Silver Fairy Another Story〜Two Blood&Saint Knight〜 第5節「避けられぬ戦い〜ワタル対いちご〜」

作:Rui


洞穴の空洞の中で対峙するワタルといちご
「我が主メディア様に逆らう者は全て倒す。」
そう言うと紅い剣を手に持ちワタルに向かい突っ込んでくるいちご
「くっ!」
そう言いながら光輝く剣を手に持ちいちごの剣を受け止める
しかし直ぐに間を取り、連続攻撃に入るいちご
防戦一方になるワタル
空洞の奥の穴でそれを見つめる唯とフィーナ
「唯姉、良いの?助けなくて。」
「…これは彼自身の問題よ。彼にしか解決出来ないわ。」
「…解決出来なかったら?」
「…その時は、私が…。」
そう言うとワタル達の方を見る唯
「どうしたの?防戦一方で?少しは攻撃してきなさい!」
「…。」
いちごの言葉に黙り込むワタル
なんとか距離を置くと剣を仕舞うワタル
「なっ!どう言うつもりなの?剣を収めるなんて。あなた、戦う気があるの?」
「…俺は、お前とは戦えない。」
「…なら、人思いに殺してあげる!」
そう言うとワタルに向かい突っ込んで来るいちご
「死ねぇぇぇ!!!」
そう言いながらワタルを突くいちご
その時、ワタルの身体にいちごの剣は刺さっていなかった
「全く。自分の命を捨てるのは、私だけで良いのに。」
そう言いながらいちごの剣を銃で受け止めてる唯
そしてそのままいちごの剣を弾く
「フィーナ!少しの間彼女の相手をしてて!」
唯がそう言った瞬間銃弾がいちごの足元を射抜く
それに気付きそこから離れるいちご
そしていちごの居た場所に着地するフィーナ
「当てちゃダメ?」
「駄目!」
「…難しいな〜。」
そう言いながらもいちごに向かうフィーナ
「…さて、保志ワタル。貴方は本気で彼女を、天宮いちごを助けたいと思ってるの?」
唯の言葉に頷くワタル
「…剣を出しなさい。」
その言葉に剣を出すワタル
「…強く想いなさい。彼女を助けたいと。限りなく強く。」
「…(俺は、いちごを、助けたい!)」
心の中でそう言うと突然白く光る剣
「…中々ね。それで彼女を斬るのよ。」
「それで、いちごは元に戻るのか?」
「えぇ。少し手助けするけどね。とりあえず私が合図したら、来なさい。
その時、彼女は止まってるから。」
そう言うといちごに向かって行く唯
「フィーナ!どきな!」
その言葉に退くフィーナ
そしてそのままいちごに切りかかる唯
カキーン
独特の金属音が空洞の中に響く
「貰った!」
そう言うと離していた左手に刃を作り唯に向かって攻撃するいちご
刃が唯に刺さった瞬間、唯の姿が消えた
「なっ!」
それに驚くいちご
「まだまだね。レクセ!(爆裂)」
そう言うといちごの背中で爆発が起き
ワタルの居る方向へ飛ばされるいちご
「行け!保志ワタル!」
「オォ―――――!!!」
そのままいちごに斬りかかるワタル
一瞬滞空した後、地面に向けて落下するいちご
「いちご!」
ワタルがそう口にした瞬間
唯がいちごをキャッチした
そしてそのまま地面に降り立つと
いちごを寝かせる唯
「…保志ワタル。貴方に問うわ。この先には真祖メディアしか居ない。
私から見れば足手まといになるわ。それでも、来る気はある?」
ふとワタルに対し口を開く唯
「…行く。」
「…フィーナ、彼女をお願いね。」
唯の言葉に頷くフィーナ
そして、奥の洞穴へ入って行く唯とワタル

その途中で不意に立ち止まり口を開く唯
「…1つ、聞いて良い?」
「…あぁ。」
「ワタルは、何故剣を振るうの?」
「…負のブラッドから、皆、いちごの友達を守る為だ。」
「…そう。何かを守る為に、剣を振るうのね。…私と同じね。」
「えっ?」
ふと不思議に思うワタル
「私は、力無き者を、魔から守る為に、剣を振るっているわ。」
そう言うと剣を抜く唯
そして剣を見つめながら呟く
「もうずっと昔から、この剣と共に、魔を討って来た。」
そう言うと剣を収める唯
「行きましょう、ワタル。」
そう言うと歩き始める唯

洞穴の入口

「ここまでくれば後は…。」
そう言って側にいちごを寝かせるフィーナ
その瞬間何かを感じ振り向く
するとそこには大量の死徒が居た
「なっ!くっ。」
そう言いながら銃を構えるフィーナ
「来い!」
フィーナがそう言うと一斉に襲い掛かる死徒
その直後多数の光の柱が死徒を飲み込む
その光景に呆然とするフィーナ
「羽純さんから連絡を受けたと思って来てみたら死徒が大群で居る。
全く、地上も住みにくくなってきてる。」
女性の声がふと聞こえる
「天使長エルティス登場。ここは私に任せてフィーナさんは彼女を。」
「あっ、うん。」
そう言うと銃を仕舞いいちごを抱えるフィーナ
「私が突破口を開ける!」
そう言うと突き出した掌に気が集中する
「レイスソルフィア!(我が剣と成れ!)アディシア!(光の剣の波動)」
そう言うと一気に死徒の真ん中を突っ切る光
その光が消えると同時に光があった場所を突っ切るフィーナ
「エイルネンスフィア(防護の球体)」
そう言うとフィーナの周りにシールドが張られる
「…さぁ、来なさい。」
そう言うエルティス

洞穴の中の一番奥の空洞

洞穴の中の一番大きい空洞までやってきた唯とワタル
「…やっぱり、ここに居たのね、真祖メディア。」
「…始めましょう、聖騎士クリス。」
「えぇ。」
そう言うと剣を抜く唯
メディアも構える
そして同時に駆け出す2人
「ハァァァァァ!!!」
そう言いながら斬りかかるとメディアに剣を受け止められる唯
「こんな物?」
そう言うと剣を握り唯を飛ばすメディア
「唯!」
思わず叫ぶワタル
「他愛も無い。次は貴方よ。」
そう言うとワタルの側に降り立つメディア
「貴方も吸血鬼であるなら人を滅ぼしましょう。」
ワタルを誘惑するメディア
「人は敵よ。いつの時代でも私達を迫害する。人間は全て敵よ。」
尚も誘惑するメディア
「…人は、敵。」
そう呟くワタル
「えぇそうよ。人間は全て敵よ。」
「…人間は、全て敵。」
「そうよ。あそこに居る彼女だって、人間よ。」
そう呟くとワタルから離れるメディア
「人間は、全て敵。」
そう言いながら剣を出し唯に向かうワタル
カキーン
独特の金属音が響く
「人間は、全て倒す!」
「…貴方と良いいちごと良い、簡単に操られるわね〜。…でもね。」
そう言うとワタルを弾く唯
「真祖メディア!私は、人では無い!」
そう言うと金髪になり、腰辺りまで伸びる
「なっ!なら、貴女はなんだって言うの!」
「…私は、聖神。」

続く

次回予告
人間では無い唯
その正体は神
その事実に驚愕するメディア
次回最終節「聖神対真祖〜終結への戦い〜」

つづく


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