続・固め七不思議シリーズ:第1話「美術準備室の石像」

作:Rui


続・学園固め七不思議

第1話「美術準備室の石像」

とある女子高

新聞部部室

部室内には2人の女性生徒が居た

「だ〜か〜ら〜、美術部顧問の栗沢が怪しいのよ!」
「少しは落ち着こう、愛。」
愛と呼ばれた女性が机に手を付き、もう一人の女性に対し口を開く
「甘い!甘い!甘い!由紀は甘すぎるのよ!こんなチャンス二度と無いわ。これはスクープよ!」
愛の言葉に呆れる由紀
「解った。けど、気をつけてね。」
「OK。そんじゃ行って来るね〜。」
そう言うと部室を飛び出して行く愛
呆れながらも帰宅の徒につく由紀

翌日

授業が終わり部室に来ると、そこには誰も居なかった
「(愛が居ない。おかしいな、いつもならもう居るのに。)」
そう心の中で言うと時計を見上げる
時刻は3時半
ホームルームが終わってから20分程経っている
「…もしかして。」
ふと確信に似た物が着くと美術室へと向けて廊下を走る由紀

美術室

「すみませ〜ん、栗沢先生はいらっしゃいますか〜?」
そう言いながらドアを開け美術室に入る由紀
それと同時に男性の声が聞こえる
「おや、誰かと思えば新聞部の由紀君ではないか。何か用かね?」
「はい。昨日愛が来たと思うんですけど、知らないですか?」
栗沢に愛の事を尋ねる由紀
それに対し答える栗沢
「昨日はある程度したら帰っていったよ。また明日も来ると言い残してね。やれやれだよ。」
「…そう、ですか。では、今校内で流れている噂に関しては、どう思いますか?」
由紀の言葉に疑問に思う栗沢
「噂?あぁ、私が生徒を攫っていると言う奴か。」
栗沢の言葉に頷く由紀
「別に何とも思わんよ。…事が公の場に出なければ安心だからね。」
そう言うと同時に由紀に対しスプレーを吹きかける栗沢
「……栗……さ……わ……。」
途切れ途切れに栗沢先生と言いながら倒れ込む由紀
「悪い生徒はお仕置きだな。」
そう言うと由紀を担ぎ美術準備室へ消えていく栗沢

美術準備室

「う、う〜ん。…あれ、ここは?」
「目が、覚めたかな?」
ふと聞こえた声に反応する由紀
「栗沢先生!一体ここは何処なんですか!」
そう言って動こうとしたが、鎖か何かで拘束されてるのに気付く
「こんな事して、何が楽しいのですか!」
由紀の言葉に立ち上がり歩き始めると同時に口を開く栗沢
「由紀君。この世の中には他人には知られたくないかなり特殊な趣向を持つ人間が居るのだよ。
まぁ、かくいう私もその一人だ。その趣向が、これだがね。」
そう言うと由紀の顔を強引に横に向かせる
強引に向けられた由紀の視線の先には石像と化した、愛の姿が有った
「愛。…嘘、人間が石になってるなんて。」
「事実だよ由紀君。愛君だけじゃない。今迄行方不明になった生徒は皆ここに居る。」
栗沢の言葉に周囲を見渡すと、確かに行方不明になった生徒の姿が石像として有った
「さてと、いよいよ君の番だよ。」
そう言うと何処からか注射器を取り出す栗沢
「何、それ?」
栗沢の持つ注射器を見て疑問に思う由紀
「何を疑問に思う。大体察しはついているだろう?」
そう言うと由紀の右腕を掴む栗沢
「さぁ、時間だ。」
「嫌。嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
由紀の叫びが響く

「やはり女性の石像は美しい。これこそが私の趣向。と言っても既に石と化した君には伝わらないな。由紀君。」
そう言うと視線を移す栗沢
その視線の先には恐怖に引きつった由紀の石像と、向かい合うように愛の石像が鎮座していた
「さぁ、次の生贄は誰かな?」

終わり


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