青い蛙 3

作:牧師


「何かあった時のために、あまりここから離れられないな」
二人の後姿を見送りながらレミは考えた。
「二人は民家と田畑か・・・。あれ?」
レミが注意して辺りを見渡すと、少し離れた所で何かが光った。
「ここからだと木が邪魔してよく見えないな。あそこまでなら
 直ぐに戻ってこれるか」
やや距離があるが、確認したら直ぐに引き返すつもりで、
レミはその光った方向へと足を向けた。

「何だ彫刻か。え?あ・・・あれは!!ルナ!!」
レミの目に飛び込んできたのは、若い女性のサファイヤの彫像と、
サファイヤの彫像と化したルナの姿だった。
レミはルナの元に走り寄る、近づくとジャリジャリと砂を踏みしめる音が辺りに響く。
「どうしてこんな事に?それに何故ルナは裸に・・・、ん?何だアレは?」
レミは透き通ったルナの体を見回すと、胎内にある大量の白い何かに気が付いた。
「白い泡?しかもあそこは・・・。酷い、一体何がこんな酷いまねを!!」
ルナの彫像の上で何かが這った。その何かにレミも気が付いた。
「何だこの蛙?しかもこんなに大量にルナに集まってるなんて・・・。
 まさかこの蛙が!!」
ルナの体や地面の上に無数の青い蛙が姿を現した。蛙はレミに視線を向け、
ゲコゲコとうるさく鳴き始めた。
レミは腰に差してあったバスタ−ソ−ドを引き抜くと、剣の平で地面の蛙を
次々に叩き潰した。
「この蛙め!!なっ!!」
叩き潰した時に付いた蛙の体液が、剣を砂に変えて行く。
それでも完全に剣が崩れ落ちるまで、レミは蛙を叩き潰し続けた。
「剣が砂になるなんて。ルナもこうして装備を奪われたんだな」
残った柄の部分で地面の蛙を叩き潰した時、レミの口に偶然にも
飛び散った蛙の小さな破片が飛び込んだ。
「ぺっ!!これだけ潰してれば仕方ないか。一体こいつら何匹いるんだ?」
口に入った破片を吐き出し、辺りを見渡すと、まだ無数の蛙がうごめいている。
「もう剣が無いからこいつも使わせてもらうよ!!」
レミは腰から鞘を外すと、今度は鞘で蛙を蹴散らし始めた。
「これもそうは持たないな。仕方が無い、ここは一旦引いて対策を練るか」
砂になって行く鞘を見て、そう感じたレミは、村の入り口の方向に走り出した。
「よし今だ!!んっ・・・はぁん」
入り口に向かって、三歩程走った所で、レミは腰から砕けるように地面に座り込んだ。
「はぁ・・・はぁ・・・。んっ、今の感じは・・・。なっ、こんなに濡れてる」
幾度と無くレミの口に飛び込んできた蛙の破片には、少量の粘液も含まれていた。
粘液を口の粘膜で吸収してしまい、僅かな量でも強力な催淫効果のある媚薬として、
徐々にレミの体を蝕んで居た。
走り出した時の衝撃で、陰核が衣服と擦れ、その快感で軽くイッてしまったらしい。
レミが熱い吐息を漏らしながら視線を落すと、膝まで愛液でぐっしょりと濡れていた。
「こ・・・腰に力が入らない。やめろ!!来るな!!きゃふっ」
蛙が座り込んだレミの体を次々によじ登る。
すでに全身が性感帯に為ってしまったらしく、蛙が張り付いたり、よじ登るたびに
レミの体を甘い刺激が駆け抜ける。
「ひゃう。んっ、あぁぁっ、はぁはぁ?」
無数の蛙は、レミの体を次々にサファイヤの彫像に変えていく。
「んっ、指が・・・。足も」
サファイヤに変えられた手足は当然、感覚が無く、そこからレミに快感を与える事も
無くなっていた。
「服が・・・、砂に・・・」
レミが身に着けていた鎧も、服も、下着さえ、蛙は容赦なく砂に変えて行く。
「いや・・・。体がサファイヤに・・・。あぁん、ひゃう。あぁ、胸に・・・」
身に着けている物全てを砂に変えられ、全裸にされたレミの胸に蛙が直接張り付くと
より強い快楽が襲い掛かってきた。
「胸が・・・。私の胸が透き通っていく。あうっ、あぁぁぁぁぁ、ふぁぁっ!!」
その時、蛙がとうとうレミの胎内に侵入を開始し、次々に膣内へと潜り込んでいく。
腹部から胎内を目指す蛙の体が、剥き出した陰核に触れる度にレミは絶頂へ達した。
「冷たい!!きゃふっ、んぁぁっ、あぁぁあっ。止めて、もう耐えられない!!
 おかしく、おかしくなっちゃう!!」
子宮にたどり着いた蛙が次々に卵を産み落とす。ルナの胎内に潜り込んだ蛙の数の
4倍にも達していた。
「やめて!!もう入らない!!お・・・お腹が苦しい!!ひゃううぅ!!あぁっ!!
 んんっく、はぁぁぁぁん!!」
産卵を終えた蛙が、胎内から出ようと動くたび、駆け抜ける快感で、
頭の中が真っ白く染め上げられていく。
胎内に進入した蛙が全て脱出する頃には、レミの意識は殆ど残ってはいなかった。
「んっ、はぁ・・・、はぁ・・・、やっ・・・と、終わった・・・、あぁぁぁぁっ」
首から下を完全にサファイヤに変えられると、その部分は感覚が無い為、
押し寄せて来ていた快感も収まったかに思えたが、蛙は残った頭部に吸い付き
レミの体を残らずサファイヤに変えていった。
「ルナすまない、私も・・・、もう・・・」
レミがそれだけ言った時、蛙はレミを完全にサファイヤの彫像へと変えてしまった。
民家の方角からは、何かが争うような音が響いていたが
レミがその音を聞き取る事は永遠に無かった。

つづく


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