魔法少女ルカ 第八話「魅了される魔法少女」

作:シャドウ


「誰かが戦っている…!」

『急ぎましょう!』

変身したルカは、エメロードとタケミの戦っている音がキャッチできた。

ルカはシュリとの修行で、以前より超感覚が強化されたようだ。

だが、ルカの邪魔をしようと、目の前に蝙蝠の姿を模したモンステラが姿を現した。


「邪魔をしないで!」


魔法少女ルカ 第八話「魅了される魔法少女」


「てやぁっ!」

「くっ…やるな…!」


タケミの拳がエメロードに当たりそうになるが、スレスレで回避する。


「少しは本気にならなければ、いけないようだな…。」


エメロードはカエル型のモンステラを召還すると、
自分の目の周りにシャドウをつけ始めた。

ちなみにここで言うシャドウは、目元に塗る化粧品のことで作者のことではない。


「そんなカエルモドキで、この私は止められないっ!」


タケミは巨大な篭手でカエル型のモンステラを掴むと…


「潰れろっ!!」


グシャッ

そういう音でカエル型のモンステラは、圧縮されてしまった。

こいつ…良い所無かったなぁ…。(ぇ)


「…時間稼ぎには十分だったさ。」

「覚悟!」


タケミがエメロードに攻撃を仕掛けようとした……が、その動きが止まる。


「な…!?」

「切り札は最後まで取っておくものさ。
このシャドウを塗ると、俺の目を見た相手は魅了されてしまうのさ。」

「くっ…う…く…!」

「いくら抵抗しようと無駄さ。一度見てしまったら、俺が死ぬまで解除は不可能さ。」

「く…そ…!」


タケミは何とかエメロードへ攻撃をしようとするが、体が動いてくれない。

頭は倒そうと考えていても、体は完全に支配されている…。

ちなみに口だけはなぜか動かせる。いやに都合のいい話だ。


「…さて…俺の糧になってもらおうか。」


その言葉が引き金になったかのように、タケミの体がエメラルドへと変化していく…。


「あぐっ!」


タケミの体に、快楽という名の電流が駆け抜ける。


「気持ち良いだろう? 絶頂に達する1秒前で完全にエメラルドになるから、せいぜい楽しめ。」

「身体が熱くっ…んっ……!」

「もう愛液を流し始めたのか…。14歳のくせにエロいな。」

「くぅっ! あ、ああああ」


タケミは絶頂に達する1秒前に完全なエメラルドとなった。


「俺に会ったのが…運の尽きだったな。」


エメロードは、自分の隠れ家に出来たばかりのエメラルド像を…送ろうとしたその時だった。


ザシュッ!

そんな音がしたかと思うと、エメロードは信じられないという顔をした。

自身の体が、横に真っ二つになっていた…。


「ば、馬鹿な…! まさか…あの時の攻撃が…俺が魅了してもなお、続いていたとすれば…!」


エメロードは過信しすぎていたのだ。

タケミは快楽に耐えつつ、衝撃波を起こす呪文を唱えていたのだ。

…エメロードは固める際に、魅了した瞬間つまり、攻撃しようと腕を延ばした瞬間で固めてしまったため、
衝撃波はタケミの手から発射され、エメロードを真っ二つにする…。


「……見事だ。こんな成功確率0%に近いことをやってのけるとは…お前は俺より優れた…ギャンブラーだ…!」


エメロードが光の粒子となって消え去った瞬間、タケミの姿が元に戻る。


「あぁぁぁん!!!!」


が、戻った瞬間絶頂に達してしまう。

ショーツにシミを作ってしまうが、命には代えられない。


『マスター。魔法力を確認。こちらに近づいてきます。』


メルクリィの冷たい声がする。

どうでもいいが、こいつは今まで何をしていたんだ?


「またか…? だが、今のままでは戦えない…。」

『解析終了。…味方です。』


その言葉通り、やってきたのはルカだった。


「あなたも魔法少女なんですね。」

「そうだが…お前もか?」


そのとき、エメラルドのブレスレットとサファイアの指輪が光で結ばれる。

ルカとシュリが出会ったときのように…その光で妖精同士がお互いのことを伝えているのだ。


「そういうことか。理解した。よろしく、瑠花。」

「岳美さん…これからよろしくお願いしますね!」


…普通ならここで話が終わる…だが、今回はもう少し続く…。


ゴスロリの少女が部屋の中にあるものを見て回っている。

それは、透明なジェルに包み込まれ、固まっている少女たちだった。


「さぁ、魔法少女。お姉さまの敵は、この私が糧にしてあげますわ。」


ゴスロリの少女…ジェリーは、復讐者の目をしていた…。

続く


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