作:Rui
在りし日の水月邸
そこに仁科がやって来る
「あら仁科さん。唯様に用事ですか?」
「あぁ、厄介なモン抱えちまってな。」
「解りました。只今呼んで来ますので、そちらでお掛けになってお待ち下さい。」
「あぁ、すまない。」
そう言うと側のソファーに腰掛ける仁科
「フェルミナ、仁科さんにお茶を。」
「OK。」
その返事を聞くと2階に消えて行くルイ
しばらくするとフェルミナがお茶を持って来た
「大変ですね。」
「あぁ。」
そう言うとそこから去って行くフェルミナ
更に待つとルイが唯を連れて来た
「仁科ちゃん。何?何かあったの?」
「だから来てるんだろうが。取り合えず、これを見てくれ。」
そう言うと捜査資料を取り出す仁科
「女性連続失踪事件?犯人は、Shadowと呼ばれる人物。
犯人解ってるのに何で捕まえられないの?」
「奴の出す黒い煙に睡眠性があってな。」
「ガスマスクは?」
「今無いんだよ。」
仁科の回答に呆れる唯
ふと仁科の携帯が鳴る
「スマン。ちょっと外す。」
そう言いながら携帯を取る仁科
しばらく会話してると驚く仁科の声が聞こえて来た
電話が終わり戻って来た仁科に質問する唯
「何だったの?今の電話?」
「羽咲中央高校2年の女性生徒にシャドウから予告状が来たそうだ。」
「…取り合えず行こうか?ルイ。」
「はい。」
羽咲中央高校
2年教室
「彼女がそうなの?」
「あぁ。」
唯の質問に答える遠野
「んで、これが予告状ね〜。」
“篠塚絵美さん、貴女の汚れ無き肉体、頂きます”Shadow
「…上等じゃない。ルイ。」
「はい。」
「屋敷からフェルミナとフィーナを呼んで来て。成るべく早くね。」
「はい、解りました。」
そう言うとそこから去って行くルイ
「さて、待ちましょうか?相手を。」
そう言うと教室を出て行く唯
羽咲中央高校近くの電柱の上
そこにはシャドウと、もう1人、漆黒の鎧に身を包んだ女性が居た
「本当に行くの?シャドウ。」
「勿論。予告状を出した以上は、行かないといけないだろ?」
「…そぅ、なら彼女は私が引きつけて置くわ。」
「了解。頼むぜ。」
そう言うとそこから飛び出す二人
「シャドウが出たぞ―――!!!」
校舎の外で響く声
「来たみたいね。彼。」
そう言うと鎧を纏う唯
「ルイは間に合わなかったみたいね。後でお仕置きしとくか。」
そう言うと剣を握る唯
「さぁ、何処から来る?シャドウ!」
そう言うと目を閉じ集中する唯
「…集中する必要は無いみたいね。」
そう言って目を開けるとそこにはシャドウと漆黒の鎧に身を包んだ女性が立っていた
「いつのまに!」
そう言って拳銃を構える仁科
「下がってて、仁科ちゃん。…貴女がシャドウね?」
「ビンゴ。」
「私は唯。水月唯。聖騎士よ。」
「…シャドウ、彼女の相手は私がするから、貴方は例の彼女を。」
「解った。」
その返事を聞くと同時に唯に突っ込む漆黒の鎧の女性
それを剣で受け止める唯
そのまま窓ガラスを割り外へ飛び出す二人
「…それじゃ、約束通り彼女をさらって行く。」
「はい、そこまで。」
その言葉と共に銃を向けるフィーナ
「さて、どうする?」
「…甘く見てたかもな。だが、彼女は奪って行く!」
そう言うと黒い霧を出すシャドウ
「なっ!…(睡眠ガス。…へぇ、中々面白いわね。)」
感心するフィーナ
屋上
「さて、ターゲットも奪った事だし、帰りますか。」
「何処に帰るのかしら?」
ふと聞こえる女性の声
「…女運が良いのかな?今日は?」
「気のせいよ。」
そう言うとシャドウに向かい突っ込む女性
それを避けるシャドウ
「待て!」
「今日の所はこれにて退散。またの機会に。」
そう言うとそこから消えるシャドウ
「…空間転移術。…逃したか。」
暗黒が無限に広がった暗闇の世界
ターゲットである篠塚絵美を連れてきたシャドウ
「…今日も良い女性が手に入った。」
そう言うと絵美を見つめる
すると足元から石化して行く絵美
ふと気が付き自分の足に違和感を感じ足元を見る絵美
「えっ?嘘。私の足が石に。嫌!助けて!お願い!」
「それは出来ないな。君は俺の欲を満たしてくれる為に居るんだから。」
そう言いながらも石化は進んで行く
制服は石化し粉々になり下着も同様に砕け裸を曝け出す状態になった絵美
「嫌。見ないで。見ないで―――!!!」
「無理無理。さぁ、君も快楽の中へ。」
そう言うと完全に石化する絵美
それを見ながらふと呟く
「水月唯。次の標的は彼女かな?」
そう、呟くシャドウ
羽咲署
廊下
「こってり搾られたね、仁科ちゃん。」
「そうだな。あんなに怒った署長見るの初めてだ。」
「…何か飲む?オゴルけど。」
「あ〜、コーヒーで。」
「OK。」
少年課
「やっほぅ、羽純。」
「唯姉。仁科さん共々怒られたみたいですね。」
「まぁね。結構怒られた。…結構手ごわい相手ね、あの彼。
それと一緒にいた漆黒の鎧に身を包んだ彼女。」
「とりあえずシャドウについて詳しく調べてみます。」
「お願い。終わったらルイの端末に送って。」
「了解です。」
その言葉を聞くと羽咲署から去って行く唯
羽咲海浜公園
1人煙草を吸いながら佇む唯
そんな唯の視界にふと1人の男性が視界に入る
その瞬間何かを投げてくる男性
それをキャッチする唯
その何かとはカードだった
カードを見るとこう書かれていた
“水月唯さん、貴女の汚れ無き身体、頂きます”Shadow
「…上等じゃない。お待ちするわ、シャドウ。」
羽咲中央公園中央広場
1人佇む唯
神装騎を纏い周囲の気配を探る
「…ルイにフェルミナ。それにフィーナとイリアか。全く。」
その瞬間、何かを感じる唯
「…来たみたいね。シャドウ!」
そう言うと姿を表すシャドウ
「少しギャラリーが多いみたいだが。」
「勝手に来ただけよ。」
そう言うと剣を抜かずに構える唯
「…抜かないのか?」
「素手には素手。」
「…そうかい。」
そう言うとシャドウも構える
「行くぜ。」
「えぇ。」
その言葉を合図に同時に飛び上がる2人
「どうやら、石化の能力だけじゃないみたいね。手に入れたのは!」
そう言うと詠唱を始める唯
それにあわせシャドウも詠唱を始める
「(へぇ、中々の魔術を行使するのね。)」
感心する唯
そして詠唱が終わる
「エルレインスフィア(24の光弾の射手)」
「ヴァインレスト(24の黒の射手)」
それぞれ同じ数の魔法の矢を撃ちそれぞれ相殺する
その直後詠唱を始めるシャドウ
「深き漆黒の闇の底から来たりて我が敵を討て!ダークロア!!!」
そう言うと10体前後の漆黒の精霊が具現する
「ダークロアね〜。中々やるわね、けど。…ラスティアンス(拡散する36の光の射手)」
そう言うと一瞬でダークロアを全て消し去る唯
「相手が悪かったわね。観念なさい、シャドウ。」
「…ダークプリズン!」
「アンティア(魔術拡散)」
シャドウの魔術に反応し、ダークプリズンを消し去る唯
「さて、次は何をするのかしら?」
その言葉の後黒い霧を出すシャドウ
「…睡眠性のガス。私に効く訳無いのに…。」
そう言いながら溜息を付く唯
「…左!」
そう言うと剣を抜くと同時に独特の金属音が響く
「残念。…ヌン!」
そう言うと剣を弾く唯
「逃がさないよ!」
そう言うと追撃する唯
「エターナルストライク!」
そう言いながらシャドウをつく唯
そのまま地面に叩き付けられるシャドウ
左肩に剣が刺さった状態で
「さて、どうする?」
シャドウにそう言う唯
「くっ!」
シャドウがそう言った瞬間
唯に見えるように立つ漆黒の鎧に身を包んだ女性
「…気質で解るけど、やっぱり貴女なのね、フィーリア。」
唯の言葉に答えるフィーリア
「えぇ。その通りよ。唯。」
「…何故協力してるのかしら?彼に。」
「…何か惹かれる物があった。そう言っておくわ。」
フィーリアの言葉に黙り込む唯
「…唯、彼を離して。まぁ無理だと解ってるから力付くで行かせて貰う!」
そう言うと剣を抜き唯に向かい突撃して来るフィーリア
「エクスプロード!」
そう言うとフィーリアの目の前で小規模の爆発が起きる
それに足を止めるフィーリア
その直後フィーリアの目の前には第七聖典を構えたイリアが居た
「なっ!」
「コード・スクウェア!」
驚く間の無く第七聖典を叩き込まれるフィーリア
そのまま空中へ上げるイリア
「水月流剣術!光速・十六連撃!」
そう言いながらフィーリアを斬るルイ
着地すると同時にフィーナが飛び出す
「魔を浄化せよ!シルバードストライク!!!」
そのままフィーリアを突き刺すフィーナ
槍を抜き着地するフィーナと
そのまま地面に倒れ込むフィーリア
それを見ながら口を開く唯
「さぁ、貴方1人だけよ。どうする?シャドウ。」
唯がそう言った瞬間2人の身体から消える
その光景に驚く一同
「…空間転移。侮ってましたね。」
冷静に口を開くルイ
「ルイ、何とかならない?」
「…少し待ってて下さい。時空の歪を探しますから。」
そう言うと辺りを見始めるルイ
暗黒が無限に広がった暗闇の世界
唯を連れ転移してきたシャドウ
「へぇ、これなら見つからない訳ね。」
「そうさ。さぁ、おとなしく石像になって貰おうか。」
「…お約束だけと言わせて貰うわ。…断る!」
「…ここから逃げられないのにか?」
シャドウの言葉に反応する唯
「…まぁ普通の人間わね。逃げようと思えば逃げれらるわよ、私は。」
「…どうせ嘘だろ?」
シャドウの言葉に若干同様する唯
「…(結構確信を付いて来るわね、彼。でも、逃げようと思えば逃げられるけど、
結構しんどいのよね〜。)」
そう心の中で言うと銃を取り出す唯
するとシャドウの方へ歩き始める
「シャドウ、私を石にするならしなさい。けど、それより早く私は貴方を討つ!」
「…面白い。」
そう言うと自分の射程に入る迄待つシャドウ
そして自分の射程に入ると石化の能力を発動させるシャドウ
シャドウの眼から閃光が放たれ、唯の眼に注がれる
次の瞬間、唯の身体は石化する事なくシャドウに向かって歩いて来ていた
「な、何故だ?何故石像にならない!」
「簡単な事。来ると解っているのなら、それなりの対処法は有るわ。」
そう言うと零距離で銃を向ける唯
「彼女達を解放して二度とやらないと言うのなら、貴方を打たない。」
「断ったら?」
「ためらいも無く打つわ。」
しばらく沈黙が場を支配する
「や〜めた。」
そう言いながら振り返り銃を仕舞う唯
「なっ?」
あまりに突然の事で呆然とするシャドウ
「何故、何故打たない!」
「…貴方自身では完全に闇に堕ちたと思ってるけど、目を見て解った。
まだやり直せる。光に戻れるわ。」
唯の言葉に呆然とするシャドウ
次の瞬間、暗闇の世界が崩壊する
それと同時に石化されてた女性達の石化が解け、その場から消える
「ご無事ですか?唯様。」
「大丈夫よ、ルイ。フィーナ、銀十字を貸してくれる?」
「はい。」
返事をすると銀十字を唯に渡すフィーナ
銀十字を受け取ると神装を解除する唯
「さてと、フィーナ、メデュー出してくれる?」
「あっ、はい。」
そう言うとしばらく時間を置くとメデューが出て来る
「何か用かしら?聖騎士。」
「そう言わないで。それより、彼に憑いてるゴルゴンシャドウって知ってる?」
「…ゴルゴン!」
メデューがそう言うと出て来るゴルゴン
「全くお前は私の言う事聞かないで、それに人間に力を与えてるし…。クリス!」
メデューの言葉にゴルゴンを掴むとシャドウから離す唯
「メデュー、これどうすんの?」
「斬って良いわよ。」
「了解。」
「やめろ、やめてくれ―――!!!」
叫ぶユウキ
その瞬間
ユウキの首筋に手刀を入れ、気絶させるフェルミナ
「…サンキュ。さてと、消させて貰うよ、ゴルゴン。」
そう言いながら銀装を纏いシルヴェイトを構える唯
「闇よ散れ!シルバードストライク!!!」
そう言うと銀の閃光がゴルゴンを貫く
それと同時に消失するゴルゴン
それを確認すると銀装を解く唯
「…うちの使い魔が迷惑かけたみたいね。」
「別に。事件解決出来たからOKだし。」
そう言うとメデューに銀十字を渡す唯
「さ〜てと、帰りますか。」
そう言うと頷く一同
後日
都内渋谷
「今、大丈夫?」
ふと渋谷を歩く男性に声を掛ける唯
「えっ?一応大丈夫ですけど、何か?」
「奢るからさ、喫茶店行かない?」
「あ、はい。」
流されるがままに喫茶店に入る唯と男性
「君、名前は?」
「ユウキ。影山ユウキです。お姉さんは?」
「私?私は唯。水月唯よ。」
しばし雑談を交わす唯とユウキ
「それより、何で俺に声を掛けたんですか?」
「う〜ん、何かを感じたからかな?」
「えっ?」
「あまり気にしないで。」
そう言うと席を立ち上がり会計を済ませる唯
渋谷駅ハチ公口改札前
「突然なのにありがとうね、付き合って貰って。」
「いえ、こちらこそ。奢って貰ってありがとうございます。」
「そっ。それじゃ、バイバイ。」
「はい。それでは。」
そう言うとホームに消えて行くユウキ
「…変わってるわね、彼。前の記憶も無いし。」
そう言うと空を見上げる
「…さ〜て、帰るか。」
終わり
後書き
作「は〜い、SFASFor
Shadow如何でしたでしょうか?」
唯「相変わらずトゥルーエンド寄りなのね?」
作「俺にバッドエンドを書けと?」
唯「たまには良いんじゃないの?」
作「まぁ機会があれば書いてみる。」
唯「どうせ嘘だと思うけど。」
作「…。」
ル「撃沈してる。」
唯「それじゃ、バイバイ♪」
つづく