魔法少女まじかる☆ふらりん最終話「日常〜時の流れとそれからの2人〜」

作:Rui


嘘のような戦いが終わり
時が巡り、中学3年の夏

進路相談室

「氷那と言いお前と言い、二人揃って羽咲女子か。何かあったのか?」
「まぁ、色々と。」
「そうか。頑張れよ。向こうに行っても。」
「はい。」
そう言うと席を立ち進路相談室を出て行く風濫

教室

ドアを開けて教室の中に入る風濫
「お帰り〜。やっぱり驚いてた?」
「雪。…驚いてたね。」
「そりゃそうでしょうね。結構有名所らしいから。」
「へぇ〜。そうなんだ。」
雪の言葉に感心する風濫
「そ・れ・で・さ、提案なんだけどさ〜。」
「提案?」
「進路も決まってる事だから、羽咲に行ってみない?」
「夏休みに?」
「そぅ。」
風濫の疑問に答える雪
「でも、母が何て言うか…。それに、唯さんにも言わなきゃいけないし…。」
「大丈夫。両方共許可は取ってあるから。」
雪の言葉に呆れる風濫
「…解った。行こう。羽咲市に。」

終業式後

風濫達の家の最寄駅

「風濫遅い〜。」
「雪が早いの。」
「それもそうだね。それじゃ行こう。」
そう言うとホームに入り電車に乗る風濫と雪

揺られる事2時間余り

羽咲中央駅

「う〜ん、着いた〜。」
「結構乗ってたね、雪。」
「そうね。」
そんな会話を交わす2人の元に1人の女性がやって来る
「間宮風濫に氷那雪ですね?」
「えっ?そうですけど、貴女は?」
風濫の疑問に口を開く女性
「私はイリア。シスターをしています。
唯姉に言われて迎えに行くようにと言われてたので迎えに参りました。」
「そぅ。ありがとう。」
「いいえ。ではあちらに車を止めてありますのでどうぞ。」
そう言うと歩き出すイリア
それに付いて行く風濫と雪
そして止まってる車に乗り込むイリア・風濫・雪
助手席にイリア、後ろに風濫と雪
「仁科さん、唯姉の所迄。」
「解ってる。」
そう言うと車を発進させる仁科と呼ばれた男性
「全く。俺はお前達のお抱えの運転手じゃないんだからな。」
「良いじゃんあ。その分協力してるんだから。」
「…確かにな。」
後ろの席で話に付いて行けてない風濫と雪
「あぁ、紹介がまだだったわね。彼は羽咲市警の仁科惠一。私達SKに協力的な人よ。」
「その分こき使われてるけどな。」
「羽純は?」
「あいつもあいつで忙しいの。」
「そぅ。」
「んで、後ろの2人は?」
「唯姉が見つけてきたの。」
イリアの言葉に少し考えて口を開く仁科
「…能力者、か?」
「えぇ。」
そんな他愛も無い会話をしていると水月邸に到着する
「着いたわよ、降りて。」
そう言うと車から降りる風濫と雪
そこに1人の女性が立っていた
「イリア、彼女達が例の?」
「えぇ。後お願いね。」
「OK。」
その返事を聞くと再び車に乗り去って行くイリア
「とりあえず付いて来て。」
そう言うと屋敷の方へ歩いて行く女性
それに付いて行く風濫と雪

水月邸ロビー

「ルイ〜、居る〜?」
「フェルミナ。…間宮さん。それに氷那さん。お久しぶりね。」
「ルイさん。」
「フェルミナ、お茶出して来て。」
「解った。」
そう言うと奥へと消えるフェルミナと呼ばれた女性
「ルイさん。唯さんは?」
「唯様は今出てるわ。もう少ししたら戻ると思うわ。」
そう言った直後外からロビーに入って来る唯
「あれ?2人共もう来てたんだ。」
「唯様。お帰りなさいませ。」
「うん。フェルミナは?」
「お茶を入れています。」
「そぅ。それじゃ一服したら行きましょうか?風濫・雪。」

お茶を飲んだ後2人は唯・フェルミナと一緒に羽咲女子へと足を向けた

羽咲女子

「付いたわよ。」
そう言って校門の前に立つ唯
「ここが、来年の春に入る事になる高校。」
「行くわよ。」
そう言うと奥へと入って行く唯
それに続く風濫・雪・フェルミナ

一通り唯に案内された2人は礼拝堂に来ていた

「ここが礼拝堂。けど、あまり来る生徒は居ないけどね。」
そう言って奥へと進む唯
それを見て奥へ進む風濫・雪・フェルミナ
ふと奥に1人のシスターが立っていた
「お祈り?熱心ね。」
唯が声を掛けると振り向くシスター
「フィーナ、さん?」
「唯姉。それにフェルミナ。…間宮に氷那迄。」
風濫と雪の姿に驚くフィーナ
「何で、居るの?」
「学校見学。」
フィーナの疑問に答える唯
「そぅ。」
フィーナがそう言うと何かに気付く一同
「唯さん。」
「解ってる。何か、居る。」
唯がそう言うと床に召喚魔方陣が浮かび上がる
魔方陣から魔物が多数現れて来た
「上級悪魔(オーバーズ)!!!」
その姿を見て口を開くフェルミナ
「「イカヅチよ。我が敵を討つ剣と成れ!」」
その側で詠唱をするフィーナと風濫
「「トロン!!!」」
そして同時に放つ2人
「全てよ凍れ。フリージングスノー!!!」
そう言って雪も魔法を放つ
数体の悪魔が凍りつき砕け散る
その直後
残りの悪魔を一閃する唯
「唯が連れてくるだけの力はあるみたいね。」
ふとフェルミナが口を開く
「でしょ?育てれば、良い人材になるわよ。2人共。」
唯とフェルミナの話について行けない風濫と雪
「つまりは試したって事でしょ?」
「フィーナ正解。」
フィーナの言葉に納得する風濫と雪
「次の新入生の中で1・2を争うかもしれないね。2人共。」
「煽てたって何も出ませんよ。唯さん。」
風濫の言葉にクスクスと笑う唯・フィーナ・フェルミナ
「それじゃ戻ろうか?ねぇ。」
「そうね。」
唯の言葉に答えるフェルミナ
「私はもう少し居ます。」
遅れてフィーナも答える
「そぅ。イリアによろしくね。」
「はい。」
フィーナの返事を聞くと礼拝堂から出て行く唯・フェルミナ・風濫・雪の4人

水月邸

客間

「いや〜、凄かったね。風濫。」
「そ、そうね。料理もそうだったけど、メイドの多さにも驚いたわ。」
「そう言えばお風呂も凄いらしいよ。」
「…凍らせる気?」
風濫の言葉に必死で否定する雪
「そっ。」
そう言うと部屋を出て行く風濫
「何処行くの?」
「ロビー。」
そうとだけ言うと部屋のドアを閉めて去って行く風濫

ロビー

ロビーのソファーに身体を預ける風濫
「お疲れですか?」
ふと風濫に声を掛ける女性
「…ルイさん。」
「お茶、飲みます?」
ルイの言葉に軽く頷く風濫

「けど、本当に驚いたでしょう?ここには。」
お茶を飲みながらルイの言葉に頷く風濫
「フフッ、そうでしょうね。けど、もっと凄いのは、
フェルミナ以外私を含め全員が、唯様に拾われたって事。」
「えっ?」
ルイの言葉に疑問に思う風濫
「ルイさん、それって一体…。」
「…皆、孤児なのよ。中には、裏で人身売買されていた娘も居たわ。
そんな娘を無くす為、唯様はあえて裏の世界とのパイプを持っているわ。」
「…凄いんですね、唯さんって。」
唯のしている事に感心する風濫
「私も、唯さんの力になれたら良いな。」
「なれますよ。間宮さんなら。」
「…ありがとう、ルイさん。」
「いえ。…それと、羽咲に居る間はこの屋敷を自由に使って良いと、唯様が言ってました。」
「そぅ。それって雪も?」
「はい。」
「…ありがとう。それじゃ寝るね。おやすみ。」
「おやすみなさいませ。」
ルイの言葉を聞くと2階へと昇って行く風濫
「…言えない。ここに来る事で、過酷な運命が待ち構えている事を。」
そう言うと風濫が飲んで居たお茶を片付けるルイ

台所

先程のお茶の入ってたティーカップを洗うルイ
「彼女達を巻き込むのが、嫌なの?」
ふと聞こえた声に口を開くルイ
「フェルミナ。…別に、そんな事は…。」
「…まぁ私の気のせいなら良いんだけど。
けど、逃げてばっかじゃ、前へは進めないからね。おやすみ。」
そう言うと台所から去って行くフェルミナ
「…解ってるわよ、フェルミナ。言われなくても。」

日にちは過ぎ、8月の末
風濫と雪は学校が始まる為、羽咲から帰っていった
そして、季節は巡り、春

卒業式を終え、風濫と雪は家へ帰り荷物を纏め、駅に居た

駅にはワゴン車で迎えに来た、唯とルイの姿があった
「行きましょうか?間宮風濫、氷那雪。」
「「…はい。」」
そう言うとワゴン車に乗り込む2人
そして車は走り出す
新たな地羽咲市へ
運命と戦いの交差する地へと

終わり

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