校庭の胸像(七不思議シリーズ)
作:Rui イラスト:ぶろんず
何処の学校にでもある胸像
このお話の舞台になる学校にもあるのですが…
今回はそんな七不思議
「桜〜、桜〜。」
「何〜、何かあったの?雪希。」
元気一杯な彼女は水月雪希
もう1人は篠塚桜
「もう少しで掴めそうなの。校庭の胸像。」
「まだ追ってたの?その件。」
「一度追い始めたら真相を掴む迄追う。新聞部の伝統よ!」
「…。解ったら言って。」
「うん。それじゃ、調査に行って来るね。」
そう言うと部室を出て行く雪希
「…真相、か。」
そう言うと天井を見上げる桜
2日後
新聞部部室
「桜〜、居る〜?」
そう言いながら部室のドアを開ける雪希
「…あれ〜?桜居ないの〜?」
そう言いながら部室の中を見渡す雪希
その直後後頭部に痛みが走る
そのまま床に倒れ込む雪希
美術室
「う、う〜ん。」
そう言いながら目覚める雪希
「…ここは?…美術室?」
「正解よ、雪希。」
聞き覚えのある声が聞こえる
「…桜?」
「正解。」
「何で?何で桜が?」
「君は真相を知ってしまった。だから処分するのだよ。」
そう言いながら歩いて来る美術教師
「鷲宮先生。」
「…さて桜君、始め様か?」
「はい。」
そう言うと準備に取り掛かる2人
「…便利な物ね。腰を挟んでの腕の拘束って。」
そう言いながら拘束具を雪希に付ける桜
「桜君、こっちの準備は万全だ。そっちは?」
「万全です。」
そう言うと雪希を鷲宮の用意したカプセルへ入れる桜
そのままカプセルを閉じる鷲宮
「…それじゃあね、雪希。」
そう言うとスイッチを入れる鷲宮
スイッチを入れるとカプセルの中に液体が流れこんで来る
カプセルの中で泣き叫ぶ雪希
「…何か言ってるみたいだぞ、桜君。」
「どうせ助けを求めているのでしょう。
全てを知ってしまったからには処分するしか無いのですから。」
「…そうだな。」
会話を交わしていると雪希の全身が液体に浸かる
「…そろそろ良い頃でしょう。」
「そうだな。」
そう言うとスイッチを操作する鷲宮
すると液体が沈んで行く
するとそこからはブロンズ像と化した雪希の姿があった
「さて、後は加工するだけだ。」
「えぇ。」
この3日後
雪希の家族から捜索願いが出された
見つかる筈の無い娘を探す為に…
更にその4日後
桜の通う学校に新たな胸像が追加された
その胸像は雪希に似ていた
それを見ながら呟く桜
「…フフッ、綺麗よ雪希。でも、真相を知ってしまった貴女が悪いのよ。」
妖しい微笑みをする桜
終わり
Ruiさんの文章に戻る