白い2月14日

作:ヴリトラ


ピンポーン!
「宅配便でーす」
「は〜い」
 とある一軒の家の玄関からチャイムの音が鳴り響き、それに応え、一人の少女が玄関のドアを開けた。
彼女の名前は一条佐奈、18歳の高校生で、かわいい顔立ちやスタイルで学校ではそれなりに人気者で、現在一人暮らしをしている。
「お届け物は以上で」
「ありがとうございます」
 宅配便の男から注文した品物を受け取り、玄関を閉めると、佐奈は早速部屋に行き、箱の中を見た。
「これね・・・」
 中には液体の入った小さいガラス瓶があり、説明書のような紙も入っていた。佐奈は紙を広げ、文面を見た。
<これさえあれば、貴女は愛しの彼の物?自分をチョコにしてプレゼントしよう!>
と紙には書いてあった。
「しかし商品名が“チョコニナ〜ル”って、これまたひねりも何もない名前ね・・・」
 このような名前なのは、この世界を書く見えざる何者かの文章力が未熟で、しかもネタを用意していなかった結果である。
「まあいいか・・・でもこれがあれば護くんにあたしをあげられるのね?」
 そう言い、佐奈は説明書を読む。
<まず、服を全て脱いで、身体を洗ってください。多少の汚れで、味が落ちることがあります。布や衣類は 付着すると完全にチョコになってしまうので、お気を付けください>
「結構細かいのね。まあ、張り切りますか!」
 そして佐奈は風呂場に行き、服を脱ぎ、一糸まとわぬ姿になり、シャワーを浴びた。その際、身体中を秘所も含め、念入りに洗った。
「アソコを洗った時はちょっと感じちゃったけど・・でも、これぐらいやった方がいいよね?」
 そして佐奈は髪をツインテールに束ね、裸のままで、説明書の続きを読んだ。
<洗った後は溶かしたチョコレートに当製品を混ぜ、よく混ぜてください>
 それを読み終えると佐奈は買い占めておいた大量のホワイトチョコレートを溶かし、瓶の中の液体を入れ、よく混ぜた。
<混ぜた後は常温でも溶けたままなので、そのまま全身に余す所なく塗って下さい>
「どれどれ・・・ホントだ!熱くない!味は・・・うん!甘い!後は・・・」
 そして佐奈は容器に入ったホワイトチョコを身体に塗り始めた。 足の指先から、筋肉のついた細い腿も、綺麗なウエストから程よい大きさの胸、桃色の乳首や、かわいい顔等、白かった肌はホワイトチョコでさらに白くなっていく。ついにツインテールにした赤い髪まで白く染まり、佐奈の身体はチョコに包まれた。
(あとは固まるのを待つだけ・・・っ!あ、あれ?)
 真っ白になった佐奈の身体に突然、刺激が走った。胸の高鳴りも激しくなっていく。
「な、何?こ、この感覚?なんか、き、気持ちいい・・・ああっ!て、手が勝手にいぃぃぃぃ!と、止まらないぃぃぃ!止めたくないよおぉぉぉぉ!ま、護くぅぅぅぅぅん!」
 佐奈は指を秘所に入れ、グリグリと回し、自慰を始めた。
 
 快楽に溺れ、嬌声を上げながら、佐奈はチョコになっていく。そんな中、説明書が床に落ち、見えなかった文面が顕わになった。
<尚、当製品を製造する際、媚薬が入っておりますので、味見される際はご注意ください。そしてお客さまが製品になった後は宅配で相手の自宅に輸送しますので、ご安心ください。なお、チョコ化した際、肌、口の中(味見した場合)全てチョコになり、日光でも溶けませんが、唾液がつくと数時間で溶けます。また、使用者の安全のため、チョコは硬度を強くしておりますので食べられません。舐める等の方法で味わってください> 
「んあああっ!んんっ!ああああっ!あっ、あっ、あっ、あっ!あああっ!あああああああっ!」
 そして佐奈は絶頂と同時にホワイトチョコになった。

2月14日、バレンタインデー当日
                                                                 ピンポーン!
「宅配便でーす」
「あっ、はーい」
 とあるアパートの玄関の前、佐奈の時と同じ宅配便の男がチャイムを鳴らした。ちなみに仕込んでいる訳ではない。きっと偶然である。出てきたのは佐奈と同い年くらいの少年だった。彼が森下護で、佐奈の彼氏である。
「おつかれさまです」
 宅配便の男に一言言うと、護は等身大の箱を受け取り、部屋に運んだ。
「でっかいな・・どれ・・・」
 護が箱を開けると、そこには全裸でホワイトチョコになった佐奈がいた。恍惚の表情のまま求めるような感じで自慰をした姿勢だった。              
「佐奈?!あたしをあげるとは言っていたけどこういう意味だったとは・・・」
 そして説明書を一通り読み終えると護はホワイトチョコになった佐奈を抱きしめた。
「ありがとう、佐奈・・・存分に味わってあげるよ・・・」

 恋人達のバレンタインデーが今、始まる・・・


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