作:牧師
「少し遅いな・・・」
ルナが村の偵察に向かってから、かなりの時間が経っていた。
「そうですね、リアンがお昼を食べ終わってるくらいですから」
アリシアは食事を終えて、かたずけを済ませたリアンを見て呟いた。
「アリシア。ルナの食事は包んで私達も村に進もう。無事ならいいんだけど」
用意しておいたルナの昼食を布で包み、かばんに入れてリアン達も村に向かっていった
「ここが調査依頼のあった村か。静かなものだな。それに昼時なのに炊煙の1つも上が
ってないのはおかしすぎる」
村の入り口に着いたレミがそう呟いた。村からは物音1つ聞こえず、目に入る煙突から
は煙一筋上がっていなかった。
「ルナの姿も・・・。近くには見当たりませんね」
アリシアはルナの姿を探したが、村の入り口近くには人影は見当たらない。
「仕方が無い。手分けをしてルナを探そう。何かあればここまで引き返してくれ」
レミ達はそれぞれ違う方向にルナを探しに行く事にした。村の様子から既に村が壊滅し
ている事はあっても、魔物に今、襲われているとは思えなかったからであるが・・・。
「私はあちらの田畑の方に行って見ますわ。野良仕事をしてる方にも会えるかもしれま
せんし」
それだけ言うと、リアンは畑に向かい歩き始めた。
「私はこの辺りを探してみる。アリシアは家を訪ねてみてくれ」
「わかりました。レミも気をつけてくださいね」
レミに手を振ると、アリシアは少し離れた民家の立ち並ぶ地区に、向かっていくことに
した。
「ごめんください。誰か居ませんか?」
民家に着いたアリシアは何件かの家を訪ねて見たが、どの家からも返事が返ってこなか
った。
「この家で留守は七件目ですね、いくらなんでもおかしいですわ。あら?」
アリシアが軽くノックしただけで、目の前の民家のドアがギギッと少しだけ軋んで動い
た。住人の返事は無いが鍵が掛かってはいなかったようだ。
「おじゃまします。誰か居ませんか?」
アリシアは家の中を人がいないか探してみた。すると奥の部屋に人の影が映っていた。
「勝手に上がって申し訳ありません。少しお聞きしたい事が・・・。あっ」
そこには人ではなく、人の形をしたサファイヤの彫像があった。影は窓から入った陽光
が壁に映し出したものだった。その彫像は全裸の女性の姿をしていた。足を開いた格好
で床に座わり、片手は豊かに膨らんだ胸にあてられ、顔は自らの繁みに向けらていた。
「これは人がサファイヤに変えられた物に間違いありませんわ。もしかして他の家も」
アリシアは家を飛び出すと隣の家に駆け込んでいった。そこにも同じようにサファイヤ
の彫像が立ち並んでいた。
「お母さんと娘さんみたいですね。かわいそうに、こんなに小さな子供まで・・・」
母親と見られる若い女性は壁に寄りかかり、右手の掌を見たような状態でサファイヤの
彫像と化し、小さな女の子は母親の腰にしがみ付く様な姿でその動きを止めていた。
「でも一体何が?バジリスクやコカトリスがこんな所にいるはずはありませんし、それ
に石像では無く、サファイヤに変える魔物の話なんて聞いた事がありませんわ」
アリシアは魔法学院に所属していたが、学院でそんな魔物の講義を受けた記憶が無かっ
た。
「この人達がサファイヤに変えられたのは間違い無いみたいですね。気になる所といえ
ば女の子は向う側が見えないほど青いのに、お母さんの彫像は何とか向うが透けて見
える位には薄い青色・・・それにどうして二人とも裸なんでしょう?さっきの女の人
も確か裸でしたわね」
母娘の彫像に手を触れ、少し調べて見た。
「とにかく、この村が何かに襲われた事は間違いないですわ。いけない、早くレミ達に
この事を伝えないと」
アリシアがレミの言葉を思い出し、街の入り口に向かうために家の玄関に走り出した時
天井から何かがアリシア目掛け落下してきた。
「きゃ。何?」
アリシアは体に落ちて来た何かを叩き落とす。床に転がったのは数匹の小さな三センチ
ほどの大きさの青い蛙だった。
「蛙ですか。青い・・・。まさかこの蛙が!?」
確信があった訳ではなかったが、アリシアは村の住民をサファイヤの彫像に変えたのが
この蛙では無いかと疑いをかけた。
蛙はアリシアに向かってしばらくゲコゲコと鳴いていたが。鳴くのを止めると一斉にア
リシア目掛けて飛び付いていく。天井からも蛙は無数に襲い掛かってくる。
「服が崩れていく。彼女達が裸だったのはこういう訳ですか!!」
服を砂に変えられながらもアリシアも戦闘態勢に入り呪文を詠唱する。
「吹荒れる炎、駆け抜ける風、我が身に纏いて・・・。いけない、このままだとあの母
娘も巻き込んでしまう」
アリシアが唱えようとした呪文は自分を中心に外に向かい爆風を巻き起こす物で、体中
についた蛙も吹き飛ばせるが、サファイヤの彫像と化した母娘を吹き飛ばしてしまう威
力も十分に持っていた。
「確かバジリスクやコカトリスに石にされた人たちは石にされても生きていた。この人
たちも生きてるかも知れない・・・。ああっ」
アリシアが母娘を巻き込む事を躊躇している間にも、蛙は迷う事無く服を砂に変えてい
き、殆ど裸になったアリシアに蛙たちは次々に舌を吸い付けて行く。
「吸い付かれた所がしびれて動かないなんて・・・。ああっ、足がサファイヤに変わっ
て・・・。手もお腹も・・・。ああそこは」
蛙はアリシアの足を透き通ったサファイヤにゆっくりと変えていく。他の蛙もアリシア
の細い指先や腕を徐々にサファイヤへと変貌させる。
足やお腹をサファイヤに変え終えた蛙が数匹、下腹部を目指してアリシアの体を這って
行く。
「いやぁっ。か・・・蛙が膣内に入り込んで来る」
奥に行くのに手間取った蛙は、背中から服を砂に変えたのと同じ粘液を出して、アリシ
アの膣壁に塗りつけていく。
「何をして・・・。くぅぅ・・・あ、熱い、そ・・・そんな、私、感じて・・・きちゃ
う。だ・・・だめ。今・・・、お腹の中で動かれたら・・・、ああぁぁぁん」
蛙の背中の粘液は他の生物が粘膜から吸収してしまうと、強力な催淫効果のある媚薬と
して働き始める。
蛙が滑りの良くなった膣内を再び移動始めると、アリシアの股からはサファイヤに変わ
った足を伝って、銀色の雫がとろとろと止め処もなく溢れていた。
「とうとう胸がサファイヤにな・・・。ひぅ、冷たい。いったい・・・私の、お・・・
お腹で・・・何を・・・してるの?」
一番奥まで到達した蛙たちは、次々にアリシアの子宮に白い泡に包まれた卵を産み付け
ていく。
先ほどの母娘の彫像の女の子の体が母親ほど透き通っていたら、母親の胎内にうごめい
ているおたまじゃくしの姿を、アリシアは確認できた事だろうし、自分の身に何が起き
ているか理解したに違いなかった。
「もうだめ・・・。目が霞んで・・・。でも・・・気持ちいい」
胎内の蛙が外に出るのと時を同じくして、アリシアの首筋や頭に吸い付いた蛙たちが腰
まである長い髪の一本も残す事無く、サファイヤに変え終わる。
アリシアもルナに続きサファイヤの彫像と化してしまったが、粘液の効果で身もとろけ
る様な快楽の中で時を止めることが出来た事が、アリシアにとって唯一の救いだったの
かもしれない。