Magic Girl Luna 〜The Lunatic Strikers〜 Case7「The Lunatic Strikers」

作:Rui


Magic Girl Luna

〜The Lunatic Strikers〜

Case7「The Lunatic Strikers」

エルミナド教会

満身創痍のルナに祥子から無数の漆黒の槍が放たれる
しかしその槍は魔術の射手によって防がれる
驚愕する祥子の目の前に次々と姿を表すSK
雷帝フィーナ
銀装妖精睦月青葉
漆黒の薔薇騎士シルヴィーこと間宮風濫
聖神を継ぎし者水代楓
今ここに、一つの戦いの決着が付く

交互に祥子に対し接近戦を仕掛けるシルヴィーと青葉
それを後から支援するフィーナと楓
計4人の攻撃を軽々と交わすと、そのまま気合だけで4人を吹き飛ばす祥子
「他愛も無いわね。…紅黒の夜。マスターが倒されたのなら、復讐するのが道理でしょう?」
祥子の言葉に気付き風濫達を見据える紅黒の夜
その後ろでは祥子が詠唱を行っている
詠唱が終ると同時に祥子の隣に女性が現れる
「彼女の名は蒼天の月。紅黒の夜、蒼天の月。目の前の彼女達を倒しなさい。」
「「仰せの通りに。」」
祥子の言葉に答えると風濫達を見据える紅黒の夜と蒼天の月
それを見て口を開く風濫
「フィーナさん。1対1で行けますか?」
風濫の言葉を聞き若干呆けると微笑むフィーナ
「フィーナさん?」
その微笑みに疑問に思う風濫
「何でも無い。ただ、風濫も言うようになったな〜って。大丈夫、任せて。」
「すみません。青葉と楓はルナの魔力を充填させて。良い?」
風濫の言葉に頷く青葉と楓
「ではフィーナさんは蒼い方を。私は紅い方の相手をします。」
「OK。行くよ!」
フィーナの言葉と同時に駆け出す風濫
それを見て口を開く祥子
「隙だらけね。これなら早く終わりそうね。」
「それなら私が相手を致します。」
ふと聞こえる女性の声
声の聞こえた方向を見る祥子・青葉・楓
そこに居たのは…
「ルイさん。」
「青葉、貴女はルナの回復に集中して。私は、彼女の相手をするから。」
そう言うルイの手には神剣E―フェルディアが握られていた
「行くわよ、紫月祥子!」
そう言うと同時に無数の魔術の射手を放つルイ
それを見て口を開く青葉
「楓、今の内に。」
青葉の言葉に頷く楓
頷くと青葉と共にルナに魔力供給を始める楓

距離を開けようとする祥子と、距離を詰めるルイ
傍から見ればルイが優勢のように見えるが、何かを企んでいる表情をしている祥子
「逃げながら六形の魔方陣を描いて何をしようとしているのですか?」
ルイの言葉を聞き口を開く祥子
「流石黎明の魔術師。気付いているようね。」
「当たり前です。私を舐めないで欲しいです。」
ルイの言葉にクスッっと微笑むと再度口を開く祥子
「けどね、この魔方陣は単なる発動の為の囮。本体は羽咲・咲乃宮・海山を覆っているのよ。」
祥子の言葉に驚くルイ
「東西に延びる咲乃宮。その北に位置する羽咲と海山。
この中心部に封印されている物が有る。私の目的はそれを復活させる事。」
祥子の言葉に足を止め口を開くルイ
「全てを、無に帰す者。」
「正解。私はそれを復活させ、この世界全てを無に帰す。無論、私自身もね。」
そう言うと同時に周囲に煙を立てる祥子
「煙幕!」
「さぁ、追ってきなさい。」
「くっ!風よ!」
ルイがそう言うと風が煙を散らす
煙が晴れるとそこには既に紫月祥子の姿は無かった
「くっ、逃げられた。」
「ルイさん!」
ふとルナが呼んでいるのに気付く
「ルナ、もう良いの?」
「はい、一応は。それよりも海山から連絡で、羽咲・咲乃宮・海山の交わる地点で
膨大な魔力を感知しているそうです。」
ルナの言葉を聞き確信に変わる
「きっとそこよ。今直ぐに行かないと。」
「海山から一人足止めに行っていますが…。」
そこ迄言うと黙り込むルナ
「なら直ぐに行くわよ。」
ふとシルヴィーが口を挟む
「シル姉。」
「風濫。もう終わったの?」
ルイの問に頷く風濫
「フィーナさんも既に片付けてます。それよりも一刻も早く行かないといけないですね。」
「メンバーはどうするの?」
「私とルナ。それに楓の3人で行きます。」
風濫からメンバーを聞き口を開くルイ
「なら後はもしもの時に備えて待機していれば良いのね?」
「えぇ、ルイさん。お願いします。」
「解ったわ。」
ルイの返事を聞くとルナと楓を見る風濫
「2人とも、良い?」
風濫の言葉に頷くルナと楓

中心点

羽咲・咲乃宮・海山の中心点に到着する祥子
そこには一人の男性が居た
「貴方、何者?」
「海山市警特殊機動課の神威剣だ。しばらくお相手して貰う。行くぞ、ヴァイサーガ。」
剣がそう言うと共に手に持った剣、ヴァイサーガから薬莢が排出される
―Sonic Blade―
ヴァイサーガが電子音声を発するのを確認し、思いっきりヴァイサーガを振るう剣
それと同時にヴァイサーガからカマイタチが発生し祥子を襲う
それを見ながら目の前に右手を差し出す
「我が声が聞こえるのならば、我が前に姿を現せ。我が剣、ヴェルクレイド。」
祥子の言葉に祥子の目の前に現れカマイタチを弾く一本の剣
「何だ、あの剣は?」
疑問に思う剣
その剣を手にすると静かに口を開く祥子
「駆けよ、ヴェルクレイド。」
そう言うと剣を振るう祥子
それと同時に何かに吹き飛ばされる剣
「無駄よ。貴方程度では私は止められない。」
そう言うと微かに光を放つ地点に降り立つ祥子
「ここね。」
そう言うとヴェルクレイドの剣先を下に向けて構える祥子
「させるかぁ!」
そこに飛び込んで来る剣
「しつこいわね。」
そう言うと左手を差し出す祥子
それと同時に無数の魔術砲弾が剣を襲う
「魔術障壁展開!」
女性の声と共に剣の前に障壁が展開し、魔術砲弾を防ぐ
それを確認すると頭を守るように剣を動かす祥子
それと同時に独特の金属音が響く
「漆黒の薔薇。それと他に2人。」
祥子の言葉に剣の側迄移動する風濫
「剣、大丈夫?無茶して。」
「何とかな。だが俺以外にここに来れる奴が居なかったからな。」
剣の言葉を聞くと微笑む風濫
それと同時にルナと楓が降り立つ
「お揃いのようね。けど、もう遅いわ。後は、復活させるだけ。」
「そんな事は、させない。」
祥子の言葉に口を開くルナ
ルナの言葉にクスッっと笑うと口を開く祥子
「後は起動させるだけ。そしてその起動キーは、私。」
そう言うと同時に自らの剣で自らを刺す祥子
その光景に驚く一同
祥子の足元に無数の血が垂れる
「私の目的は、成就した。見るが良いわ。深き闇を。」
そこ迄言うと足元に現れた魔方陣に吸い込まれる祥子
それを見て口を開く風濫
「ルナ・楓、防御結界を!早く!」
そう言うと自身も剣をかばうように防御結界を展開する
それにつられるようにルナ・楓も防御結界を展開する
そのまま魔方陣を見据えていた風濫が口を開く
「…来る。」
風濫がそう言うと同時に魔方陣から女性が姿を現す
「なんだよ、あれは。」
驚愕の声をあげる剣
「私だって分からない。けど、あのような存在がこんな所に封印されていたなんて。」
そう言いながら冷や汗を垂らす風濫
魔方陣から完全に姿を現すと口を開く女性
「…我が名は、闇。深き漆黒の闇。」
深き漆黒の闇
そう名乗っただけで辺りの空気が震える
「我は終焉をもたらす者。」
そう言うと同時に魔力を開放する漆黒の闇
それと同時に周囲が銀に染まる
「剣。ここから動かないで。ルナ!楓!行くわよ!」
そう言うと駆け出す風濫
それを見てルナと楓も動く
「愚かな。」
そう言うと魔力を発散する漆黒の闇
それだけで吹き飛ばされる風濫達
「間宮!」
「大丈夫。けど、強い!」
剣の声に答えると漆黒の闇を見据える風濫
「シル姉。…彼女、泣いてる。」
ルナの言葉に疑問に思う風濫・楓・剣
「ルナ、何を言ってるの?彼女は…。」
「表面じゃない。深い、深い所で泣いてるの。」
ルナの言葉に混乱する楓と剣
その中で一人冷静を保つ風濫
「それに、水冬が言うの。彼女に、平安を与えて、って。」
ルナの言葉を聞き口を開く風濫
「剣、ここから先はSKの管轄になるわ。」
「…解ってる。事が全て終わる迄ここから動かないさ。」
「…ありがとう。」
そう言うと一息置き、再度口を開く風濫
「ルナ。楓。全力で行くよ。特にルナは最後の締めだからね。楓、辛いと思うけど…。」
―Saint Form Set On―
風濫が言い終わると同時にエルスハートがセイントフォームの起動を告げる
「辛い?そんな事言ってたらSKは務まりませんよ。間宮先生。…行くよ、エルスハート!」
―Load Lighting―
電子音声が告げるとエルスハート・セイントフォームを構える楓
「後の事は考えないで。この一撃に全てを込めて。」
「間宮先生。…解りました。エルスハート、フルドライヴ!」
―Full Load―
「ゼロドライヴ起動!」
―Zero Drive Start Saint Breaker―
「行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
楓の叫びと同時に先端から魔力が漆黒の闇目掛けて射出される
それを防御する漆黒の闇
「まだまだ!ドライヴアクセル!ライトニングブレイク!
セイント、ブレイカァァァ―――!!!」
楓の叫びに威力が上がる
それを横目にナイトオブムーンアサルトフォームを起動させ、魔力を充填するルナ
「間宮先生!」
楓が叫ぶと同時に魔力が途切れ、それと同時に飛び込む風濫
そのまま漆黒の闇に切りかかるが魔力障壁に防がれる
「良いわね。けど、まだまだ。」
「それはこっちの台詞。レヴィキス、マジックブリッドフルロード!」
風濫が言うと同時に残っている薬莢を全て排出するレヴィキス
「割れろぉぉぉ!!!」
風濫が叫ぶと同時に漆黒の闇の魔術障壁が砕け散る
「貴様!」
静かに怒ると風濫を弾き飛ばす漆黒の闇
―Lunatic Breaker―
それと同時に響き渡る電子音声
「貫けぇぇぇぇぇ!!!」
叫びながら漆黒の闇に突撃するルナ
それを再度展開した魔術障壁で防ぐ漆黒の闇
「無駄な事。何故このような事をするのか私には理解不能。」
「貴女はこの世界に破滅をもたらす者!それを倒すのが私達の役目!」
「破滅をもたらす?私がするのは全てを闇に帰す事。」
「それが破滅をもたらすと言うのよ!ナイトオブムーン・アサルト!!!」
―Magic Reload―
「魔力フル充填!」
―Full Load―
「無駄な事を。」
ルナと電子音声のやり取りを聞き呆れる漆黒の闇
「無駄かどうかは、やってみなければ解らない!」
―Strike Breaker―
電子音声と共に魔術障壁にヒビが入る
「なっ!」
その光景に驚く漆黒の闇
「ストライク!」
ルナの言葉に広がるヒビ
「ブレイカァァァ―――!!!」
叫びと同時に魔術障壁が割れ、ナイトオブムーン・アサルトの先端が突き刺さる
「なっ!良くも、良くも私の身体に!」
「ナイトオブムーン・アサルト!」
―Break Striker―
電子音声の直後、白き光が漆黒の闇を貫く
そのまま地面に降り立つ漆黒の闇
「フフッ、まさかこの私が倒されるなんてね。」
そう言う漆黒の闇の身体は足元から黒曜石へと変化していた
シューティングフォームへと変化したナイトオブムーンを持ちながら近づくルナ
「深き漆黒の闇。」
「…最後に、貴女の名を聞かせて頂戴。私を、打ち破った者の。」
漆黒の闇の言葉に口を開くルナ
「ルナ。月天の守護者、月夜瑠那よ。」
「月夜瑠那か。…その名しかと刻み込んだわ。…ありがとう。」
そう言うと全身が黒曜石へと変わる漆黒の闇
それと同時に銀化していた周囲が元に戻る
それを確認すると地面に座り込むルナ
「月夜。」
剣が声を掛けてくる
「大丈夫。ちょっと、疲れちゃっただけ。」
「日に二回もあんなの使えば疲れるわよ。むしろ眠りに落ちないのが不思議よ。」
後ろから風濫が突っ込む
「そう言えば。疲れは有るけど、眠気までは。…もしかして、水冬のお陰かな?」
「そうかもね。それじゃ、戻りましょうか?」
風濫の言葉に頷く一同

海山市警特殊機動課

「神里課長。間宮・月夜・水代・神威、只今戻りました。」
「間宮。御苦労だったな。全て終わったのか?」
神里の言葉に頷く風濫
「そうか。それと、白月に関しては羽咲の水月さんから聞いた。」
「神里課長。水冬は、生きています。この、ナイトオブムーンの中で。」
そう言うとアサルトフォームを起動させるルナ
「そうか。愁も復活したからこれで元通りだ。各員健闘を祈る!」
神里の言葉に敬礼をする一同

海山市警前

そこには風濫・楓・ルナに剣の姿が有った
「すまなかったな、間宮。随分と頼っちまって。」
「気にしないの。デバイスと剣技に関して教えて欲しい事が有ったら呼んでね。」
「分かった。」
剣の返答を聞くとルナの方を見る風濫
「シル姉。」
「ルナ、自分に自信を持ちなさい。いずれ貴女も指揮を取るようになるわ。
その時に恥じないように努力しなさい。そして、鍛練も忘れずにね。」
「解りました、シル姉。」
「言い子だ。それじゃ、神里課長と署長によろしく言っといてね。」
そう言うと迎えに来ていた仁科の車に乗り込み、海山市警から去っていく風濫と楓
「…行ったな。」
「直ぐ、会えますよ。だって、こんなに近いんですから。」
「…。それもそうだな。」
そう言うと署内へと戻っていくルナと剣

これより10年後、水月唯消滅と共に米軍の介入により、
羽咲を含めた4市が壊滅する
だが、彼女達は諦めていなかった

それはまた、別の話

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