泣き声(七不思議シリーズ)

作:Rui


泣き声

「ねぇ聞いた?また女子生徒が1人消えたんだって。」
「え〜、うっそ〜。怖〜い。」
…集まって噂話をする集団
「…毎日毎日良く飽きないわね。」
「梓。聞こえてるわよ。」
「…おはよう、マナ。」
挨拶を交わす梓とマナ
「梓、噂は噂でしか無いんだし、気にする必要無いよ。」
「…そうだね、マナ。」
そう言うと先生が教室に入って来る

放課後

「あっ!」
ふと何かに気付き声を上げるマナ
「マナ、どうしたの?」
「美術室に忘れ物しちゃった。」
「…昇降口で待っててあげるから、早く取ってきな。」
「ゴメンね、梓。」
そう言うと美術室の方へ走って行くマナ

美術室

ドアを開けて中に入るマナ
「え〜と…。」
そう言いながら忘れた物を探すマナ
「あっ、あった♪」
そう言うと机の上にあったノートを手に取るマナ
ふと、美術室の噂を思い出すマナ
―――美術室の彫像は泣く―――
「…そんな訳、無いよね?」
そう言いながらも彫像の方を向くマナ
「…ほら、何とも無い。」
その瞬間何かを口に当てられ気を失うマナ

「う、う〜ん。」
目を覚ますマナ
目の前にある鏡に気付き自分の身体を見る
「…嘘。これって、石膏?…嫌、動かない。誰か、誰か助けて―――!!!」
「無駄よ。誰も助けに来ないわ。」
ふと聞こえた声に声の聞こえた方を向こうとするが、首迄固められてる為
振り向けないマナ
ふとマナの目の前に現れる女性
その姿は…
「梓?」
「梓。あぁこの身体の本来の持ち主の事ね。」
「えっ?」
「私は梓の欲望が表に現れた存在。…フフッ、良い事を教えてあげるわ。」
梓であって梓でない人物の言葉を聞き取ろうとするマナ
その表情は強張っていた
「ここにある彫像は全て私の作品。例の噂は事実よ。」
そう言うとマナの方を向く梓の欲望の存在
「貴女も私の作品になるのよ。」
「嫌、たすけ、助けて、助けて―――!!!」
「無駄よ。」

深夜の美術室で煙草を吸う梓の欲望の存在
「フフッ、これでまた新しい作品が1つ。…可愛いわよ、マナ。」
そう言うと腰掛けていた机から床に降りる
「さて、次は誰にしようかしら?」
欲望の宴は、始まったばかり

後書き

はい、作者です。
全作品通じて久し振りに後書きを書いてます
今回は「学園固め七不思議」その3です
固めは石膏です(前2つが凍結と金化なんだよな〜)
まぁ良いや。(ぉ)
そんじゃまた。Silver Fairyもよろしく♪

Ruiさんの文章に戻る