々は敵意のないビーストに対しては、危害を加えず保護するようにしている。一緒に行こう。我々が徹底した対策を練るから。」
 2人に導きの手を差し伸べる男の1人。しかし姉妹の不安と恐怖は拭えなかった。
「いや・・来ないで・・・」
「美優・・!?」
 美優の不安の声に、彩夏が気を張り詰める。
「来ないでよ・・・!」
「ダメよ、美優。ダメ・・・!」
「来ないでぇぇーーー!!!」
 彩夏の制止を聞かないまま、美優は悲鳴染みた絶叫を上げた。同時に彼女の姿がオコジョのような獣になり、そこから白い光が放射される。
「う、うわあ・・!!」
 光に包まれた男たちが、驚愕を表した表情のまま凍りついていく。美優の暴走はそれに留まらず、さらなる被害をもたらしていく。
「何事ですか!?・・」
 そこへ駆けつけた女性警察官。だが、緊迫した表情のまま、光に巻き込まれて一瞬にして凍りつく。
「美優・・・ダメ・・・」
 光の衝動に塞ぎこまれそうになりながらも、彩夏は美優を止めようと必死になっていた。

「危ないっ!」
 突然発せられた力を感じ取ったたくみが、叫びつつ和海をかばう。その直後に、まばゆい閃光が息もつかぬ速さで広がってきた。
 危機感を感じたたくみと和海。2人はそれぞれ悪魔の姿へと変身し、天使の翼を広げる。力を解放して、迫りくる閃光から周囲を守ろうとした。
 しかし、夏子を含むわずかな範囲を守るのが精一杯だった。他は閃光の効力にさいなまれ、建物や人々が次々と凍り付いていく。
 荒々しい光と衝動がやがて治まり、たくみと和海は力を解いた。
「くそっ・・突然だったから、全部を守れなかった・・!」
「それはたくみのせいじゃないよ・・それにしても、何て力なの・・・ちょっとでも気を抜いてたら、私たちも凍らされてたよ。」
 動揺の中、舌打ちをするたくみと弁解の言葉をかける和海。力を解放して閃光を抑えていた場所を除いて、街は全て白く凍てついてしまっていた。
 光を見て驚いた人、光に気付かなかった人など、いろいろな様子を呈していた街の人々は、光の効果で完全に凍結してしまっていた。
「氷河期再びって感じだな。参っちまうなぁ。」
 つまらない感心をつぶやきながら、たくみは周囲を見回した。近くに、光を放射した張本人がいるはずである。
 ガルヴォルスとデビルビースト。2つの種族のそれぞれの気配を探っていく。そして、凍てついたビルとビルの間の路地から、その気配を感じ取った。
「あそこか・・!」
「た、たくみ!?」
 たくみは急いでその裏路地に駆けつけ、和海も慌てて後を追う。
 そこには2人の少女がいた。1人は頭に猫のものと思える耳が生えていて、もう1人は震わせている体から白い光が発していた。街を凍てつかせた白い光だ。
「もしかして、この子が・・・!?」
 デビルビーストとガルヴォルスの少女たちに、たくみは困惑を見せていた。


次回予告
第4話「氷河」

次々と起こる街や人々の凍結。
その力を持つ少女、美優とその姉、彩夏と接触したたくみ。
ガルヴォルスへの調査を始める夏子。
たくみと和海は、この打ちひしがれた姉妹を救うことができるのだろうか?

「私たちは、心でつなげられると思うから。」

つづく


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