作:黄昏
人はいつか老いて死んでしまう。
自分に自身がある人、綺麗でいたい人は老いたくないと思っている場合が多い、だからこそがんばって化粧をするが、それも限界がある……
この綺麗な自分が保てないものか……そう思っていたら
『貴方自身を売りませんか?』
そんなタイトルのメールが私の元へとやってきた。
内容は
『自分の美貌や美しい体を永遠にしたいと思っていませんか? 私達に貴方を売ってくだされば、貴方に永遠の美を約束します。興味がないのならこのチラシを捨ててもかまいません、内容細かくを知りたいのでしたら、20日8時30分までにS県T市〇〇まで来てください、そこに定期バス乗り場があります。乗る際に運転手が「永遠の?」と言ったら貴方は「美」と言えば乗せてくれます。貴方も永遠の美はいかがですか? なお、くるのならチラシをもってきてください』
内容はどうみても胡散臭いと思った……だけど、これが本当なら永遠の美が手に入るかもしれない、そう思ったら私の中であることが決まった。
(明日行ってみよう)
と……
−−−翌日−−−
時刻は8時12分S県T市〇〇近くの駅で降りた。
周りにはデパートやらいろいろとあり、バス停も結構あるから探すのに苦労をしたが、なんとか見つけることができた。一つだけ他のバスとは違う感じのがあったから、私はそのバスへと向かい、乗ろうとした時
「永遠の?」
運転席のほうから、あのチラシに乗ってた合言葉が聞こえた。
「美」
私がそう言うと、運転手は「どうぞ」と言った。私はそう聞くと奥の席へと移動中に途中一人の黒の長髪の女性と目が合った、目があった女性は笑顔を見せ軽くお辞儀をしたから私も軽くお辞儀を返した。ちょっと気になったのは見た目と反して随分と変わった腕輪をしていたのが気になった。
30分になり、バスが動き始めた。10分ほど達先ほどの女性が話しかけてきた。
「貴方も、あのチラシを見たんですか?」
チラシ? 私はメールだったけど……
「ええ、私もチラシを見てです」
もしかして、あの内容のって人によって違うのだろうか
「あら、そうでしたのですか? あ、申し訳ありません、私の名前は「秋山 明美(あきやま あけみ)と申します」
黒くて綺麗な長い髪……なにより美人だわ
「私は「斉藤 真美(さいとう まみ)です」
「貴方も”永遠の美”に、ですか?
「ええ、ちょっと興味が」
「目的の所への到着はまだ時間がかかりますし、お話……よろしいでしょうか?」
秋山さんはどうやら一回来た事があるみたいね。じっと待つくらいなら話ていたほうが気が間際らせるかもしれないしね。
バスが動き出して40分くらいたった、秋山さんと話ていたがお店とか結構あったのに今じゃ山の中を移動している。随分と奥くるんだなと思った。
さらに10分たちバスは山の中にある研究所みたいな所についた。
「さあ、つきましたよ」
バスが止まり、運転手がそう言ったのを聞いて私は席を立った。秋山さんも同じように席を立ち移動した。
建物の中で案内役の白衣を着た研究員らしき人と一緒にいた女性と歩いていたら途中、別の研究員らしき人に「貴方はこちらです」と言われ別の通路へと移動していった。
秋山さんはふと止まり
「ありがとうございます。最後に貴方と会えて本当に良かったです」
まるでもう会えないみたいな事を言い残し分かれた
少し歩いた先の部屋と案内され扉を開けると、面接とかにありそうな感じに椅子と机が設置されており、そこには研究員らしき人物が女性がいた。
「たってるのもなんですから、どうぞお座りください」
そう言われ、私は席についた。
「ようこそ、貴方がここに来たという事は、あのチラシを読んだという事ね」
席についてさっそく女性の一人が話しかけてきた。
私はチラシの内容にあった”永遠の美”について聞いてみた
「あのチラシにあった”永遠の美”って、本当なの? 自分を売るっても……」
「一つづつ順をおって説明しましょう」
そう言ったのは眼鏡をかけた女性のほうだった。
「最初に自分を売るというのは、貴方を私達が行なっている事の素材になってもらうという事です」
素材? 人間を使った……素材って……
「二つ目に”永遠の美”についただが、これは実際見てもらったほうが早いな、今日は貴方のほかにもう一人きてたわよね」
あの女性の事かしら、途中まで一緒だったけど途中で別の人の案内で違うほうへ言ったけど……まさか
「こっちにきなさい」
そう言われて、後をついてった、さっきいた部屋でて通路の先にエレベーターがあり、それに乗り地下へと移動した。地下につきついた先にあった部屋の窓から別の部屋が見えた。そこの中央には穴みたいなのが開いており、何があるのかがわからなかった。そして、その中央には下ろすためのかリフトがあった。リフトの上にいたのは少し前に分かれた秋山さんが何故か裸のままでいる。
秋山さんと目が合い彼女は微笑んだ。微笑んだ後、後ろから研究員らしき人が秋山さんの後ろに立ち首に何かを刺したのがわかった。そして研究員らしき人は秋山さんの手足を動かしポーズを取らせた。両手は後ろへにやり両足は揃えさせた。そのあと研究品らしき人は去っていった。
「な、何が始まるの?」
私はそう言うと
「見てればわかるわ」
私はそう聞くと再び秋山さんのほうを見た。ある事に気づいた、秋山さんはさっき微笑んだ時の顔でポーズもそのときのままで、まるで時が止まってるかのようになっている。
「彼女に即効性の硬直剤を投与したのよ」
硬直……剤?
「ずっと同じ顔のままやポーズなんて普通無理でしょ、だからああやって硬直剤で動けなくしてるのよ……ほら、始まるわよ」
言った後にリフトの部分が動き出し下へとゆっくりと下がっていった。これから何が始まるのだろうか、検討がつかない
3分くらいたった事だろうか、どうやら今度は台座が上へ上がってくるのがなんとなくわかった。
そして上がり終わった後に出てきたのは
「!?」
そこにいたのは、確かに秋山さんだった……だけどリフトが降りる前に見た、微笑んだ顔と手を後ろへやって両足を閉じたままのポーズだけど全身金色に光っていた。
「あ、秋山さん!?」
なんで、秋山さんが金色に、いやあれだと黄金の像? もしかして永遠の美って……
「ふふ、そうよ、あれは秋山明美本人、彼女はね。孤児院出身で経営がピンチみたいでね、この話に乗って自分を売ったの、孤児院の経営も助かるし、彼女は永遠の美も手に入るし私達は素材も手に入る一石三鳥ね」
研究員の女の人が話している最中も私は黄金になった秋山さんを見ていた。
綺麗……そう思わずにはいられなかった。
「ちなみに彼女は死んだとは言えないわね。どっちかというと仮死状態に近いかもしれないわ確証はないけど」
死なずに仮死状態みたいなもの……
私は心が揺らいだ。そう思ったら部屋に戻るわよと言われ、私はエレベーターに乗り元の部屋へと戻り、説明を聞いた
「さて、さっき見せたけど、自分を売るというのをがよく分ったわね。この話を承諾するならお金を上げるわ自由に使ってもいい、ただし逃げないように監視などはするけどね」
つまり、素材になるというのを承諾するとお金をくれるが期限がきたら、ここに戻り私は黄金像になる……と
「チラシに書いてあっただろうけど拒否する事も出来るわ。その場合ちょっとここでの記憶は消させてもらうけどね。」
ここで拒否したら二度とこないかもしれない、どのせ人はいつか老いてしまう……老いてしまうくらいなら
「この話……乗るわ」
−−−−−−
−−−−−−
「承諾してくれて、ありがたいわ、お金だけどこのカードを使って払いなさい」
研究員の女性からクレジットカードを受け取った。
私はこの話を承諾した。一ヵ月後にここに戻ってくるよう約束した。
「一応逃げられないように、発信機がついている腕輪をつけさせてもらったわ」
今、私の左腕には秋山さんがつけていた腕輪と同じのがついている、これで私の居場所はつねにわかるらしい、そして私は今住んでいる所まで車で送ってもらった。
その日から、私は住んでいる所を引き払い家具などを売った。どうせ黄金像になるからあっても意味がないから、私は一ヶ月の間、自分をさらに美しくするために美容院などに通った。住む場所はホテルなどを借りて暮した。
そして一ヶ月がたち、私の元に研究員の女の人が向かえにやってきた。私はチェックアウトをして、その車に乗り研究所へと戻ってきた。
秋山さんと別れた通路を通り途中で
「じゃあ、ここで服を全部脱いでね。下着も」
そう言われ、私は着ている服をすべて脱いで渡した。研究員の女の人はポケットからライターを出して燃やし始めた。
「別にかまいわよね、黄金像になるんだから」
裸になった私はそこの部屋に入るように言われた。言われたとおりに部屋に入ると、プシューと煙が噴出してきた。
「安心なさい、清浄して綺麗にするだけだから」
清浄し終わり扉が開いたから私は先に進むんだ。進んだ先には一ヶ月前に見た台座の部屋だった。台座の所で立つよう言われ、私は台座の所へ行き立った。下を見ると金色の液体が見えた。
「怖くなったかしら? でもその怖さも数分で終るわ」
いつのまにか後ろに研究員の女の人がたっていた。
「怖くはない、と言ったら嘘になるけど、怖い以前に嬉しいほうが強いかな」
私がそう言うと
「そう、ならよかったわ、じゃあ好きなポーズをしなさい」
私は、秋山さんと同じで両手を後ろに回したが足は大股をあけた、顔は同じで微笑むようにした。
プスリ、微笑んだら首筋に何かが刺さったと思ったら体が動かないし、しゃべれない、どうやら硬直剤を打たれたらしい
「それじゃあね」
その言葉が私にかけられた最後の言葉だった。
足音が聞こえなくなったら、ガコンと音がした。どうやらリフトが下がってきたみたいだ。
足にどうやら液体が触れたらしい、それがどんどんと侵食してきた……
(冷たいけど……気持ちい)
どんどんと侵食していった、そしてすでに埋まってしまった場所にはもう感覚がなかった
(秋山さんもこんな感じだったのかな)
液体は顔のすぐ近くまでやってきて私は
(さようなら私……そしておめでとう新しい私)
そして私は完全に液体の中へと浸かった。そこで私の意識は完全になくなった。
−−−−−−
−−−−−−
リフトが上がり、そこにいたのは黄金像になった斉藤真美だった。
研究員の女の人は近づき、コンコンと叩いた。
「完全に黄金像になったみたいね。この像をいつもの場所へ保管しときなさい」
他の研究員が斉藤真美の黄金像を担いで別の部屋へと運んだ。
−−−翌日−−−
研究員の女が黄金像が置いてある部屋へやってきた。
中には今まで”永遠の美”を求めてやってきた女性達が黄金像で保管されている。
「ふふふ、綺麗よ皆……」
言いながら保管している黄金像を触り愛でる。
「お金は結構使うけど、私の趣味のためにはかかせなわね。さて次は誰が来るかしら」
そういうとその部屋を後にした。
次に来る新しい素材を待ち望んで