仏の顔も三度まで?

作:Rui
イラスト:ぶろんず


仏の顔も三度まで?

とある高校の教室
そこで先生が出席を取っている
「橘。…橘。…またか。」
名前を呼んで返事が無いのを察知して呆れる先生
「仁科先生。私が連れ戻して来ます。」
「如月。毎度毎度すまんな。」
「良いんです。委員長としても役目ですから。それで失礼します。」
そう言うと教室を出て行く如月

学校の裏手の丘

「ふぁ〜〜〜。」
欠伸をし今にも寝る体勢に入る一人の男子生徒
「橘君!やっぱりここに居た。」
「…委員長か。何の用だよ?」
「貴方を教室に連れ戻しに来たの。」
「…メンドイ。」
そう言うと寝返りをうつ橘
「…橘君、留年しても良いの?何かやりたい事でもあるんでしょ?」
「…うるせ〜な〜。戻れば良いんだろ?」
そう言うと起き上がる橘
「そう。人間素直が一番。」
そう言うと歩き始める如月
「…(確かにな。)」

その日の放課後

HRが終わり掃除の時間となっていた
「委員長、橘君が居ないんですけど…。」
「…ちょっと待ってて。」
そう言うと教室を出て裏の丘に向かった

裏の丘

「やっぱりここに居た。」
寝転がって居た橘に聞きなれた声が聞こえた
「…委員長か。何の用だ?」
「橘君、貴方今週は教室の掃除当番でしょ?サボらないでとっとと掃除して来る!」
「…うるせぇな〜。」
そう言うと校舎とは反対の方から丘を下って行く橘
「あっ!こら、待ちなさい!」

教室

「あっ、委員長。」
「ゴメン、逃げられちゃった。」
「あっ、良いですよ。すみません、自分の仕事もありますのに。」
「良いの。これが委員長の役目だから。」
そう言うと笑顔で答える如月

翌日

「橘は、またサボリか?」
「先生。連れ戻して来ます。」
そう言いながら席を立ち教室を出て行く如月

学校裏の丘

「居た居た。橘…君?」
注意しようと声を掛けようとする如月
「どうしたの?委員長。」
「…それはともかく、こんな所でサボって無いで授業に…。」
“授業に出なさい”
そう続く筈の言葉は口にされなかった
「…怒ったままの表情でブロンズ像に。可愛いよ、如月さん。」
それ迄とは違う口調で口を開く橘
「これでまたコレクションが増えた。次は誰にするかな?」
そう言うとニヤリを笑みを浮かべ校舎の方を見る橘


終わり

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