東方白兎襲「異変解決のプロ」

作:G5


だめだ、私と魔理沙じゃパワーも技の数もスピードもどれをとっても勝てやしない)
いくら考えてもいい案が思い浮かばない、そしてハッと気づく。
(そうだ……まだ電波は生きてる、だからあのバッジをなんとかすれば!)
ニヤリと不敵に笑うてゐを見て魔理沙は警戒する。
(てゐのヤツ、一体何を考え着いた?)
てゐはポケットから丸いものを取り出した。
来るか!? と魔理沙が身構えた瞬間、てゐはその球をおもいっきり、
地面に投げた。
ボフンッと煙が辺りを覆い尽くして視界が見えなくなる。
「てゐの野郎、これで逃げる気か!? させねぇぜ!!」
箒にまたがりてゐを追おうとした魔理沙。
しかし、その目論見は甘かった。
逃げたと思ったてゐがすでに自分の目の前にいるのだから。
「なに!?」
「気付くのが遅すぎるうさ!!」
スッと魔理沙の胸元からバッジをかすめ取ってまた距離を置く。
そしてまたあのリモコンのスイッチをいじる。
(一番近いのは……隠れ家のヤツか……)
そしてポチっとボタンが押され、波動がまた永遠亭の周りを襲う。
「きゃぁぁぁぁああああああああああああ」
魔理沙の悲鳴が一瞬聞こえると、すぐ静かになった。
煙が晴れるとそこには箒となった魔理沙がいた。
柄の部分が白と黒のリボンで飾られ、箒の部分が顔になっている。
「フフフ、これで本当に邪魔者は居なくなったうさ……アハハハハ」

「まったく……いい加減やられ役のようなフラグ立てるのは止めたら?」
「ハハハ……ヘ?」
後ろを振り返るとそこには紅白の脇出し巫女装束の少女の姿が。
そう、彼女こそ数々の異変を解決してきたプロ中のプロ!
博麗神社の『博麗 霊夢』その人である。
「どうして………どうしてあんたがここにいるうさ!?」
驚きを隠せないてゐ。
「どうしてって、いきなり今朝紫に呼び出されてスキマに入ってたのよ。そしたら幻想郷がこんなになってるじゃない?」
「だから異変の原因を探ってたらさっき魔理沙のスペカが見えたからここに来たわけ」
さも当たり前のように理由をぺちゃくちゃと話す霊夢。
「違う! 私が言ってるのは、この作者は主人公が主人公らしくてどうするがモットーで、霊夢は出さないって言ってたうさ!?」
「あー、いいの、それは。あたしがシナリオ無視して勝手に割り込んだんだから」
「!? 卑怯うさ!?」
「うるさい、黙れ」
霊夢のなんとも言えない迫力に押されてなにも言えなかった。
「さて、いろいろ出れなかった鬱憤をここで晴らさせてもらおうかしら?」
「そうはいかないうさ、お前もこれで――」
リモコンのボタンに指をかける。
シュンッとなにかが横をものすごい速さで通過していった。
すると手に持っていたはずのリモコンがない。
辺りを探すと地面に真っ二つになって落ちている。
そこにはお札が地面に突き刺さっていた。
てゐの顔から血の気が引く。
「で、私がどうなるって?」
もはや逃げることも叶わないだろう。
おとなしく、てゐは霊夢のサンドバッグとなることにした。
「いいこね……」
ニヤリッ
霊符「夢想妙珠」
ドーン!
霊符「夢想封印 集」
ドドーン!!
霊符「夢想封印 散」
ドドドーン!!
境界「二重弾幕結界」
ズドーン!!!
神技「八方龍殺陣」
ズガドーン!!!
霊符「夢想天生」
ドッカーン!!!!
霊符「―――
………

つづく


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